帰省したら実家は“地獄”。母親から「アンタ、何しに帰ってきたのよ」

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3年ぶりに新型コロナによる行動制限のない年末年始を迎え、駅や空港では多くの人が行き交った。そんな中、久々の帰省をしたにもかかわらず「帰らなければよかった」と後悔する人もいる。
◆“土産話”のない帰省はツラい 「来年からは土産話がないときは帰省するのをやめようと思いました。地獄ですね」と苦笑いするのは、松野俊介さん(27歳・仮名)だ。正月休みに実家に帰ったそうだが、一体なにがあったんだろうか? 「話です! 土産話! 手土産や姪っ子・甥っ子へのお年玉はもちろん持参したんですが、僕自身の土産話がひとつもなかったんで……」 松野さんのいう“土産話”とは、昇進や結婚など、自身のおめでたい話のこと。 「ただ正月休みだから帰っただけなのに『結婚は?』『恋人は?』『昇進は?』『ボーナスは?』と親や親戚からの質問がすごい。結婚の予定もないし、恋人もいないし、うちの会社は1年毎に昇進とかないし……」
◆「アンタ、何しに帰ってきたのよ」 質問責めに対して松野さんが「特に何もないよ」と答えると、母親が不思議そうな顔をして「アンタ、じゃあ何しに帰ってきたのよ」。 「何しにって(苦笑)。親にも頼らず東京で頑張って働いてる息子が正月に帰ってきただけで良くない? って思いました。田舎だからか地元に残った僕の同級生たちは結婚したり、子供が生まれたり、家を建てたり、そんな話がすぐ耳に入るんですよね。だから何もないとガッカリするっていう気持ちはわからなくもないんですけど」 松野さんは、もしも来年とくに土産話がなければ帰省自体しない予定だという。
◆田舎の嫁姑問題は面倒くさい 都内でジュエリーデザイナーをしている嵜本アリサさん(29歳・仮名)も、今年の帰省で「懲りた」と言う。 「私は兄が2人いる3人兄弟の末っ子なんです。お兄ちゃん2人はもう結婚していて、長男が実家で同居、次男が車で30分くらいのところに住んでいて、お正月は実家にみんなで集まるんです」 今年も仕事納めをして帰省したというが、あまりの居心地の悪さに予定より早く東京に戻ったという。 「とにかく義理の姉達の当たりがキツい!『東京からお忙しいのにわざわざ帰ってきてくれてありがとうございます』『新幹線代高いから無理しなくてもよかったのに』とか、あんまり歓迎されている感じがしないんですよね。大人がひとり増えるだけでも食事や布団の用意をするのが大変だから『お世話になります』と一応、頭を下げましたけど……」 すると、それをみていたアリサさんの母親が「何言ってるの? アンタの実家なんだから頭なんか下げないでよ」と声を荒げたそうだ。
◆自慢の“東京で働くすごい娘” 「末っ子で女だから両親とも私にすごく甘いんです。義姉2人とはあまり気が合わないのか、よくLINEや電話で愚痴をいっていたので、おそらくお母さんが2人をいつもいじめてるんじゃないのかなぁと思います」 なにかにつけて『私はアリサさんと違って高卒なんで』『独り身だと自分にお金が使えていいですよね』『結婚もせずひとりで東京で暮らしてすごいですよ!』と、一見褒めているようでけなされ続けたアリサさん。
思い切って、母親に「義姉たちをいじめてない?」と聞いたそうだ。すると–。 「本人は『いじめるわけがない!』と笑っていましたが『あの2人は田舎から出たことがないから鈍くさいのよ!』といいだしたので、おそらく私のことを過大評価して2人に話しているんでしょうね。私を持ち上げて2人を落とすような発言をしているんだと思います。

◆新年早々に帰宅 結局、アリサさんは「急な仕事のトラブルで帰る」と嘘をつき、新年早々帰った。母は寂しそうにしていたが、義姉2人はどこか嬉しそうな顔をしていたんだとか。 「母は最後も『アンタは東京で立派に働いてるから大変よね、主婦にはできないわ』と言っていました。本人に悪気はないのかもしれませんが、私が嫁で専業主婦だったら、この発言は『ないわ~』って思いますね。
でも、母親になにか言ったら余計にこじれそうなので、私が大人しくしてるのが利口かな。今後はホテルを取って実家には顔を出す程度がいいな」 ゆっくりしたくて年末年始休みに帰るはずが、土産や土産話、親や親戚に気を使ってヘトヘトになっては元も子もない。
<取材・文/吉沢さりぃ>
―[年末年始の憂鬱]―

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