NTTを50歳で早期退職、給料3割減でグループ会社に再雇用…退職金の総額に嘆き

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長年、勤めた会社からもらえる退職金は、企業によってまちまち。悠々自適な老後を過ごせるのか、はたまた雀の涙ほどか? 終身雇用が崩れるなか、リアルな退職金の相場に迫る! 今回は60歳で定年退職した大手企業の社員を取材、勤続40年での退職金はいくらもらえたのか?
◆改革の波にのまれ50歳で早期退職
NTTの前身にあたる日本電信電話公社に就職し、’20年に60歳定年を迎えた口哲也さん(仮名・62歳)。勤続40年の集大成はなんと、たったの300万円だった。しかし、これにはある事情がある。
「’02年から始まった構造改革により、50歳で一度退職を余儀なくされました。そのときの退職金は1700万円です。その後、給料3割減で再雇用されたグループ会社から受け取った退職金が300万円。
そのため合計は2000万円になります。
ただ、私が53歳になったときに制度が廃止された。あと少しズレていれば2400万円はもらえたのに……。運が悪かったです」
◆スポーツカーを我慢して…
しかし、退職金が分割されたことがかえって功を奏したという。
「20代からずっと投資をしており、高配当銘柄を中心に1200万円を株式投資に回しました。車が好きなので、トヨタのスープラというスポーツカーを買おうか迷いましたが、将来のことを考えて我慢。
そのおかげで、現在は月15万円ほどの配当金があり、年金と合わせて十分な収入があります。もちろんNTTにも投資し、退職後も配当金でお世話になっています」
’20年末、NTTがドコモを完全子会社化したときに株価が急落、すかさず底値で買い増ししたという樋口さん。
◆唯一の誤算は…
備えあれば憂いなし。定年後は仕事から離れ、悠々自適の生活を送る。
「両親はすでに亡くなっており、介護の心配もない。読書、旅行、競馬の3つの趣味を満喫しています。だけど、唯一の誤算はコロナワクチンを打ってから体調不良に悩まされていること。そのせいで昨年は競馬のG気忙伽錣任なかった。今年の5週連続G気任1か月間東京に滞在して思う存分楽しむ予定です(※取材時)」
将来を見越した退職金の使い方を、ぜひ見習いたい。
◆●樋口哲也さん(仮名・62歳)のケース
勤続40年退職時年収500万円
退職金合計2000万円
取材・文/週刊SPA!編集部 イラスト/サダ

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