道路・駅前・公園で「歩きスマホ」禁止 愛知・江南で条例施行へ

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愛知県江南市で「歩きスマホ」を禁じる条例が、新年度から施行されることが関係者への取材で判明した。パブリックコメントを経て、議員提案による条例案が来年の3月定例会に提出され、可決される見通しだ。同種の条例制定は東海地方では初めて。
「ながらスマホ」の悲劇 事故で息子を亡くした遺族の叫び 歩きスマホは屋外を歩きながらスマートフォンの画面を見たり操作したりするため、視野が狭くなり周囲への注意力が低下する。 条例案は江南市内の道路、駅前広場、公園などでの歩きスマホを禁止。スマホや携帯電話の操作は、他の歩行者の通行の妨げにならない場所で立ち止まって行うよう定める。罰則は設けない。

東京消防庁によると、2019年までの5年間に都内で、歩きスマホが原因の自転車との接触・転倒や駅での転落事故で177人が救急搬送されている。 名古屋鉄道によると、市内にある名鉄江南駅の1日の平均乗降者数は21年度2万2218人で、名鉄犬山線(愛知県清須市から岐阜県各務原市までの全17駅)の中で最多。議員らによれば、駅前では歩きスマホをする人の姿が目立ち、駅階段から足を踏み外して転落する人もいるという。 20年7月に全国初の歩きスマホ禁止条例が施行された神奈川県大和市の調査では、施行後の22年1月に駅前で歩きスマホをする人の割合は、施行前の20年1月と比較し、7・4ポイント減少したという。 歩きスマホの危険性を研究する筑波大の徳田克己教授(バリアフリー論)は「『歩きスマホはいけないこと』と多くの人が意識するようになる」と条例化の意義を強調。罰則がないため効果は限定的としつつ、「小中学校など教育の場で条例を子どもに学ばせることで大人も意識が変わり、効果は向上するのではないか」と話す。 地方自治研究機構(東京都中央区)によると、歩きスマホを禁止する条例は大和市のほか、東京都足立区▽同荒川区▽同墨田区▽大阪府池田市――が制定している。【川瀬慎一朗】
歩きスマホは屋外を歩きながらスマートフォンの画面を見たり操作したりするため、視野が狭くなり周囲への注意力が低下する。
条例案は江南市内の道路、駅前広場、公園などでの歩きスマホを禁止。スマホや携帯電話の操作は、他の歩行者の通行の妨げにならない場所で立ち止まって行うよう定める。罰則は設けない。
東京消防庁によると、2019年までの5年間に都内で、歩きスマホが原因の自転車との接触・転倒や駅での転落事故で177人が救急搬送されている。
名古屋鉄道によると、市内にある名鉄江南駅の1日の平均乗降者数は21年度2万2218人で、名鉄犬山線(愛知県清須市から岐阜県各務原市までの全17駅)の中で最多。議員らによれば、駅前では歩きスマホをする人の姿が目立ち、駅階段から足を踏み外して転落する人もいるという。
20年7月に全国初の歩きスマホ禁止条例が施行された神奈川県大和市の調査では、施行後の22年1月に駅前で歩きスマホをする人の割合は、施行前の20年1月と比較し、7・4ポイント減少したという。
歩きスマホの危険性を研究する筑波大の徳田克己教授(バリアフリー論)は「『歩きスマホはいけないこと』と多くの人が意識するようになる」と条例化の意義を強調。罰則がないため効果は限定的としつつ、「小中学校など教育の場で条例を子どもに学ばせることで大人も意識が変わり、効果は向上するのではないか」と話す。
地方自治研究機構(東京都中央区)によると、歩きスマホを禁止する条例は大和市のほか、東京都足立区▽同荒川区▽同墨田区▽大阪府池田市――が制定している。【川瀬慎一朗】

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