「MT車の運転」出来ないとダメ!? 警察官の「AT限定免許」が推奨されてない理由 「免許費用の負担」の噂はホント?

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街中で、パトカーや白バイに乗っている警察官を見かけたことのある人はいるでしょう。 警察官が事件や事故に出動したり、交通取り締まりをおこなう際は、パトカーやバイクに乗る機会も多いですが、警察官の運転免許に関して「普通免許はMT車の免許を取らなければいけない」という話があります。これにはどういった理由があるのでしょうか。 今回は、警察官の運転免許事情について見ていきます。
クルマの普通運転免許には、MT(マニュアルトランスミッション)車とAT(オートマチックトランスミッション)車の両方を運転できるものと、AT車に限定して運転できる2種類があります。
【画像】斬新すぎる! 日産新型セレナの「横並びスイッチ式シフト」 画像で見る(19枚) 最近では、クルマの運転が比較的簡単であるという理由からAT限定免許を取得する人も多くなっており、2020年に普通自動車第一種運転免許を受験した158万7700人のうち、AT限定を選んだ人は111万3229人と、全体の7割以上を占めているほどです。 このように昨今はAT限定免許の取得が主流となってきていますが、実は警察官の場合では、「限定なし免許の取得」が推奨されています。 たとえば、長野県警察の採用案内を見ると、警察官に必要な資格に関して「採用前に特別な資格を取得する必要はありません」としつつも、「警察学校に入校するまでに、運転免許(普通免許(MT車)及び普通自動二輪免許(125cc以下の「小型限定[MT車]」でも可))は、できる限り取得していただきたいと思います」と掲載されています。 また、熊本県警察においても「採用試験に合格してから警察学校に入校するまでに、警察官には普通自動車と普通自動二輪車の運転免許(どちらもAT限定不可)の取得をお願いしています」と書かれています。 この理由についてですが、最近ではAT車の普及とともにパトカーや警察のバイクについても多くがAT車が採用されるなかでも、警察車両の一部にはMT車の車両も存在するため、MT車の免許取得を推奨しているのです。 また交通事故が発生したときや自動車の運転者が急病で運転できなくなったなどのケースで、警察官が一時的に一般の人の車両を運転して移動させる可能性もあるため、MT車も運転できた方がとっさの事態に対応できる確率が上がるといえます。 ただし、MT車免許の取得は「絶対」ではないため、なかにはAT車限定の普通免許を持っている警察官も存在します。 また警察に関する噂のひとつには、「警察官は運転免許を取得するための費用を負担してもらえる」という声が聞かれることがあります。 これについて、結論からいうと費用を負担してくれることはありません。 警察官として採用されると、大卒警察官なら6か月、高卒警察官であれば10か月のあいだ警察学校に入校し警察官としての研修を受けることになります。 警察学校に入校するまでに普通免許と普通自動二輪免許の取得を勧められるため、警察官自身のお金で自動車教習所に通うなどして運転免許を取得しています。 筆者(元警察官はる)は大卒警察官として採用されましたが、同期の多くは大学在学中に普通免許や普通自動二輪免許を取得している人がほとんどでした。 ただ、普通自動車の運転免許は18歳以上でないと取得できないため、高卒で採用された警察官のなかには3月生まれで、4月の警察学校入校までに普通免許の取得が間に合わないという人もいました。 そのような場合は警察学校に入校中の授業時間外や休日などに自動車教習所に通って免許を取得することになりますが、「学校」といっても全寮制であり、授業時間外も自主学習や体力トレーニングなどをおこなわなければならないため、自由な時間はあまりありません。 さらに原則として許可を得ないと外出ができないため、そういった意味でも警察学校に入校しながら教習所に通い、免許を取得するのはなかなか大変といえるでしょう。 もし警察官になりたいという人がいれば、警察学校入校前に必要な運転免許を取得しておくのが望ましいといえます。※ ※ ※ 都市部の交番では徒歩や自転車でパトロールをおこなうこともありますが、地方の交番ではパトカーやバイクによるパトロールが多くなります。 AT車のパトカーが増えているとはいえMT車の警察車両も少なからず存在するほか、一時的に他の人の車両を動かすケースもあるため、警察官にはMT車の普通免許をとることが推奨されているのです。
最近では、クルマの運転が比較的簡単であるという理由からAT限定免許を取得する人も多くなっており、2020年に普通自動車第一種運転免許を受験した158万7700人のうち、AT限定を選んだ人は111万3229人と、全体の7割以上を占めているほどです。
このように昨今はAT限定免許の取得が主流となってきていますが、実は警察官の場合では、「限定なし免許の取得」が推奨されています。
たとえば、長野県警察の採用案内を見ると、警察官に必要な資格に関して「採用前に特別な資格を取得する必要はありません」としつつも、「警察学校に入校するまでに、運転免許(普通免許(MT車)及び普通自動二輪免許(125cc以下の「小型限定[MT車]」でも可))は、できる限り取得していただきたいと思います」と掲載されています。
また、熊本県警察においても「採用試験に合格してから警察学校に入校するまでに、警察官には普通自動車と普通自動二輪車の運転免許(どちらもAT限定不可)の取得をお願いしています」と書かれています。
この理由についてですが、最近ではAT車の普及とともにパトカーや警察のバイクについても多くがAT車が採用されるなかでも、警察車両の一部にはMT車の車両も存在するため、MT車の免許取得を推奨しているのです。
また交通事故が発生したときや自動車の運転者が急病で運転できなくなったなどのケースで、警察官が一時的に一般の人の車両を運転して移動させる可能性もあるため、MT車も運転できた方がとっさの事態に対応できる確率が上がるといえます。
ただし、MT車免許の取得は「絶対」ではないため、なかにはAT車限定の普通免許を持っている警察官も存在します。
また警察に関する噂のひとつには、「警察官は運転免許を取得するための費用を負担してもらえる」という声が聞かれることがあります。
これについて、結論からいうと費用を負担してくれることはありません。
警察官として採用されると、大卒警察官なら6か月、高卒警察官であれば10か月のあいだ警察学校に入校し警察官としての研修を受けることになります。
警察学校に入校するまでに普通免許と普通自動二輪免許の取得を勧められるため、警察官自身のお金で自動車教習所に通うなどして運転免許を取得しています。
筆者(元警察官はる)は大卒警察官として採用されましたが、同期の多くは大学在学中に普通免許や普通自動二輪免許を取得している人がほとんどでした。
ただ、普通自動車の運転免許は18歳以上でないと取得できないため、高卒で採用された警察官のなかには3月生まれで、4月の警察学校入校までに普通免許の取得が間に合わないという人もいました。
そのような場合は警察学校に入校中の授業時間外や休日などに自動車教習所に通って免許を取得することになりますが、「学校」といっても全寮制であり、授業時間外も自主学習や体力トレーニングなどをおこなわなければならないため、自由な時間はあまりありません。
さらに原則として許可を得ないと外出ができないため、そういった意味でも警察学校に入校しながら教習所に通い、免許を取得するのはなかなか大変といえるでしょう。
もし警察官になりたいという人がいれば、警察学校入校前に必要な運転免許を取得しておくのが望ましいといえます。
※ ※ ※
都市部の交番では徒歩や自転車でパトロールをおこなうこともありますが、地方の交番ではパトカーやバイクによるパトロールが多くなります。
AT車のパトカーが増えているとはいえMT車の警察車両も少なからず存在するほか、一時的に他の人の車両を動かすケースもあるため、警察官にはMT車の普通免許をとることが推奨されているのです。

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