急性リンパ性白血病の闘病をしながら、血液内科医を目指していた齊藤樺嵯斗(さいとう・かざと)さんが9月16日、亡くなりました。「血液内科医を目指すがんサバイバー」として、SNSで自身の闘病について発信していました。私立大学医学部の5年生でした。
【写真】闘病についてSNSで発信してきた齊藤樺嵯斗さん
斎藤さんは 2023年5月、Tリンパ芽球性リンパ腫と急性リンパ性白血病を発症し、ハプロ移植(ヒト白血球抗原が合致しない血縁者間でも造血幹細胞移植を行う治療法)を経て一度寛解したものの、24年6月に再発。その後、再移植をし今年1月に寛解し、リハビリを続けていました。しかし7月には血尿が止まらず、膀胱を手術。8月以降は、抗がん剤による末梢神経障害により文字の入力が困難な状況で、代わりに斎藤さんの父が近況を投稿していました。
そして今月9月17日、齊藤さんの父がX上で「樺嵯斗ですが9月15日より体調が悪化し翌16日の午後0時55分に息を引きとりました」と報告しました。
「 呼吸も苦しいのに樺嵯斗から 『意識がなくなる前に言っとく。 お父さん、今までありがとう』と言ってくれました。 私は『大丈夫だよ、大丈夫だよ』としか言えませんでした。 樺嵯斗は私達家族の誇りです。 ずっとずっと私達家族の大切な息子で、これからもずっと、ずっと一緒です。 血液内科医になる事は叶いませんでしたが多くの方に勇気を与える存在だったと思っています。 命の大切さ尊さを、そして自身の存在を通して隠し事なく伝えることが出来たのではないかと感じました。最後に ここまで頑張ることが出来たのも皆様一人一人の応援、励ましの言葉、存在であったことに心より感謝しています」と思いを綴りました。
訃報にネット上では悲しみの声が広がっています。ドラマ化もされ、「天久鷹央の推理カルテ」シリーズで知られる作家で医師の知念実希人さんはX上で「本当に本当に残念です…… きっと素晴らしい血液内科医になって、多くの患者さんを救えたのに 最後まで病と闘い続けた姿に多くの方が勇気をもらったと思います どうか安らかにお眠り下さい 心からお悔やみ申し上げます」と追悼コメントを寄せました。
このほか、Xで闘病を発信する19歳の小児がんサバイバー・しょーさんは「かざとくん。悔しいよ。悔しくて悲しくて辛い。いっぱい喋ってくれて勉強のこと大学のこと色々教えてくれて、そして何より闘病しながら医師目指す仲間でいてくれて、ありがとう。かざとくんがいたから頑張ろうと思えてたよ。ありがとう。これからもずっと尊敬するお兄ちゃんだよ。大好き」と綴りました。
辛い闘病生活の中、前向きに発信する様子に心を打たれた人も多く、「生きる意味を教えてくれた」「言葉になりません…身をもって命の尊さを見せてくださったのは、医者と同じくらいのお仕事をされたかと」「こんなにも『生きる』ことに 直向きに燃えている熱い青年に 出会えた事。忘れません」「どんな状況でも志高く前向きに生きる姿は、私のような犒豈佞んで命を落とした子を持つ者瓩砲箸辰憧望の光でした」など感謝の声が並びました。