「麻袋から4人分の頭蓋骨が…」 発見されたスリランカ人所有の資材置き場が、近隣で気味悪がられていた理由

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人目につかない資材置き場で、四つの麻袋に入った4人分の頭蓋骨が発見された。3人分が男性、1人分が女性とみられる。ほかにも複数人分の上腕骨や大腿骨も見つかっており……。
【写真を見る】「麻袋から4人分の頭蓋骨が…」 地元で気味悪がられているという現場
8月下旬、禍々しい言葉が並ぶニュースが報じられた。現場は神奈川県北西部の丹沢山地の麓、愛川町。町の人口約4万人のうち1割ほどが外国人だ。鉄道駅はなく隣の厚木市内の本厚木駅から路線バスで50分かかる。
「そんな田舎でとんでもない殺人事件が起きた。初めはそう思いました」
と、県警担当記者。
「バス通りから少し入った、長らく誰も住んでいない民家の敷地が資材置き場として貸し出されていました。借り主は中古車輸出業を営むスリランカ国籍の男性で、発見者はこの男性とは別に敷地の管理を任されている人物。見回りの際に人骨に気付き、8月20日、駐在所に届け出ています」(同)
見回りの頻度や麻袋が比較的きれいな状態だったことから、発見前の数日のあいだに置かれたとされる。
「人骨に目立った傷はなく、土や泥が付着していた以外、血や肉片も付いていなかった。司法解剖で、いずれも死亡時に20~50代で死後50年以上が経過した骨と判明しました」(同)
そもそも、誰の骨なのか。そして、誰が、どのような理由で現場に捨てたのか。
先の県警担当記者によれば、土葬された遺体が白骨化した後に掘り起こされた可能性もあるという。
「“遺骨遺棄”は死体遺棄罪として罰せられるので、警察はできる限りの捜査を行います」
元神奈川県警刑事の小川泰平氏はそう語る。
「まずは人骨のDNA鑑定結果と行方不明者などとの照合や復顔作業を行い、人骨の身元特定を進める。同時に、付着していた土の成分分析で埋葬場所を割り出し、周辺の車のドライブレコーダーなどから遺棄した人物を絞り込む。なんらかの成果を期待したいところですが、人骨があまりに古い。身元特定は難航するでしょう」(同)
資材置き場の土地所有者の親族は、遺棄犯逮捕に懐疑的だ。
「警察とのやりとりで、遺骨に関する事件性は薄いとの感触を持っています。埋葬されていた骨がなんらかの事情で邪魔になり、不法投棄しやすそうなあの場所に捨てられた。そうみています。資材置き場には廃車や車の部品、洗濯機などが無造作に置かれ、近くにはさまざまな廃車が二十数台も雨ざらしになっている。どういうわけか、救急車や郵便局の軽バンもあります」
そのため資材置き場は近隣で気味悪がられている上、
「土地所有者は90歳を超して施設に入っていますし、3年半ほど前、敷地をスリランカ人社長に貸したその息子も離れた場所に住んでいます。要するに、資材置き場には周辺の住人は近寄らず、中に人がいることもほとんどない状態です」(同)
となると、遺棄犯は、
「失礼ながら社長の知り合いかと考えたりもしました。資材置き場から車で20分の場所に自動車部品などの製造工場が集まる工業団地があり、大勢の外国人が働いている。スリランカを含む南アジアの人も多く、社長の知り合いで資材置き場の存在を知っている人物がいるかもしれない。もっとも、具体的には思い付きませんが」(前出の土地所有者の親族)
誰が、なぜ捨てたのか。改めてスリランカ人社長に聞くと、
「自分には分からない。心当たりも、まったくない。いま警察といろいろ話をしています」
“陸の孤島”で起きたナゾだらけの犯罪。真相解明には時間がかかりそうだ。
「週刊新潮」2025年9月11日号 掲載

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