石破茂・自民党総裁の進退をめぐり、引責辞任すべきと主張する政治ジャーナリストの田崎史郎氏と「ひるおび」(TBS系)のコメンテーターの間でバトルが続いている。
自民党の両院議員総会が開かれた2025年9月2日の放送でも、世論調査では内閣支持率が急上昇している一方で、自民党内で石破おろしが続いていることに、司会の恵俊彰さんが「党内での考え方と世の中の見方というのがちょっとズレてきている」と指摘すると、田崎氏は「世論調査で議席配分が決まるわけじゃない」と、世論調査を軽視するような発言を繰り返した。
これに対し、火曜コメンテーターの大谷昭宏氏(ジャーナリスト)が「選挙はみんな思惑があると思うんですよ。でも、世論調査ってフラットで答えているじゃないですか」と反論すると、「民主主義の基本は選挙でしょ。選挙でもって議席配分が決まるわけでしょ」と、世論調査の結果は無視していいと言わんばかりだった。
大谷氏は「じゃあ、何のために報道機関はああやって世論調査をしてるんですか。報道機関出身のわれわれが(世論調査を)否定してどうするんですか」と強く批判。大谷氏は読売新聞、田崎氏は時事通信出身だ。
田崎氏は先週8月26日の放送でも、コメンテーターのバービー氏(お笑いコンビ「フォーリンラブ」)ともバトルしていた。「党内世論と国民世論に乖離があって当然」という田崎氏に、バービー氏は「総裁選で選ばれた人が新しい総理になったりするわけじゃないですか。それを、党内の論理で国民を振り回さないでほしいというのが一番の気持ち」とコメントした。
田崎氏は「自民党議員が総裁を選んで、その人が総理になれるかどうかとなるわけですね」と、議院内閣制の日本では第一党の議員が総理を決めるのは当然と説明した。バービー氏は「(世論と乖離してても)総裁選前倒しやってしまうと、わたしは自民党全体の印象が良くなくなります。『ああ、やっちゃうんだあ』みたいな感じになる」と納得しなかった。
三十数年前、高い内閣支持率を維持しながら、自民党内で少数派閥だったため総辞職に追い込まれた首相がいた。故海部俊樹氏だ。そのとき海外のメディアは、「日本の政治は不可解」と伝えた。石破首相もそうなってしまうのか。
(シニアエディター 関口一喜)