「ナプキンの音が気まずい」子供たちの切実な声 廊下から見えるトイレ…扉がないのはなぜ!?

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中学校のトイレについて、こんな声が寄せられました。(卒業生・姉)「廊下を通った時にすぐ見える感じになっている。やばいよね…」その学校を訪ねると…(内田直之キャスター)「生徒が使う学校のトイレ。入り口にドアはありません。これって、ないごて!?」学校のトイレの入り口に扉がないのはなぜか?徹底調査しました。
指摘があったのは姶良市の帖佐中学校です。

(内田直之キャスター)「多くの生徒が利用するトイレがこちらです。女子トイレですが入口にドアはありません。中が見えないように目隠し。暖簾がかけられ一定の配慮がされている状態です」昔は扉があったのでしょうか?レールのようなものが残っています。暖簾をかけて外からは見えづらいようにはなっていますが…
(内田直之キャスター)「特別な許可を得てトイレの中に入ってきました。入り口にドアはありません。目隠しだけなので、廊下に人がいた場合、中から気づく。そんな状況です」
(卒業生・姉)「男子トイレのドアがなくて、友達とは見えるよね。やばいよねと言っていました」(在校生・妹)「ドアがなくても仕切りぐらいは、ちゃんとつけて欲しい」
校長に話を聞きました。(内田直之キャスター)「トイレのドアがなくて暖簾がかかっているのは普通ですか?」(帖佐中学校・田島正晴校長)「いやぁ。(赴任時に)暖簾はうん?と思った。扉がないんだ。ここは目隠し、プライバシー保護のため、そういう対応しているんだと思った」
(内田直之キャスター)「暖簾だけで十分プライバシーは配慮できると考える?」(帖佐中学校・田島正晴校長)「うーん。中を注視してみれば、やはり良くない部分があります。そこはお互いに配慮しながら生活していると思う」
いつから扉がないのか?なぜ外したのか?分からないそうです。子供達からは、こんな声も聞かれました。(卒業生・姉)「ナプキンを使う時に開くとすごい大きな音で、ベリべリと音がするから、廊下に聞こえる。それがちょっと気まずい」
母親もこう訴えます。(母親)「中学生は生理が来ている子、来ていない子いるわけで、もちろん男子には知られたくない。子供たちにも最低限の配慮はしてもらいたいな」
一方、教員用のトイレ。入口にドアはついていて、数年前に洋式化した時に温水の洗浄機能や水を流した音を発生させる装置も付けられました。(卒業生・姉)「不平等かなと思う。生徒と先生で差があるから生徒の方もちゃんとして欲しいと思う」
こうした声に学校長は…(帖佐中学校・田島正晴校長)「そこが、配慮が足りないと言われれば考えなければいけない。(Q音漏れについては?)そこはですね。今まで私も考えていなかった。PTAや職員にも意見を聞きながら姶良市と相談したい」
姶良市の小中学校22校のうち、トイレの入口に扉がないのは10校です。元々ない学校もありますが、敢えて外している学校もあるようです。どんな理由があるのか?責任者に聞きました。(姶良市教育委員会教育総務課・留野真一課長)「管理上、短い休み時間に、たくさんの生徒が使いやすいように外したのではないかと言うのが、1つの推測。中学校の非行の問題、いじめの問題、扉があると密室な空間になる。そういった懸念で外した可能性があると考える」タバコやいじめなどが無いよう風紀を守るため扉を外した可能性があるようです。
教育委員会によると帖佐中学校の教員用のトイレの温水洗浄機能や音の装置は職員の要望で設置されたそうです。扉のない小中学校10校について今後の対応を尋ねると…(姶良市教育委員会教育総務課・留野真一課長)「まずは学校現場の要望、意見をしっかり把握して対応できればと思っています。やはり同じ状態にすることが一番いい。教育委員会として調査したい」
一方、県内で最も多くの学校を抱える鹿児島市は、どんな対応なのでしょうか?去年9月に校舎が一部建て替えられた八幡小学校を訪ねました。(内田直之キャスター)「去年できた新しい校舎ですが、トイレの入口はドアがありません。ただ、廊下からは、中が見えないような構造、作りになっています」最近は、このように配慮された構造の学校が増えているようです。
鹿児島市立の小中高校、120校のうち扉がないのは59校。このうち、廊下からトイレの中が見える作りの学校は20校あるそうです。学校の設置や維持、管理などを担当する鹿児島市教育委員会の施設課を訪ねました。責任者は…。
(内田直之キャスター)「学校によって対応が分かれていると、いうことですね。(そうですね)これは何によって分かれているのでしょうか?」(鹿児島市教育委員会施設課・久保課長)「トイレの扉についての基準がない状況がある。そういうことで対応が分かれていると思います」
校舎は、施設課と設計会社が打ち合わせて作ります。そもそも、なぜ扉のない学校が作られたのでしょうか?(鹿児島市教育委員会施設課・久保課長)「明確に見えてもいいと判断したかは、分からないが、今ほどはそういった目線を当時は気にしていなかったとは思いますけど」
廊下から中が見える20校について今後の対応を聞きました。(内田直之キャスター)「入学する学校によって配慮されている学校と配慮されていない学校があると、やっぱり良くはないかなと思う。いかがでしょうか?」(鹿児島市教育委員会施設課・久保課長)「・・・・・なかなかですね。配慮されていないという状況…」
学校は老朽化した校舎から順に建て替えられます。中が見える学校に対して、何らかの配慮をするよう求めて欲しいとお願いすると…(鹿児島市教育委員会施設課・久保課長)「そういったお話については、前向きに受け止めたい。ただ今この場で私の個人的な判断でこうした調査を20校についてすると断言しづらい。教育委員会として図ってみますので…」
翌日、課長からは、改めて教育委員会の対応が示されました。「各学校を調査して現場を確認し改善の必要があれば対応を検討したい」ということです。限られた予算の中で、どこまで配慮していくか難しい問題です。一方で、集団生活をする場では周りの人に配慮することが大切だと家庭でも供に教えることが大切だと感じました。(KYT news.everyかごしま 25年7月24日放送)

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