完成すれば“日本一の高層ビル”に 東京駅の横に建つ「トーチタワー」とは?

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その再開発地の前に立つと、東京駅の横に、こんな広い敷地があったのかと驚かされる。再開発プロジェクトTOKYO TORCH の一つ、2028年竣工を目指して建設中の「Torch Tower(以下、トーチタワー)」である。
【写真を見る】こんなところに“日本一の高層ビル”が! 「トーチタワー」の建設現場
「年配の方ならご存じでしょうが、あの一帯は、以前『日本ビルヂング』という古いテナントビルがあって、信託協会のほか中小企業や個人の事務所がたくさん入居していました。また、同プロジェクトで先に完工している『常盤橋タワー』の敷地は、日本製鉄(旧新日本製鐵)や大和証券の本社があったところです」(大手不動産会社幹部)
なるほど広いはずである。プロジェクトは敷地面積3万1400平方メートル。四つのビルからなり、その目玉とされるのが、トーチタワーだ。地上62階で、延床面積55万3000平方メートル。何といっても高さが385メートルと、竣工すれば日本一の高層ビルになる。現在高さ日本一の「麻布台ヒルズ」を意識してか、商業施設やホール、ラグジュアリーホテルに高級賃貸住宅、展望台が入る予定。オフィス部分は7~52階だ。
当然、入居に関心があるテナントもいるはずだ。
デベロッパーの三菱地所に聞いてみると、
「すでに公表している会社では、昨年5月にリース業の三菱HCキャピタル、コンサルティングの山田コンサルティンググループ、またIT系コンサルティングのディルバートという会社が、トーチタワーへの移転を表明しています」(広報担当者)
その三菱HCキャピタルに聞くと、都内に分散している本社機能をまとめて3フロアを借りる予定だという。
ところで気になる家賃だが、三菱地所も三菱HCキャピタルも明らかにしていない。そこで、似たような東京駅前・八重洲のオフィスビルを探してみると、1坪当たり4万2142円というのが出てきた。
不動産アナリストの森島義博氏によると、
「丸の内のオフィス賃貸料相場が、坪3万8000~4万円ですから、トーチタワーもそれを超える価格となるでしょう。東京都心のオフィス賃貸料は値上がり傾向にあって、3年後のオープンというタイミングも悪くありません」
東京駅前の“三菱村”に近いというのも有利だ。オープン済みの常盤橋タワーも3分の1は三菱系(東京海上)で埋まっており、できる前からソロバン上は成功が約束されたようなプロジェクトなのである。
「週刊新潮」2025年7月24日号 掲載

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