「この顔じゃ生きていけない」“一重まぶた”がイヤすぎた女子高生→ロリータ美少女に大変身した19歳女性が語る、“整形なし”で幸せになれた理由――2025年5月の読まれた記事2位

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2025年5月、文春オンラインで反響の大きかった記事5本を発表します。第2位はこちら!(初公開日 2025/05/17)。
【変わりすぎ!!】“一重まぶた”がイヤすぎた女子高生→「ロリータ美少女」に大変身した19歳女性の最新ショットを見る(写真多数)
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「メイク系魔法少女」として、SNSでメイクやロリータファッションについて発信している、ろるどーるさん(19)。SNS総フォロワー数が10万人を超えるなど、若い世代を中心に人気を集めている。
一重まぶたに強いコンプレックスを抱き、高校時代に整形を考えるほど悩んだ彼女は、メイクの研究に没頭。メイクによって、自分に自信が持てるようになったという。彼女はどのように容姿コンプレックスを乗り越えたのか、なぜSNSでメイク術を発信するのか、話を聞いた。(全2回の2回目/1回目から続く)
メイク系インフルエンサーのろるどーるさん(写真=本人提供)
◆◆◆
――ろるどーるさんはご自身の顔ととことん向き合い、独自のメイク術を編み出していったそうですね。
ろるどーるさん(以下、ろるどーる) もちろんSNSも参考にしましたが、人それぞれ顔のつくりはもちろん、好みも違うじゃないですか。だから最終的には、自分に合うメイクを考える時間を大切にしていました。
やればやるほど「もっと本格的にメイクを学びたい」と思うようになって、高校を卒業した後には日本化粧品検定1級も取得しました。勉強のために、図書館に通い詰めて参考書を読み漁っていましたね。
――そこまでメイクと向き合ったことで、どんな変化がありましたか?
ろるどーる いろいろありますが、一番は自分に自信が持てるようになったことです。メイクがもたらすのは、あくまで一時的な変化。それでもメイクをすると、「私もこんなにかわいくなれる可能性を秘めていたんだ!」って思えるんです。
すっぴんの顔は全く変わってません。でも、自然と「今の自分好きだな」と思える瞬間が増えていきました。あんなに「この顔じゃ生きていけない」と思っていたのに、メイクをしている時だけじゃなく、メイクをしていない時でも笑顔でいられるようになりましたね。

――メイクが自信を与えてくれたのですね。
ろるどーる はい。ただ、メイクは自分を好きになるための「きっかけ」だったというか。私が本当に変えたかったのは「マインド」の部分だったんだなって今は思います。
――というと?
ろるどーる メイクをするようになってしばらくは、人にすっぴんを見られるのがすごく怖かったんです。「不細工な顔を見られたら、嫌われるかもしれない」って。
でも、あるときすっぴんで友達に会ったら、特に何も言われなかったというか。いつもと変わらず過ごせたんですよね。
私のことをちゃんと見てくれる人は、メイクをしようがしまいが関係ないんだ、って分かったんです。だから今は、メイクをしないで過ごす時間も多いですね。
――「整形を反対されたときはショックでした」と話していた、ご家族との関係に変化はありましたか。
ろるどーる 整形を反対された後は、部屋にこもってメイクばかりしていたから、すごく呆れられていました。だから、両親はメイクにもあまりいい印象を持っていなかったと思うんです。
でも、少しずつだけど私が前向きになっていく姿を見て、「今日のメイクいいね」と声をかけてくれるようになりました。
――もし親が反対せずに高校卒業後に整形していたら、どうなっていたと思いますか?
ろるどーる もしかしたらめちゃくちゃ美人になって、華やかな生活をしていたかもしれません(笑)。でも今は、整形しなかったからこそ、私自身を愛してくれる人がいると気づけた、と思っています。
――メイクがきっかけで、いろんな変化が起こっていったのですね。
ろるどーる 他にも、ロリータファッションを着られるようになりました。ずっと憧れてはいたのですが、「かわいくない私には似合わない」って思っていたんです。でも、メイクのおかげで「今なら着られるかも」って。初めて着た時は、「かわいい!」って感動しました。

――「かわいくなるためには痩せなきゃ」と、ほとんどご飯を食べない時期があったそうですが、食生活も変わりましたか?
ろるどーる 食事についても、少しずつ楽しめるようになっていきました。ただ、自分に自信がついたこともきっかけのひとつですが、それ以上に「若い女性の痩せ」が社会問題になっている、と知ったことが大きかったです。
――近年、「日本の若い女性は痩せすぎ」という報道が増えていますよね。
ろるどーる 私が見ていたSNSの世界では、どこを見ても「痩せ=かわいい」と言われていました。でも若い頃の栄養不足はホルモン異常を引き起こしやすく、将来の妊娠出産にも影響するリスクがあると知って。実際に、今の日本ではそれで悩んでいる女性も少なくありません。
ちょうど高校卒業後の進学先が医療系の学校だったこともあって、改めて栄養や健康について学んだところ、「私の体型って何も問題なかったんだ」「なのにあんな極端なダイエットをしてしまっていたんだな」と痛感しました。
――ろるどーるさんは、高校を卒業する前後からSNSでの発信を始められたそうですね。始めたきっかけを教えていただけますか?
ろるどーる メイクを始めた頃からSNSを見ていましたが、正直「うーん……」と思うことも多くて。特に美容系は、整形のPRやステマ、極端なダイエットの仕方、科学的根拠のない情報が多いな、と感じていました。
――具体的には、どんな投稿に疑問を感じていたのでしょうか?
ろるどーる 例えば、「1週間で10kg痩せる方法!」みたいな投稿を見たことありませんか?
本当に1週間で10kg痩せるようなダイエット法は、身体への負担が大きすぎますし、とても危険です。でも、インパクトのある投稿じゃないとバズらないから、SNSには真偽のわからない極端な投稿が溢れているんですよね。
それに、そういう情報に踊らされて、苦しんでいる女の子がたくさんいるのも問題です。私自身がまさにSNSの情報に苦しめられた経験があるからこそ、「何かSNSでできることはないか」と思ったんです。

――ご自身の経験が、SNS発信の原動力になっているんですね。実際の投稿では、どのようなことを意識しているのでしょうか?
ろるどーる 最近は、加工で極端に顔をぐちゃぐちゃにして、メイク前の顔をわざと悪く見せるビフォア・アフター動画が増えていますよね。インパクトはすごいけど、ちょっと思うところもあって……。
それで、私が普段メイクで意識していることの“逆”を取り入れた「垢入りメイク」というのを発信したりしています。

――「垢抜け」の逆の意味で「垢入り」と表現するそうですね。あえて芋っぽいメイクをして、メイクによる変化の振れ幅や可能性を強調するという。
ろるどーる 私はメイクの可能性を信じているからこそ、加工に頼らず「メイクの力だけでどれだけ変身できるか」を発信したいんです。
――「詐欺メイク」という言葉もありますが、ろるどーるさんは「変身メイク」という言葉を使われていますね。
ろるどーる 「詐欺」って言われると、なんだか悪いことをしているみたいじゃないですか。それに、ビフォーの顔を否定しているようなニュアンスも感じてしまって。メイクはもっとポジティブで、楽しいものだと思うんです。だから私は「変身メイク」という言葉で、おしゃれを気軽に楽しんでいる様子を伝えたいと思っています。
――発信を続ける中で、気になるコメントやDMをもらうことはありますか?
ろるどーる 「なんでメイクでこんなに変われるのに整形しないの?」「そんなに時間をかけてメイクして、時間がもったいない」みたいなコメントはよくもらいますね。容姿そのものを直接的に中傷されることもあります。
――そういったコメントに対しては、どう向き合っていますか?
ろるどーる 私自身はあんまり気にしていません。でも、そのコメントを見て、私と同じような外見の特徴を持つ人が傷つくのは絶対に嫌。だから見つけ次第、削除するようにしています。
誹謗中傷する人たちって、本当の意味で自分を肯定してくれる人に出会えていなかったり、ネガティブな環境にいたりして、苦しい思いをしているのかもしれないなって思うんです。だからといって、人を傷つけていい理由にはならないですけどね。

――ご自身がSNS上の美の基準に苦しんだ経験があるからこそ、発信内容だけでなく、投稿につくコメントにも気を配っているのですね。
ろるどーる はい。ただ、どんなに自分が変わったとしても、人の容姿にあれこれ言ってくる人は、残念ながらゼロにはならないと思うんです。だからこそ強く言いたいのは、「悪いのは、あなたの顔じゃない」ってこと。
私自身、うまくいかなかったことを全部顔のせいにしていた時期がありました。でも、本当の原因は自分の内面にあったんだなって今は思います。もし容姿のことで悩んでいる人がいたら、「悪いのはあなたじゃない。心無いことを言ってくる人が悪いんだよ」って伝えていきたいです。
――今後の活動について、考えていることがあれば教えてください。
ろるどーる これからも、SNSを通して正しい美容情報と、メイクで「変身」する楽しさを発信し続けていきたいと思っています。あとは、大好きなロリータファッションにもっと深く関わっていきたいですね。「ロリータといえば、ろるどーる」みたいに言われる存在になれたら嬉しいです。
――最後に、ろるどーるさんが今、一番幸せを感じるのはどんな時ですか?
ろるどーる うーん、幸せな瞬間はたくさんありますけど(笑)。一番はやっぱり、着たい服を着て、好きなメイクをして、「今日の私、かわいいな」って思えている時ですね。その時間が、本当に大好きです。

写真提供=ろるどーるさん
(仲 奈々)

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