“非創業家”初のカシオ社長・増田裕一氏がわずか2年で退任へ “G-SHOCKの生みの親”が解決できなかった経営課題とは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

日本経済の中心地、東京・丸の内から“マル秘”財界情報をくわしくお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「丸の内コンフィデンシャル」。最新号からダイジェストで紹介します。
◆◆◆
カシオ計算機は6月の株主総会で増田裕一社長が退任し、高野晋常務が新社長になると発表した。
同社は創業者である長男・樫尾忠雄氏や計算機の開発を主導した次男・樫尾俊雄氏ら「樫尾四兄弟」が中枢を担ってきた。2023年、忠雄氏の甥にあたる樫尾和宏氏に代わり「非創業家」で初めて社長に就いたのが、「G-SHOCK」の生みの親の増田氏だった。
「増田さんは昨年度に600名を超える人員削減に踏み切ったのをはじめ、電子辞書の新規開発中止を決めるなど、構造改革を推進してきました」(カシオ社員)
カシオ計算機社長の増田裕一氏(右)と前社長の樫尾和宏氏。カシオ計算機では、非創業家の初めての社長だったがわずか2年で退任へ 時事通信社
だが、わずか2年での交替劇となった。
「和宏氏は中国市場でG-SHOCKを売り進めようとしたが、コロナ禍もあって苦戦していた。また21年、和宏氏のパワハラ疑惑が音声付きで週刊誌に報じられていた。それゆえ、世間の目を逸らすため和宏氏は社長を退き会長に就いたと、見る向きもあった」(カシオ関係者)
今回の人事で増田氏は退任するが、和宏氏は代表権は外れるものの、会長職に留任する予定だ。
「増田氏は当初、樫尾家に忖度しがちな社内風土を改革しようと試みたが失敗。社長に昇格する高野氏は創業家の信頼の厚い財務・経理畑出身です。結局、創業家の院政が続くと囁かれている」(金融関係者)
前社長の構造改革のお陰で、高野新社長の船出が順風満帆かと言えばそうでもない。“G-SHOCK一本足経営”の問題は改善されていないからだ。
〈この続きでは、カシオの経営課題をメガバンク幹部が分析しています〉
※本記事の全文(約5000字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2025年7月号に掲載されています(丸の内コンフィデンシャル)。全文では下記の内容をお読みいただけます。

★パナ人員削減の裏側「楠見雄規さんは攻めの経営戦略が打てなくなり、リストラしか言わなくなった。知恵袋は創業者の松下幸之助時代から…」
★西武HDに居住者が不満
「あそこは3年ごとに契約を更新する定期借家物件でした。居住者に『次の更新はしない』と通知しており、不満を持っている方もいますが…」 ★空港利権企業で相次ぐ騒動
会長と社長が揃って辞任に追い込まれたのは日本空港ビルデング(田中一仁社長)だ。同社は羽田空港の旅客ターミナルの独占所有・運営など…
(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2025年7月号)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。