“古古古古米”の売り渡しも決定…備蓄米放出で今後コメの価格の見通しは?専門店「相場に動きが出ている」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

小泉進次郎農水相は2025年6月10日、随意契約の備蓄米について、あらたに20万トンを追加で放出すると表明しました。名古屋のコメ専門店に話を聞くと、高騰が続いてきたコメの相場に影響が出始めているようです。
小泉農林水産相は10日の閣議後の会見で、随意契約の備蓄米について、2021年産の「古古古米」を10万トン、さらに2020年産の「古古古古米」を10万トン、あわせて20万トンを追加で売り渡すことを表明しました。

小泉進次郎農水相:「明日からまた、追加の備蓄米を放出します。できることは何でもやる」
2020年産米の放出は初めてで、小泉大臣は店頭価格が5キロ当たり1700円程度になるとしています。2025年5月末以降、高騰するコメの価格を抑える狙いで、随意契約により放出された備蓄米が各地で売り出されています。農水省によると、5月26日から6月1日にスーパーで販売されたコメ5キロ当たりの平均価格は「4223円」と、2週連続で値下がりしました。
これには随意契約による備蓄米の価格は反映されていませんが、2週連続の値下がりは2024年11月以来半年ぶりです。とはいえ、1年前のおよそ2倍と高値が続いています。
名古屋市昭和区のコメ専門店「お米の服部」では、普段は24種類の銘柄米を取り扱っていますが、6月10日、店先はほぼ品切れ状態でした。お米の服部の服部純さん:「備蓄米、令和5年産のものは入荷できたんですけど」
この店では6月4日、卸売業者を通じて2023年産の備蓄米、いわゆる「古米」を入荷しました。令和5年産の新潟県産「ゆきん子舞」は価格は5キロで3480円で、在庫切れの銘柄米にかわって店の主力商品となっています。
この1年で、銘柄米の価格は5キロで1000円ほど上昇していますが、服部さんはあえて銘柄米の仕入れを止めているといいます。服部さん:「ここ最近、備蓄米を小泉大臣が出されてから、ちょっと相場に動きが出てきているような。『ひょっとしたら値段がもう少し下がるんじゃないか』という話も出ていたりしているので、いい時に仕入れができれば一番いいなと思っています」新米が出始めるまで2カ月間の空白がありますが、この間を備蓄米でしのぎ、備蓄米の流通によって2024年産のコメが値下がりする可能性があるとにらみます。
服部さん:「仕入れ価格が少し下がり傾向にあるので、そこらへんを見極めながら、そういったものを仕入れて販売を継続していき、なんとか新米までたどり着きたいと思っています」
銘柄米に備蓄米、さらに輸入米という選択肢が増えた今、消費者はどれを選んでいるのでしょうか。名古屋の街で話を聞くと、「割高でも国産の銘柄米を買いたい」という声が多く聞かれました。男性(銘柄米):「毎日食べるものなので、おいしいものを食べたいかなと」別の男性(銘柄米):「ご飯はおいしく食べたい。お米は日本食として大事な文化でもあると思うので、農家さんのためにも銘柄米を買っていった方がいいかなと」価格重視で「備蓄米」を選ぶ人もいました。女性(備蓄米):「私、備蓄米を買いました。おいしかったし、そもそも1人暮らしなのですぐ冷凍しちゃうから、すごく高い銘柄米でもたぶん味は変わらない」別の女性(備蓄米):「備蓄米はなかなか手に入らないですもんね。あれば買ってみようかなと思いますけど」ほかにも、「どれでもOKです。お米ならなんでもおいしいから」と話す人もいました。
100人に聞いたところ、銘柄米が69人、備蓄米が19人、輸入米が1人、どれでもOKが11人という結果となりました。価格は高くても、“安心で美味しいから”といった理由で、国産の銘柄米を選ぶ人が圧倒的に多いようです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。