昔のお歳暮が大金に…円安で日本の「酒&中古ブランド品」が爆売れ

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円安の影響を受けて海外から注目される日本の「中古ブランド品」。バブル期に購入したバッグが、購入当時の定価と変わらない金額になる事例もあるという。一方、酒類は世界的なジャパニーズウィスキーの人気で定価数千円の国産ウイスキーがウン十万円になるらしい。具体的にどんなものならお宝度が高いのか。ブランド品買い取りの「ブランディア」とお酒買い取りの「JOYLAB」に直撃取材した。
ジワジワと進んでいる円安の影響もあり、この数年、中古ブランドの買い取り価格は総じて上昇を続けている。中でも上がっているのがシャネル、ルイ・ヴィトン、エルメス。ほかには投資目的としてロレックスも高値安定だという。
「各ブランドの直営店での定価が軒並み上がっていることもあり、買い取り価格も釣られて上昇しています。
また、エルメスのバーキンやケリーなどは、慢性的な品不足が続いており、お得意様以外は買うのが難しくなったためにプレ値がつき、定価以上の値段になることも珍しくありません」(ブランディア・間宮さん/以下同)
そうはいってもバブル期に買ったものなんて…、と思ったら、それがそうでもないらしい。日本人は新品を好む傾向があるが、欧米人はあまりこだわらず、ものによってはヴィンテージとしてブランド品を楽しむ文化がある。ブランディアの場合、円安の影響もあって、2020年には10%にも満たなかった海外向けの販売が、今では40%超えだという。
「ヴィトンやエルメスであれば、バッグのハンドルが取れていても値段がつくこともあります。
日本人は扱いが丁寧なので“日本からの商品は優先的に買う”というお客様も多くいます。捨てようと思ったものに“こんな値段がつくの!?”ということも」
「販売が終わっていた商品の復刻版が出て、リバイバルブームで相場が上がったり、海外ドラマで女優が身につけていた、といった話題性も関係してきます。
去年まではゴールドでバシッとCCのロゴが入ったような’90年代っぽいシャネルのヴィンテージ・アクセサリーが人気で、流行る前に1万円だった商品のお買い取り価格が5万円ほどになりました」
「ルイ・ヴィトンならモノグラムやダミエ、シャネルならチェーンショルダーのマトラッセというように、ひと目で“あのブランド”とわかる、アイコン的な商品のほうが高めになります」
これは全世界共通の傾向で、ブランド好きな人にとって「わかりやすさ」は大切らしい。円安がこのまま続くと、また値上がりする可能性も大きいと見た。
次にお酒。これはなんといっても日本の国産ウイスキーがダントツで強い。
「サントリーさんの『山崎25年』などは、100万円を超えて買い取りをさせていただいております。定価は16万円ですが、この手のお酒はもう市場に出ませんので」(JOYLAB・太田さん/以下同)
国産ウイスキーの買い取り相場は何年も前から右肩上がりが続いている。特に2018年に香港のオークションで『山崎50年』が約3800万円で落札されて以来、投機目的の買い占めが起こり、さらに原酒不足も重なって市場は枯渇しているとのこと。
「『山崎25年』は特別に高額ですが、『山崎』、『白州』、『響』といった銘柄であれば、どんな年代のものも1万円以上いく可能性は大いにあります」
国産ウイスキー以外でちょっとお小遣い稼ぎになりそうなのはカミユ、レミー・マルタン、ルイ13世などといったブランデーだ。
「なんかお爺ちゃんちにあったな、みたいなものですね。ヘネシーのXOなど定番の高級ブランデーは、ものによっては1万円超えもあります」
珍しい形のブランデーにも注目したい。“実家に飾ってありそう第一位”といえば、これかも?
「陶器のボトルで、例えば本の形だったり、イルカの形をしていたりと、ブランデーには面白い形のものが多く、3000~5000円の値がつくこともあります。コレクションで集めていた方が手放されて、それを次のコレクターが買って、というような循環もありますね」
未開栓なら大抵は買い取ってもらえるウイスキーやブランデー。そこで覚えておきたいのが買い取り価格を上げるためのポイントだ。
「なるべく購入時と同じ状態に外観を保っていただくのが第一ステップ。箱付きなら5000円アップする銘柄もあります。常温管理しやすいお酒でも、温度変化によって蒸発し、液面が下がることも。減額対象にはなりますが、それでもほとんどの場合、買い取り対象になっています」
いかがだっただろうか。コロナ禍で断捨離ブームの今、実家の親には「捨てるの、ちょっと待った!」と声がけしておいた方がいいかもしれない。

取材・文:井出千昌

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