大阪市内で小学生の列に車が突っ込み、児童7人が重軽傷を負いました。殺人未遂の疑いで逮捕された28歳の運転手の男は「すべてが嫌になって人を殺そうとした」と供述しています。容疑者の父親は「被害者の方に申し訳ない」と語りました。男の人物像とは…。
【写真で見る】事件の1分前、容疑者が運転しているとみられる車の様子
通行人110番通報「子どもが何人か車にひかれた」
5月1日午後1時半すぎ、大阪市西成区の千本小学校の近くで事件が起きました。事件の1分前に、小学校の方向に向かう容疑者が運転しているとみられる車をとらえた映像には、ゆっくりと走り、子どもとすれ違う様子も。校舎のすぐ隣の細い道路に停まっている白い乗用車が下校中の小学生の列に突っ込みました。警察などによると、小学2年の男の子4人と女の子1人、3年の男の子2人の計7人が車にはねられ、女の子1人が顔から出血して重傷、全員意識があるということです。
現場は、南海電鉄の岸里玉出駅から約600メートル離れた住宅に囲まれた小学校近く。正門を出て右に進み、わずか50メートルほどの距離でした。車の脇には、黒と茶色のランドセルや、通学帽が並べられていました。赤いランドセルもみえます。
巻き込まれそうになった児童「車の大人の人がふにゃふにゃで運転していた。端を歩いていたら、急にぶつかりそうになった。(列の)前の2、3年生がけがしてて、頭から血が出たり、(車と壁に)挟まったりしていた」
事件を起こした車は、「わ」ナンバーで、レンタカーとみられます。警察は、運転していた東京・東村山市の無職、矢沢勇希容疑者(28)を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕しました。異様な運転をしていたといいます。
近所の住民「(車が)だんだん壁に向かって幅寄せしていって、子どもを挟んだりひいたりして、ひいていても進み続けている感じ」近所の住民「1人女の子が車の下に入って。(容疑者に)何してんねんって言うた。(女の子を)引っ張り出して、引っ張り出すときにバックしよったんです、また」近所の住民「『降りろ』と言われ警察の指示で降りたと思うが、(運転手は)抵抗する様子もなかった」
東京に住む容疑者が、なぜ大阪で事件を起こしたのでしょうか。警察の調べに対し…
矢沢容疑者「すべてが嫌になったから、人を殺そうとして、乗っていた車で突っ込み、数人の小学校の生徒をひき殺そうとした」
東京・東村山市の団地に住んでいた矢沢容疑者。近所に住む人は…
矢沢容疑者の知人「たぶんリハビリ的な仕事をしていた。よく挨拶もしてくれた。『仕事大変ですか?』と聞くと、『介護のお仕事好きなので』と真面目そうに見えた」
警察は、矢沢容疑者が大阪に来た目的や当時の状況などを調べています。1日夜、矢沢容疑者の父親がJNNの取材に応じました。
矢沢容疑者の父親「2、3か月に1回、連絡せずに息子の家を訪れていた。連絡するとうざいと言われるから。でも仕事をして一人で暮らしているのなら大丈夫だと思っていた。なので報道で『無職』と見て驚いた。私たちの認識では仕事をしている」
4月、突然、姿を見せたといいます。
矢沢容疑者の父親「急に実家に帰ってきたことがあった。平日だったので『仕事は?』と聞いたら、『休み』と言っていた。悩みなどは特に言っていなかった」
父親は、私たちの取材に「被害者の方に申し訳ない」と語りました。