大阪府知事、大阪市長を歴任した弁護士の橋下徹氏(55)が13日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」(日曜前7・30)に生出演し、トランプ米大統領が世界各国の貿易相手国に課した相互関税をめぐるドタバタ劇について、自身の見解を示した。
米国の貿易赤字額が多い相手国に対し、自国の関税を引き上げる目的で、8日(日本時間9日)に発動した相互関税は発動から半日で90日間の停止を発表。中国を除く各国に対する関税は、当面はベースラインの10%を適用する。米国債の投げ売りなど、金融市場が不安定になったことが翻意の理由とみられる。この関税をめぐって、各国の株式市場が乱高下するなど、世界経済は大混乱した。
一連の動きを受けて、橋下氏は「完全にトランプさんの弱点が世界中に知れ渡った」と分析した。「政治の力ではトランプさん一強」としつつも、「政治の力と市場の力。僕はこの市場の力で、トランプさんを翻意できるんじゃないかと思っていたんですけど、まさにそうなった」と指摘した。
「本当はトランプさんは、あそこまでの信念を持っているから、株価とか債券市場なんかに振り回されずに、本当にアメリカの安全保障と貿易赤字を立て直すために、世界各国と交渉するのかなと思っていたんです。そうすると、政治の力だけなので、これはなかなか大変だなと思っていたんですが、何のことはない。やっぱり市場の力に…」
橋下氏は22年にトラス英首相が就任後、国債下落など金融市場が大混乱して即辞任したケースを挙げつつ、「トラスさんが首相になってすぐ、イギリスの国債が下がって首相を辞任しましたけど、トランプさんといえども、債券市場の力には負けるんだなと思いましたよ」と語った。
今回の顛末を受け、橋下氏は「世界各国、そんなに慌てなくても、ある意味放っておいて、トランプさんがまた高額関税をかければ、債券市場がまたブレーキをかけてくれますから」と、債券市場の動き次第でトランプ大統領の“暴走”に歯止めがかかると分析。「僕はトランプさん、結構弱いんだなと思いましたけどね」と繰り返した。