家の片付けを全く手伝わなかった夫が、小4長男のある一言で激変。片付け専門家「ご主人にとって家の片付けは<自分ごと>ではなかったようで…」

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片付けても片付けても家族が部屋を散らかし続け、毎日のように「片付けて!」と声をかけている方も多いのではないでしょうか。しかし「家が片付かないのは、あなたが家族に対して『片付けて』と言うからです」と指摘するのは、オンラインの片付けサポートや片付けスクールを運営する、オンライン片付け専門家の伊藤かすみさんです。そこで今回は、伊藤さんの著書『自然と家族が整理しはじめる、魔法の片付けしつもん術』から、一部を抜粋してお届けします。
【書影】片付けはコミュニケーション!「聴く」から始める優しい片付け術。伊藤かすみ『自然と家族が整理しはじめる、魔法の片付けしつもん術』
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現在、私のスクールで講師をやってくれているYさんは、受講当初はご主人の悪口ばかり言っていました。
今の仲の良いご夫婦ぶりからは想像できないほどです。
かつてのご主人は、家での片付けにまったく手を出さず、モノを出したら出しっぱなし。
ご自分の仕事道具はしっかりと整理整頓できているのに、なぜ家のことはできないのか、Yさんは不満でならなかったそうです。
Yさんが片付けを学んで家で実践し始めたときに、はじめに協力者になってくれたのは子供たちでした。しつもんを使って声かけをするうちに、子供たちはそれぞれ自分なりの片付け方を見出して、片付けをするようになりました。
しかし、ご主人だけは違います。Yさんがいくら頑張って片付けをしていても、まったくの「我関せず」状態だったのです。
Yさんは、「うちの主人は……」とグチをこぼしていたけれど、そこでご主人を責めるような物言いをしてしまうと家の片付けが進まなくなってしまうので、「片付けるように言ってもご主人はやらないだろうから、放っておきましょう。子供たちが手伝ってくれていて、だいぶ楽になったでしょうから、それでいいじゃないですか」とアドバイスをしました。
Yさんは、そのアドバイスを聞いてくださって、ご主人には責めるようなことを言わなくなったそうです。
すると、当時小学4年生だった長男が、一言。
「ぼくたちは自分で片付けをやっているのに、パパはどうしてやらないの?自分でやったら?」と。
(写真提供:Photo AC)
子供の一言は、よほどご主人に刺さったのでしょう。それ以来、ご主人は黙って片付けをするようになりました。
子供にしてみたら、「パパはどうして片付けないのだろう?」という純粋な疑問です。無邪気な子供の、無邪気なしつもんだからこそ、お父さんとしても素直に気持ちが動いたのではないでしょうか。
Yさんと夫婦間のコミュニケーションも増えてきて、わかったことがあります。ご主人にしてみたら、家の片付けは「自分ごと」ではなかったのです。
もともと、片付けは奥さまの仕事という思いもあったようです。しかし、それに加えて、奥さまがご自身のやり方で片付けをしていたために、ご主人にはモノの置き場所がどこなのか、わからなくなっていたのだとか。
どこに戻したらいいかわからないから、「戻すのは今じゃなくていいだろう」と置きっぱなしにしてしまっていたそうです。
Yさんは、ご主人にもしつもんをするようにしました。今では、以前のようにモノを出しっぱなしにすることもなくなり、ご自分の分の洗濯物を畳んでくれるようにもなったそうです。
※本稿は、『自然と家族が整理しはじめる、魔法の片付けしつもん術』(ぱる出版)の一部を再編集したものです。

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