元タレント中居正広氏と女性とのトラブルに端を発する一連の問題で、フジテレビと親会社が31日に公表した第三者委員会の調査報告書で、BSフジの報道番組「プライムニュース」のキャスターを務めるフジ報道局解説委員の反町理氏(60)のハラスメント行為を認定した。
反町氏のハラスメント行為は、2006~08年ごろに発生した報道局の後輩女性社員2人に対するもの。
報告書によると、女性社員mさんが反町氏から何度か食事に誘われ、1対1で応じたところ、休日にはドライブに誘われたという。すると「三崎のマグロを食べに行き、花火を見て、そのあと横浜でホラー映画、バーに連れ回され、1日中拘束された」。ところが、その後、反町氏の食事を断るようになると「業務上必要となるメモを共有せず」「mに対して原稿が遅いなどと不当な叱責を部内一斉メールで送信」「電話で怒鳴られる」などの行為があったとした。
また、女性社員nさんに対しても「休日に何をしているのか写メを送れ」などとの趣旨のメールが送られ、食事にも誘われたという。これを断ると「論旨不明な叱責をしたりした」と報告書には記載された。
女性2人は反町氏から見ても上司にあたる人物に相談をしたところ、反町氏はおおむねハラスメント行為を認め、口頭で注意されたとしたが、女性2人が納得するには至らなかったという。
2018年には週刊文春でもこの件が報じられたが、対外的にはハラスメント事案とは認定していないとして、mに対しては口外しないように求めた。これに第三者委員会は「報道局の対応はハラスメント行為自体を隠蔽し、解決を図ろうとする組織的体質の現れ」と指弾した。
その後、反町氏は処分されることはなく、BSフジで「プライムニュース」でキャスターを務めるほか、20年6月にはフジテレビ執行役員に就任し、21年7月に取締役にまで昇格した(今月27日付けで取締役を退任した)。
なお、第三者委員会は反町氏のハラスメント行為がCX社員に与えた影響は大きいと評価。社員から「ハラスメント気質があるのに役員にまでなっている。なぜこんな人が偉くなるのかと疑問に思った」などのアンケートがあったことを紹介している。