額を畳にこすりつけるほど“涙の謝罪”「7年たたねば聞けなかったのか」24歳で命断った警察官の息子 母の怒りと無念 熊本

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現職の警察官が自殺したのは長時間労働などが原因とした熊本地方裁判所の判決が確定したことを受けて、熊本県警の幹部などが遺族の元を訪れ、謝罪しました。
【写真を見る】亡くなったさん渡邊崇寿さんの写真 遺族に謝罪する熊本県警の警務部長
熊本県警 宇野晃警務部長「当時の県警察において勤務環境の整備が十分ではなく、尊い命を失わせてしまったことについて心からお詫びを申し上げます」
この謝罪は2017年、当時玉名警察署の刑事課に所属していた渡邊崇寿(わたなべ たかとし)さん(当時24)が自ら命を絶ったことについて、熊本地方裁判所が去年12月、常態化した長時間労働と自殺の因果関係を認め、県に約6200万円の支払いを命じたことを受けて行われたものです。
謝罪を受けた祟寿さんの母・美智代(みちよ)さんは、怒りと無念さをにじませ声を絞り出しました。
祟寿さんの母・美智代さん「祟寿の将来・未来がなくなりました。私たちには希望がなくなりました。7年もたたなければ県警からの言葉は聞けなかったのかと、残念で仕方がありません」
遺族が求めていた当時の上司の直接の謝罪は非公開で行われ、その様子は遺族の会見で明らかにされました。
美智代さん「両手をついて、額を畳にこすらんばかりの態度で『申し訳なかった』ということを言っていただいた」
2020年11月には公務災害にも認定されたにもかかわらず、謝罪が祟寿さんの死から7年以上かかった理由について、県警は「法的責任の有無について慎重に検討していたため」と説明しましたが、「結果的にはもっと早い段階で謝罪することもできたかもしれない」と述べたということです。
美智代さん「私たち3人の中に祟寿は生きています。祟寿のことも思い出したいので、後ろも振り向きながら、3人で手を取りあって前を向いて生きていきたいと思っています」
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