「本籍を皇居の住所に」殺到で千代田区役所がパンク!? “実は国内どこでも指定可能”で本籍人口は区の住民の3倍も

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いよいよ春の新生活シーズンです。いろんな届け出で役所にお世話になることがありますよね。
そんな中、首都・東京のど真ん中にある千代田区で、頭を抱える事態が起きているようなんです。
28日のテーマは「本籍を皇居に」殺到で役所が“パンク”ソレってどうなの?です。
昼過ぎの東京駅前。ウェディングフォトを撮影するカップルがいました。
5月に結婚式をするという二人。入籍は2024年6月に済ませているといいますが…。
去年6月に結婚した2人:(Q.本籍地は?)今の一緒にこれから住む住所を書いた。地元が遠方なので、おうちの方が何かと楽かなと思って。
本籍地は結婚などで新しい戸籍を作る時決めなくてはいけません。指定する場所に特に決まりはなく、実在する地番であれば日本中どこを指定してもいいそうなんです。
千代田区役所で週末に提出する婚姻届のチェックに訪れた男性に、本籍地をどこにしたか尋ねると「本籍は会社の住所を書いた。一番便利かなと思って、忘れないように。人気の本籍地に皇居があると聞いたが、個性を出そうと思い(皇居とは)違う場所にした」と話しました。
実は、本籍地として人気なのは何と皇居。ところがこの影響で、千代田区役所では困った事態が起きているようなんです。
千代田区地域振興部・近藤係長:「皇居に本籍を置きたい。千代田区1番地であっているか?」という問い合わせが毎日くる。
皇居の住所、千代田区千代田1番1号を確認しようとひっきりなしにかかってくる電話。皇居を本籍とする人は約3000人いるそうです。全国で一番多いといいます。
千代田区では他にも「東京駅」や「丸ビル」などを本籍とする人も多いということで、区の住民約6万8000人に対して本籍人口はその3倍以上の約21万3000人もいるといいます。
その結果、近藤係長は「事務の処理が追いつかない。ひっ迫している」と話します。
本籍だけ千代田区という人が増え続ければ、戸籍を管理する負担だけが増加しまして、業務が回らなくなる恐れもあるといいます。
ではなぜ、こんなことになったのでしょうか。家系図を専門とする行政書士の渡辺さんは2024年の戸籍法改正の影響を指摘します。
家系図作成代行センター(株)渡辺宗貴代表:以前は自分の戸籍がある役所でしか取れなかったので、戸籍を取るのはかなり手間だった。今、全国どこの役所の窓口でも取り寄せられるようになった。本籍地を自分の居住地と全然別の場所にしやすくなった。
人気の本籍地は全国各地にもあり、北海道では「札幌時計台」関東では「東京ディズニーランド」関西では「大阪城」や「甲子園球場」などを本籍とする人も多いといいます。
こうした事態に、街では「(自治体にとっては)迷惑ですよね。簡素化はできないものか」「(本籍を)移したいとは思わない」「(自分の家系の)「ルーツ」みたいなのがあると思うので」など、さまざまな声が聞かれました。
専門家の渡辺さんはデジタル化が進む中、本籍地の必要性も変化しているといいます。
家系図作成代行センター(株)渡辺宗貴代表:オンライン化で本籍地の役割は特にいらなくなってくると思う。別の方法で戸籍を管理することができるんじゃないかと。
その一方で、古くからの戸籍が残っていることで約150年前からの「ルーツ」をたどることができます。
文化的な面を含めて、戸籍の管理をどうしていくのかという議論は今後も重要だという指摘もあります。

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