コンクリート詰めにされた女児の遺体が大阪府八尾市の集合住宅で見つかった事件で、府警は２１日、女児に暴行を加えて殺害したとして、死体遺棄容疑で逮捕した女児の叔父で無職の飯森憲幸容疑者（４１）（大阪市平野区）を殺人容疑で再逮捕した。
飯森容疑者は「言うことを聞かなかったので蹴った」と供述する一方、「殺すつもりはなかった」と殺意を否認している。
女児は飯森容疑者の姉の娘（当時６歳）。発表では、飯森容疑者は２００６年１２月下旬～０７年１月上旬、大阪市平野区瓜破東の自宅で同居していた女児の背中を蹴るなどして殺害した疑い。死因は内臓出血による外傷性ショックだった。調べに「顔面を何度もビンタしたり、脇腹をローキックしたりした」とも述べている。
飯森容疑者は死体遺棄容疑での逮捕前の任意聴取で「しつけで思いきり殴った。翌朝冷たくなって死んでいた」と供述。逮捕後の調べに暴行を加えて死なせたことを認めた。飯森容疑者の父親も府警の事情聴取に対し、飯森容疑者から事件後に「（女児が）死んでしまった。殺してしまった」と聞いたと説明した。
府警は、飯森容疑者が供述した暴行の状況から殺意があったと判断。司法解剖で判明した玲奈ちゃんの内臓の損傷状況とも矛盾がないとして、殺人容疑での逮捕に踏み切った。
府警は、飯森容疑者が事件の数日後、八尾市の父親宅に女児の遺体を運び、コンクリート詰めにしたとみている。飯森容疑者の姉は事件後、飯森容疑者らに女児との面会を求めたが、「今会えない」などと断られたという。
女児は０２年頃から八尾市内で飯森容疑者の姉や父親らと暮らしていたが、その後に姉が家を出て、父親も「面倒を見られない」と訴えたため、０６年１０月頃、飯森容疑者に引き取られた。事件当時は、飯森容疑者と交際相手の女（３６）（死体遺棄容疑で逮捕）と生活していた。
女児の遺体は今年２月、父親が転居した八尾市内の別の集合住宅の押し入れにあった金属製衣装ケースからコンクリート詰めにされた状態で見つかった。府警は今月上旬、飯森容疑者と交際相手の女を死体遺棄容疑で逮捕していた。大阪地検は２１日、飯森容疑者を死体遺棄罪で起訴した。