新型コロナ“第8波”年明けにピーク到来か 直近のワクチン接種で症状軽めのケースも

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新型コロナウイルスの感染者が再び増加するなか、専門家のシミュレーションでは、東京都の感染者数のピークは年明けになるとの分析結果が出ました。第7波と今回の増加傾向の違いなどについて専門家に聞きました。【写真を見る】新型コロナ“第8波”年明けにピーク到来か 直近のワクチン接種で症状軽めのケースも■感染ピークは年明けか 第7波と同レベルに増えるという結果に・・・井上貴博キャスター:東京都のシミュレーション結果(新規感染者の推移と予測(AI)1週間平均)が発表されています。前回の第7波の波では最大3万2554人(7月31日)。感染力が前に流行った株と同等であれば、来年1月に最大3万1034人。感染力が1.2倍になると来年1月に最大3万5850人で第7波とほぼ同じレベルになるのではないかということです。重症化率・致死率は極めて低くなってきている中で都道府県別の感染者数をみてみます。

北海道では15日(1万906人)16日(1万1112人)と1万人を超えました。16日の感染者数は過去最多です。東京では12日連続前週(同曜日)を上回り、15日(1万1196人)16日(1万114人)となっています。経済を回していますので、検査陽性者が増えるというのはわかっていたわけですが、ワクチン接種を行う方もいたり、接種した人(50代)からは「15日も1万人を超えたと報道があったので(第8波)心配はあります」との声も聞かれます。新たな変異株について、厚労省アドバイザリーボード脇田隆字さんは「全国で増加が確認されたのが“BQ.1系統”だった。今後日本でも複数の亜系統が併存する可能性がある」と今月9日に発表しました。BQ.1系統は既にヨーロッパやアメリカなどで割合が増えています。日本でいいますと、検疫11件国内6件(国立感染症研究所資料より)確認されています。変異していますので、BA.5と比べて▼免疫逃避能力が高い(免疫をすり抜ける力)▼感染伝播力が20%程度高いか(感染を広げる力)一方で、最も重要な重症度についてはまだよくわかっていないということです。そして前回の第7波と今回の第8波では、どういったところが違うのか聞きました。■直近のワクチン追加接種で症状軽いケースもインターパーク倉持呼吸器内科倉持仁院長は「自宅療養中に呼吸症状が悪化するなど、再度来院する人が増えた。初診時は高い熱のみだったが、自宅療養中に呼吸症状悪化などして、もう一度病院に来るという方が増えた」という印象を倉持院長は持っています。いとう王子神谷内科外科クリニック院長伊藤博道院長は「印象として、▼直近でワクチン追加接種済みの人は症状は比較的軽め▼ワクチン未接種・2回目接種から期間が空いている人は症状が重くなる傾向(高熱・呼吸症状悪化など)がある」ということのようです。ホランキャスター:伊藤さん、今回の第8波になるであろうと言われている波について特徴など感じていることがあれば教えてください。いとう王子神谷内科外科クリニック院長 伊藤博道さん:まず、3回4回ワクチンを打った後に来る患者さんは、比較的症状が軽めであったり、あまり高い熱が出てない患者さんもいることに少し驚いています。先日オミクロンBA.4・BA.5対応の新型コロナワクチン接種後2週間の方が新型コロナ陽性だったんですね。しかもオミクロンBA.5だったんですけども、熱は全く出なかったという患者さんがいました。ただ一般的には、高い熱や倦怠感、関節痛、頭痛、咽頭痛というインフルエンザと見分けのつかないような患者さんが多いのは、今までと大きな変化はないと感じています。ホランキャスター:今こうして話を聞いてますと、伊藤先生の後ろで幼い子どもの方が、ワクチン接種を頑張りながらなんとか戦ってるんだろうなというのを感じますけれども、周りでもやはりワクチン接種してから時間が経っている人は今回注意が必要のようですね。オンライン直売所「食べチョク」代表 秋元里奈さん:旅行支援とかの関係で、このタイミングでワクチン打たれてる方とかも増えてると思います。時間が空いてる人は改めて打たないとなって思いました。これからインフルの季節でもあるし、なんとなく第8波が来ることもわかってたので、ついに来てしまったなという中で、どれくらい影響が出るかっていうところはすごい心配ではあります。井上キャスター:コロナ対応病院が一部でずっと戦ってきましたけど、一般の医療にコロナ対応を少し広めていこうとする場合に、どうすると広められるものですか?医師会の力なのか政府の力なのか。どうするとインフルエンザと同じような全医療機関でというふうになるんでしょうか?■“第8波”に備え 今医療の現状は・・・伊藤博道院長:非常に難しい問題ですけれども、少なくとも言えるのは、患者さんが病院を探すときの探し方が完全に今のところアナログっていうことなんですよね。患者さんが東京都発熱情報センターで近くの病院を二つ三つ紹介していただいて、その情報をもとに電話をかけてくる。電話を主体とした予約ってことなので、どこがどのくらい空いてるかっていうことがわかってない状態で、皆さん立地条件なんかで電話をかけてくる。あとはインターネット検索で探してくるので、混んでいる病院、まだゆとりのある病院が存在する。十分に発熱外来が活用できてるかっていうと、もう少しデジタル的にうまく再配分するってことが必要なんじゃないかなというふうには感じています。■“第8波”に備え準備しておいた方がいいものは井上キャスター:医療資源の有効活用ということなのかもしれません。もう一つ、伊藤先生が気にしてらっしゃるのが薬の面です。第7波で不足したものは、解熱鎮痛剤で自宅療養者の急増で処方薬「カロナール」など。相次いで出荷調整になりました。抗原検査キットも増産するも追いつかず薬局などで品切れ状態がありました第8波で言えることはどういったことなのか。厚生労働省のホームページにも載っている家庭で準備しておくとよいもの▼体温計▼薬(解熱鎮痛剤など)▼検査キット▼診療・検査ができる医療機関の情報などそして承認済みの治療薬も増えてきました ▼ハイリスクの軽症~中等症I・抗ウイルス薬“ラゲブリオカプセル”・中和抗体薬“ロナプリーブ注射液セット”・抗ウイルス薬“パキロビッドパック” ▼重症・デカドロン錠など▼中等症II~重症・アクテムラ点滴静注▼軽症~重症・レムデシビルなどが承認されています。ですが、伊藤院長は「解熱鎮痛剤がすぐになくなってしまうことを危惧している」と指摘しています。ホランキャスター:どちらかというと中等症重症の患者よりも軽症の患者に十分に対応できるかという点について課題がありそうだなというようなことでしょうか?伊藤博道院長:我々に求められているのは、第6波と第7波の途中までは、検査を求める人が殺到して、検査キットが不足したり、発熱外来が非常に逼迫していたんです。でも今は少しずつ皆さん自分で検査できるようになったので、治療を求めている人の比率が高くなってきたので、我々発熱外来の医師の役割も少しずつ変わってきてます。その中で症状を緩和する薬と、ウイルスを減らす抗ウイルス薬がありますけれど、抗ウイルス薬はまだ限定的な人にしか処方できないので、ほとんどの人には対症療法を行ってるわけです。その対症療法に必要な解熱鎮痛薬や、喉の炎症をとる非常に身近な薬がなかったり、せきどめが不足をしたりというようなことが起こると、我々が行えることが少なくなるという現実があります。薬なんですけど、どこの薬局に在庫があってどこの薬局にはもうないとかの情報もわからない中ですので、患者さんが行ったときにその薬局には薬がなくて、いくつかの薬局をまわらなければいけない状態も実際あるので、体調が悪い中、効率がよいとは言えない状況になっている。
新型コロナウイルスの感染者が再び増加するなか、専門家のシミュレーションでは、東京都の感染者数のピークは年明けになるとの分析結果が出ました。第7波と今回の増加傾向の違いなどについて専門家に聞きました。
【写真を見る】新型コロナ“第8波”年明けにピーク到来か 直近のワクチン接種で症状軽めのケースも■感染ピークは年明けか 第7波と同レベルに増えるという結果に・・・井上貴博キャスター:東京都のシミュレーション結果(新規感染者の推移と予測(AI)1週間平均)が発表されています。前回の第7波の波では最大3万2554人(7月31日)。感染力が前に流行った株と同等であれば、来年1月に最大3万1034人。感染力が1.2倍になると来年1月に最大3万5850人で第7波とほぼ同じレベルになるのではないかということです。重症化率・致死率は極めて低くなってきている中で都道府県別の感染者数をみてみます。

北海道では15日(1万906人)16日(1万1112人)と1万人を超えました。16日の感染者数は過去最多です。東京では12日連続前週(同曜日)を上回り、15日(1万1196人)16日(1万114人)となっています。経済を回していますので、検査陽性者が増えるというのはわかっていたわけですが、ワクチン接種を行う方もいたり、接種した人(50代)からは「15日も1万人を超えたと報道があったので(第8波)心配はあります」との声も聞かれます。新たな変異株について、厚労省アドバイザリーボード脇田隆字さんは「全国で増加が確認されたのが“BQ.1系統”だった。今後日本でも複数の亜系統が併存する可能性がある」と今月9日に発表しました。BQ.1系統は既にヨーロッパやアメリカなどで割合が増えています。日本でいいますと、検疫11件国内6件(国立感染症研究所資料より)確認されています。変異していますので、BA.5と比べて▼免疫逃避能力が高い(免疫をすり抜ける力)▼感染伝播力が20%程度高いか(感染を広げる力)一方で、最も重要な重症度についてはまだよくわかっていないということです。そして前回の第7波と今回の第8波では、どういったところが違うのか聞きました。■直近のワクチン追加接種で症状軽いケースもインターパーク倉持呼吸器内科倉持仁院長は「自宅療養中に呼吸症状が悪化するなど、再度来院する人が増えた。初診時は高い熱のみだったが、自宅療養中に呼吸症状悪化などして、もう一度病院に来るという方が増えた」という印象を倉持院長は持っています。いとう王子神谷内科外科クリニック院長伊藤博道院長は「印象として、▼直近でワクチン追加接種済みの人は症状は比較的軽め▼ワクチン未接種・2回目接種から期間が空いている人は症状が重くなる傾向(高熱・呼吸症状悪化など)がある」ということのようです。ホランキャスター:伊藤さん、今回の第8波になるであろうと言われている波について特徴など感じていることがあれば教えてください。いとう王子神谷内科外科クリニック院長 伊藤博道さん:まず、3回4回ワクチンを打った後に来る患者さんは、比較的症状が軽めであったり、あまり高い熱が出てない患者さんもいることに少し驚いています。先日オミクロンBA.4・BA.5対応の新型コロナワクチン接種後2週間の方が新型コロナ陽性だったんですね。しかもオミクロンBA.5だったんですけども、熱は全く出なかったという患者さんがいました。ただ一般的には、高い熱や倦怠感、関節痛、頭痛、咽頭痛というインフルエンザと見分けのつかないような患者さんが多いのは、今までと大きな変化はないと感じています。ホランキャスター:今こうして話を聞いてますと、伊藤先生の後ろで幼い子どもの方が、ワクチン接種を頑張りながらなんとか戦ってるんだろうなというのを感じますけれども、周りでもやはりワクチン接種してから時間が経っている人は今回注意が必要のようですね。オンライン直売所「食べチョク」代表 秋元里奈さん:旅行支援とかの関係で、このタイミングでワクチン打たれてる方とかも増えてると思います。時間が空いてる人は改めて打たないとなって思いました。これからインフルの季節でもあるし、なんとなく第8波が来ることもわかってたので、ついに来てしまったなという中で、どれくらい影響が出るかっていうところはすごい心配ではあります。井上キャスター:コロナ対応病院が一部でずっと戦ってきましたけど、一般の医療にコロナ対応を少し広めていこうとする場合に、どうすると広められるものですか?医師会の力なのか政府の力なのか。どうするとインフルエンザと同じような全医療機関でというふうになるんでしょうか?■“第8波”に備え 今医療の現状は・・・伊藤博道院長:非常に難しい問題ですけれども、少なくとも言えるのは、患者さんが病院を探すときの探し方が完全に今のところアナログっていうことなんですよね。患者さんが東京都発熱情報センターで近くの病院を二つ三つ紹介していただいて、その情報をもとに電話をかけてくる。電話を主体とした予約ってことなので、どこがどのくらい空いてるかっていうことがわかってない状態で、皆さん立地条件なんかで電話をかけてくる。あとはインターネット検索で探してくるので、混んでいる病院、まだゆとりのある病院が存在する。十分に発熱外来が活用できてるかっていうと、もう少しデジタル的にうまく再配分するってことが必要なんじゃないかなというふうには感じています。■“第8波”に備え準備しておいた方がいいものは井上キャスター:医療資源の有効活用ということなのかもしれません。もう一つ、伊藤先生が気にしてらっしゃるのが薬の面です。第7波で不足したものは、解熱鎮痛剤で自宅療養者の急増で処方薬「カロナール」など。相次いで出荷調整になりました。抗原検査キットも増産するも追いつかず薬局などで品切れ状態がありました第8波で言えることはどういったことなのか。厚生労働省のホームページにも載っている家庭で準備しておくとよいもの▼体温計▼薬(解熱鎮痛剤など)▼検査キット▼診療・検査ができる医療機関の情報などそして承認済みの治療薬も増えてきました ▼ハイリスクの軽症~中等症I・抗ウイルス薬“ラゲブリオカプセル”・中和抗体薬“ロナプリーブ注射液セット”・抗ウイルス薬“パキロビッドパック” ▼重症・デカドロン錠など▼中等症II~重症・アクテムラ点滴静注▼軽症~重症・レムデシビルなどが承認されています。ですが、伊藤院長は「解熱鎮痛剤がすぐになくなってしまうことを危惧している」と指摘しています。ホランキャスター:どちらかというと中等症重症の患者よりも軽症の患者に十分に対応できるかという点について課題がありそうだなというようなことでしょうか?伊藤博道院長:我々に求められているのは、第6波と第7波の途中までは、検査を求める人が殺到して、検査キットが不足したり、発熱外来が非常に逼迫していたんです。でも今は少しずつ皆さん自分で検査できるようになったので、治療を求めている人の比率が高くなってきたので、我々発熱外来の医師の役割も少しずつ変わってきてます。その中で症状を緩和する薬と、ウイルスを減らす抗ウイルス薬がありますけれど、抗ウイルス薬はまだ限定的な人にしか処方できないので、ほとんどの人には対症療法を行ってるわけです。その対症療法に必要な解熱鎮痛薬や、喉の炎症をとる非常に身近な薬がなかったり、せきどめが不足をしたりというようなことが起こると、我々が行えることが少なくなるという現実があります。薬なんですけど、どこの薬局に在庫があってどこの薬局にはもうないとかの情報もわからない中ですので、患者さんが行ったときにその薬局には薬がなくて、いくつかの薬局をまわらなければいけない状態も実際あるので、体調が悪い中、効率がよいとは言えない状況になっている。
井上貴博キャスター:東京都のシミュレーション結果(新規感染者の推移と予測(AI)1週間平均)が発表されています。
前回の第7波の波では最大3万2554人(7月31日)。感染力が前に流行った株と同等であれば、来年1月に最大3万1034人。感染力が1.2倍になると来年1月に最大3万5850人で第7波とほぼ同じレベルになるのではないかということです。重症化率・致死率は極めて低くなってきている中で都道府県別の感染者数をみてみます。
北海道では15日(1万906人)16日(1万1112人)と1万人を超えました。16日の感染者数は過去最多です。
東京では12日連続前週(同曜日)を上回り、15日(1万1196人)16日(1万114人)となっています。
経済を回していますので、検査陽性者が増えるというのはわかっていたわけですが、ワクチン接種を行う方もいたり、接種した人(50代)からは「15日も1万人を超えたと報道があったので(第8波)心配はあります」との声も聞かれます。新たな変異株について、厚労省アドバイザリーボード脇田隆字さんは「全国で増加が確認されたのが“BQ.1系統”だった。今後日本でも複数の亜系統が併存する可能性がある」と今月9日に発表しました。
BQ.1系統は既にヨーロッパやアメリカなどで割合が増えています。日本でいいますと、検疫11件国内6件(国立感染症研究所資料より)確認されています。
変異していますので、BA.5と比べて▼免疫逃避能力が高い(免疫をすり抜ける力)▼感染伝播力が20%程度高いか(感染を広げる力)一方で、最も重要な重症度についてはまだよくわかっていないということです。
そして前回の第7波と今回の第8波では、どういったところが違うのか聞きました。
インターパーク倉持呼吸器内科倉持仁院長は「自宅療養中に呼吸症状が悪化するなど、再度来院する人が増えた。初診時は高い熱のみだったが、自宅療養中に呼吸症状悪化などして、もう一度病院に来るという方が増えた」という印象を倉持院長は持っています。いとう王子神谷内科外科クリニック院長伊藤博道院長は「印象として、▼直近でワクチン追加接種済みの人は症状は比較的軽め▼ワクチン未接種・2回目接種から期間が空いている人は症状が重くなる傾向(高熱・呼吸症状悪化など)がある」ということのようです。
ホランキャスター:伊藤さん、今回の第8波になるであろうと言われている波について特徴など感じていることがあれば教えてください。
いとう王子神谷内科外科クリニック院長 伊藤博道さん:まず、3回4回ワクチンを打った後に来る患者さんは、比較的症状が軽めであったり、あまり高い熱が出てない患者さんもいることに少し驚いています。
先日オミクロンBA.4・BA.5対応の新型コロナワクチン接種後2週間の方が新型コロナ陽性だったんですね。しかもオミクロンBA.5だったんですけども、熱は全く出なかったという患者さんがいました。
ただ一般的には、高い熱や倦怠感、関節痛、頭痛、咽頭痛というインフルエンザと見分けのつかないような患者さんが多いのは、今までと大きな変化はないと感じています。
ホランキャスター:今こうして話を聞いてますと、伊藤先生の後ろで幼い子どもの方が、ワクチン接種を頑張りながらなんとか戦ってるんだろうなというのを感じますけれども、周りでもやはりワクチン接種してから時間が経っている人は今回注意が必要のようですね。
オンライン直売所「食べチョク」代表 秋元里奈さん:旅行支援とかの関係で、このタイミングでワクチン打たれてる方とかも増えてると思います。時間が空いてる人は改めて打たないとなって思いました。
これからインフルの季節でもあるし、なんとなく第8波が来ることもわかってたので、ついに来てしまったなという中で、どれくらい影響が出るかっていうところはすごい心配ではあります。
井上キャスター:コロナ対応病院が一部でずっと戦ってきましたけど、一般の医療にコロナ対応を少し広めていこうとする場合に、どうすると広められるものですか?医師会の力なのか政府の力なのか。どうするとインフルエンザと同じような全医療機関でというふうになるんでしょうか?
伊藤博道院長:非常に難しい問題ですけれども、少なくとも言えるのは、患者さんが病院を探すときの探し方が完全に今のところアナログっていうことなんですよね。
患者さんが東京都発熱情報センターで近くの病院を二つ三つ紹介していただいて、その情報をもとに電話をかけてくる。電話を主体とした予約ってことなので、どこがどのくらい空いてるかっていうことがわかってない状態で、皆さん立地条件なんかで電話をかけてくる。
あとはインターネット検索で探してくるので、混んでいる病院、まだゆとりのある病院が存在する。十分に発熱外来が活用できてるかっていうと、もう少しデジタル的にうまく再配分するってことが必要なんじゃないかなというふうには感じています。
井上キャスター:医療資源の有効活用ということなのかもしれません。もう一つ、伊藤先生が気にしてらっしゃるのが薬の面です。
第7波で不足したものは、解熱鎮痛剤で自宅療養者の急増で処方薬「カロナール」など。相次いで出荷調整になりました。抗原検査キットも増産するも追いつかず薬局などで品切れ状態がありました
第8波で言えることはどういったことなのか。
厚生労働省のホームページにも載っている家庭で準備しておくとよいもの▼体温計▼薬(解熱鎮痛剤など)▼検査キット▼診療・検査ができる医療機関の情報など
そして承認済みの治療薬も増えてきました ▼ハイリスクの軽症~中等症I・抗ウイルス薬“ラゲブリオカプセル”・中和抗体薬“ロナプリーブ注射液セット”・抗ウイルス薬“パキロビッドパック” ▼重症・デカドロン錠など▼中等症II~重症・アクテムラ点滴静注▼軽症~重症・レムデシビルなどが承認されています。
ですが、伊藤院長は「解熱鎮痛剤がすぐになくなってしまうことを危惧している」と指摘しています。
ホランキャスター:どちらかというと中等症重症の患者よりも軽症の患者に十分に対応できるかという点について課題がありそうだなというようなことでしょうか?伊藤博道院長:我々に求められているのは、第6波と第7波の途中までは、検査を求める人が殺到して、検査キットが不足したり、発熱外来が非常に逼迫していたんです。
でも今は少しずつ皆さん自分で検査できるようになったので、治療を求めている人の比率が高くなってきたので、我々発熱外来の医師の役割も少しずつ変わってきてます。
その中で症状を緩和する薬と、ウイルスを減らす抗ウイルス薬がありますけれど、抗ウイルス薬はまだ限定的な人にしか処方できないので、ほとんどの人には対症療法を行ってるわけです。
その対症療法に必要な解熱鎮痛薬や、喉の炎症をとる非常に身近な薬がなかったり、せきどめが不足をしたりというようなことが起こると、我々が行えることが少なくなるという現実があります。

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