天皇陛下のお誕生日会見から消えた“ある言葉” 「皇后さまのご体調は、いぜん一進一退を繰り返しているのが現状」

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【全2回(前編/後編)の前編】
天皇陛下は2月23日、65歳のお誕生日を迎えられた。これに先立ち行われた記者会見では戦後80年という節目にあたっての思いを述べられるとともに、ご家族の近況にも言及されていた。そこでは雅子皇后にまつわる“あの文言”がなくなっていたというのだが……。
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【写真】スーツをビシッときめて…。2年間の英国留学を終え、帰国した際の雅子さま(1990年、成田空港)
23日に皇居で催された一般参賀には、およそ1万8000人が訪れた。
「陛下は午前中に3回、宮殿・長和殿のベランダにお出ましになりました。お言葉の中では、各地で起きている大雪の被害を案じられつつ、『皆さん一人一人にとって、穏やかな春が訪れるよう願っております』と述べられました」
とは、宮内庁担当記者。
「午後からは、コロナ禍で見合わせてきた『宴会の儀』が、規模を縮小して5年ぶりに催されました。石破首相や閣僚らおよそ120人が出席し、初めてお出になった愛子さまも日本酒で乾杯なさったのです」(同)
その3日前の20日午後、陛下はお誕生日に際しての記者会見に臨まれていた。
「会見は宮殿・石橋(しゃっきょう)の間で16時から行われました。陛下は、あらかじめ記者会が提出していた五つの質問と共に、アドリブによる二つの関連質問にもお答えになりました」(前出の記者)
会見は40分間に及び、
「戦後80年であるため、戦争の歴史との向き合われ方、また成年を迎えられた秋篠宮家の悠仁さまのご成長ぶりに関するお尋ねなどと共に、われわれはご家族に関しても伺いました。例年と同じく、適応障害による療養生活を続けられる皇后さまのご様子についても問うたのですが……」(同)
そこには、ある“変化”があったという。
「陛下は今回、皇后さまについて『これからも、体調に気を付けながら、できることを一つ一つ着実に積み重ねていってほしい』とだけ述べられました。毎年の会見で、皇后さまのご体調に言及なさる際に用いられてきた『いまだ快復の途上』『体調には波があり』といった表現が、一切見られなかったのです」(同)
昨年は都内へのお出ましだけで約30回を数え、また6月には陛下と共に英国ご訪問を実現された雅子皇后。ご活動の幅が広がり、あるいは今回、目覚ましいご体調の快復が見られて陛下のご発言も変わったのだろうか――。
もっとも、そうした見方について宮内庁関係者は、
「長期的に見ればご快復傾向にあるとはいえ、皇后さまのご体調は、いぜん一進一退を繰り返しているのが現状です。今でも大きな行事に臨まれる際は、他のご活動をセーブされるなどの“調整”が必要で、また行事の後には少なからずお疲れが残ってしまわれます」
そう明かしながら、
「そもそも昨年12月、皇后さまのお誕生日に際して公表された『医師団見解』では、これまでと同じく『御快復の途上にあり、依然として御体調には波がおありです』と明記されている。今回、会見でこうした表現をなさらなかったのは“すでに国民に周知されており、繰り返すには及ばない”といった、陛下ご自身の思し召しだったと聞いています」
ご体調が、劇的に改善されたわけでは決してないというのだ。
実際に、そうした雅子皇后のコンディションは、先に控える外国ご訪問にも影響を及ぼしているという。
後編【「雅子皇后はスペイン王妃と“親友”で、ご訪問を望まれていたが…」 現在のご体調と、モンゴルを公式訪問されることになった舞台裏】では、両陛下が今年モンゴルを公式訪問されることになった舞台裏について報じる。
「週刊新潮」2025年3月6日号 掲載

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