埼玉県草加市の小規模の認可保育園で、信じられない事件が起きた。園の役員を務める三浦敏文容疑者(24歳)が男児の水筒に尿を混入させ、器物損壊の容疑で逮捕された。三浦容疑者は「園児を怖がらせて言うことを聞かせようとした」と供述し容疑を認めているというが、なぜこんなことになったのか。祖母が重い口を開いた。
〈画像あり〉三浦容疑者が住んでいた自宅…「フツーの男の子だった」祖母は肩を落とし取材に応じた
三浦容疑者が務める保育園は、2020年4月1日に開設された0歳児から2歳児までの子供を受け入れる定員8名の小規模保育園だった。
「三浦容疑者は3月3日午前10時15分頃から午後14時半頃までの間に、役員を務め事務員として勤務する保育園で、園児がつかう水筒のような容器に尿を入れ器物損壊の疑いで逮捕された。
園児の母親が帰宅した際に水筒に入っている黄色い液体を不審に思い、草加署に通報したことで発覚。三浦容疑者は特殊な性癖がある様子もなく『怖がらせて言うことをきかせようとした』などと供述している」(社会部記者)
草加市役所保育課によれば「現在、この保育園には休園するよう指示した」という。
「保育課では4日夕方にこの事態を把握。翌日に園児さんたちが安心して登園できる代替えの園を探すために動き出しました。そして4日夜には8名の園児さんの保護者様それぞれにご連絡し、5日以降からの当面の間に通える保育園のご連絡をいたしました」
園の処分はどうするつもりなのかを尋ねると「検討中」だという。
「まずは事実確認をしているところです。今後、閉園にするのか、何らかの対策を練り再び園児さんを通えるようにするのか、すべての可能性も含めて検討中です」(保育課)
事件のあった保育園を訪ねると、スタッフらしい高齢者男性と女性が園内で作業をしていた。記者がインターフォンを押すと「今、片付けをしています。コメントできないんです。出かけるところなのでごめんなさい」と消え入るような声で答えた。
三浦容疑者宅を訪ねると、祖母が「何であんなことを…」と肩を落とし取材に応じた。
「敏文は私の長女の子で、孫になります。。二世帯住宅で私が建てたこの家に3歳の時に娘夫婦が引っ越してきて一緒に住むことになりました。私は50年間、保育園を2園経営してきて、敏文も私が経営する保育園に通っていました。その当時の敏文は男の子らしい、ごくごく普通の子でした…」
三浦容疑者は、代々、保育園を営む家系に育っていた。母は三浦容疑者が役員を務める保育園の代表取締役だという。祖母ば「なぜ孫がこんな事件を起こしたかわからない」と嘆く。
「私は8年前に病で倒れリハビリを経て家に戻ってきて、私と娘夫婦らは同じ一つ屋根の下といえど完全に別の暮らしをしてきたので、長らく敏文の様子は見ていません。小中高くらいまではごく普通の男の子として成長してきた姿を見守ってきました。
一体なぜこんな事件を起こしたか、本当にわからないです。ただ、親御さんに不信感を抱かせ、そして園児さんがもし尿を誤飲したかもしれないと思うといたたまれないです」
三浦容疑者が「園児を怖がらせていうことをきかせようとした」と供述していることに対し長年保育現場に携わってきた祖母は「言うことを聞かせるために怖がらせるなんて言語道断だ」と声を震わせた。
「子供がいたずらしたり悪さするのは当然のこと。こういう行動に対しては怖がらせるのではなく、こちらはあくまで平常心で、何度でも悪い行いであることを伝え続けるんです。子供が受け取れるようにね」
「明日、敏文に面会したい」と語った祖母は明らかに動揺した様子だった。
園の近隣の小さい子どもと共に歩く母親にも声をかけた。
「2歳児はまだ味覚も十分に発達していないし、もしかしたら飲んじゃった可能性もありますよね。本当にひどい事件だと思います。草加市は数年前も保育士の問題行動がニュースになってましたよね。少子化にあって、社会全体で子供たちを大事に育てていきたいなか、本当に信じられない事件です」
埼玉県草加市は2023年12月に市立保育園全19施設のうち1施設で2019~21年度に、おむつで園児の頭をたたくなどの不適切保育があったと発表している。これを受けて2024年3月には「不適切な保育防止のための 草加市ガイドライン」が発表され、さらには当該施設の職員を対象にした保護者対応研修なども実施されていた。
三浦容疑者の逮捕容疑は器物損壊であるが、子どもや保護者の信頼を裏切る許されない行為である。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班