立憲民主党の野田代表は24日の定期党大会で、政府・与党との対決姿勢を鮮明にした。
国会審議では、日本維新の会、国民民主党が与党と政策協議を進める中、野党第1党として埋没気味となっている。抵抗路線を強めることで存在感を示し、夏の参院選へ勢いを付けたい考えだ。
「一度、武装解除すると言いましたけど、戦闘モードに入ります」
野田氏は党大会のあいさつでこう意気込み、医療費が高額になった場合、患者負担を抑える「高額療養費制度」を巡り、政府・与党に負担上限額引き上げの凍結を迫る決意を示した。
自民党の政治資金規正法改正案は公開基準が不十分だとして、「顔を洗って出直してきやがれ、こんちくしょうと思う」と憤る場面もあった。
野田氏の国会戦略は元々、「予算を人質に取って年度内成立を阻むことはしない」として、日程闘争に距離を置くものだった。
しかし、維新が与党と高校授業料の無償化を柱とする予算案修正で実質合意し、予算成立は確実な情勢となった。立民との修正協議の優先順位は下がっており、党内では「このままでは立民の影が薄すぎる」との危機感が強まっている。
野田氏としては方針転換を図り、高額療養費制度で譲歩がなければ、予算成立を遅らせることも辞さない構えだ。党大会後の記者会見では、「(成立が遅れて)暫定予算を組まざるを得ないなんてことは全然願っていないが、命に関わる問題はやっぱり最優先だ」と強調した。
野田氏は3月以降、企業・団体献金の禁止や選択的夫婦別姓制度の導入で野党共闘を主導し、公明や自民の一部も取り込んで実現にこぎ着け、参院選へ実績の目玉とする戦略を描いている。もっとも、維新はいずれでも立場を異にしているなど、野党の足並みをそろえるのは容易ではない。
読売新聞社が今月14~16日に実施した全国世論調査では、政党支持率が国民民主と同じ8%と伸び悩んでいることも悩みの種だ。
野田氏は党大会で「国会を動かすのは政党支持率ではない。リアルパワーは議席の数だ」と強気の姿勢を崩さなかった。
ただ、与党との対立激化が支持拡大につながるかどうかは不透明だ。立民の閣僚経験者は「『何でも反対』との印象を持たれるのはまずく、加減が難しい」と悩みを漏らした。