【A4studio】20代女性が「隣人男性」に引っ越しの挨拶をして大後悔…待ち受けていた「底知れぬ恐怖」

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引っ越しの際の慣習として知られる近隣住民への挨拶まわり。そんな引っ越しの挨拶について、Xでは1月8日に以下のようなポストが大きな話題となった。
《うちの母親が私が一人暮らし始める前に勝手にアパートの両隣(おじさんとお爺さん、どちらも独居)に「◯日から娘が隣で一人暮らしをします。女一人なので何かあったら助けてやって下さい」ってタオル持って挨拶行っちゃって、それ知った私が「何してんの?!信じられない!」て怒っても通じなかった。》(2025年2月9日時点で7.4万“いいね”)
株式会社CHINTAIが2024年に行った18歳から44歳を対象としたアンケートによれば、「引っ越しの挨拶まわりを経験したことがある」と答えたZ世代(18歳~28歳)が56.2%、Y世代(29歳~44歳)が65.9%となっていた。いまでも半数以上の人が挨拶まわりをしているようだが、はたして引っ越しの挨拶は現代において、すべきなのか、それとも控えるべきなのか。今回は、オールアバウト「防犯ガイド」で、安全生活アドバイザーの佐伯幸子氏に引っ越しの挨拶まわりによる危険性について解説してもらった。
記事前編は【「女性の一人暮らし」は引っ越しの挨拶を「やってはいけない」のか…専門家が出した「納得の答え」】から。
佐伯氏はこれまで数多くのストーカー被害の相談を受け、事件現場へも足を運び、防犯調査を行ってきたという。そんな佐伯氏に、実際にあったという“恐怖の隣人トラブル”について教えていただこう。
「20代の女性から実際に相談があったケースですが、挨拶まわりをした際、隣に住んでいたのが男性で、相談者の方が朝に仕事へ行く際にドアを開けると、なんとその隣人の男性が自室のドアを少し開けて隙間から女性を覗いていたそうです。
その後もこの女性宅の玄関の郵便受けに、正体不明の不気味な文章や絵などが大量に差し込まれていたり、隣人の不審な行動が続いたりしたとのことです。おそらく隣人の男性は、女性が挨拶まわりをした際に目を付けたと考えられます」
この女性は物件の仲介業者に隣人トラブルについて相談した結果、事案に危機感を覚えた建物のオーナーと業者が幸いにも、引っ越し費用を全額負担してくれることになり、すぐに引っ越したそうだ。
しかし、それ以上の被害や恐怖体験となるケースもあるという。
「ほかにも、古いアパートで隣室の男性が壁に穴をあけて女性の部屋をのぞいていたというものや、天井裏に入り込んで女性の部屋の浴室の点検口から降りて侵入していたという事件もありました。
また、私が実際に足を運んだことのある現場は非常に残酷な事件が起こったところでした。姉妹で住んでいて、妹さんが帰宅したタイミングで隣人の男性が侵入してきて、無理やり相手の部屋に連れ込まれ殺害されてしまったという事件だったのです。この妹さんは普段から姉が帰宅するまで鍵をかけていなかったようで、それを知っていた男が犯行に及んだと考えられます。
玄関ドアの鍵を開け閉めする際はカチャッと音がするものですが、意外とこの音は聞こえるものです。よって、自宅に帰るタイミングや出かけるタイミングは、実は簡単に隣人にばれてしまうのです」
物件によっては生活音が隣室や外に漏れやすい構造をしている場合もあり、自身の生活パターンが意外と簡単に隣人に知られてしまうというリスクは自覚しておくべきなのかもしれない。挨拶まわりをすれば素性が知られてしまうため、なおさら犯罪に巻き込まれるリスクは上がってしまうだろう。
では事件に巻き込まれないために、普段から気を付けておくべきことは何かあるのだろうか。
「表札や郵便受けのネームプレートにフルネームを出さないこと、名字も出さずに部屋番号だけのままにしている人は物件によっては半数を超えている場合もあります。カーテンの色や出窓に置くものなども性別や年代を知られないような工夫をしましょう。洗濯物は基本、部屋干しをお勧めします。他人の目に触れるものはすべて個人情報だと認識してください。
また意外と多いのですが、鍵を閉めずに在宅することは絶対に避けてください。『誰も入ってこないでしょ』と油断せず、鍵は常時閉めておき、出入りの際だけ開けるものと考えてください。
さらにもう一つ、春先や夏など、窓を開けることも多くなってくると思いますが、在宅時は窓を開けたまま、大きな声で通話をしないということ。声も個人情報なので、性別年代、話の内容などを知られる恐れがあります。ゴミ出しや郵便受けをチェックする、コンビニに行くなどの短時間であっても、必ず戸締りをしっかりすることも改めて意識してほしいところです 」
さらに、入居前に確認すべきことについて佐伯氏はこうアドバイスをくれた。
「物件契約前の段階で、大家さんや仲介業者に、隣にはどういった属性の住人が住んでいるのか尋ねておくことはマストです。良い業者や大家さんなら、『お隣も女性で長く住んでいますよ』といった情報を先にくれるものです。隣人への挨拶が気になるようなら、大家さんなどに『他の皆さんはどうされていますか?』 などと問い合わせてみるといいと思います。そして物件選びの際に意外と見落としてしまうチェックポイントなのですが、物件の周囲がどういった雰囲気・環境なのかを確かめるということも必要です。みなさんどうしても部屋の間取りに気を取られがちだと思いますが、物件の近所を歩いてみることで、その地域の治安の良し悪しがわかるものです。
例えば、仕事から帰宅するであろう時間に、実際に最寄駅から物件までの道を歩いてみるといいでしょう。町によっては昼と夜の雰囲気が一変するところもありますので、自分にとって安全な生活環境かどうか確認することをおすすめします」
――物騒な事件が増えてきたなか、引っ越しの挨拶は思わぬ犯罪に巻き込まれるリスクをはらんでいるようだ。これから春を迎え、就職・転勤・進学などで住居が変わる方は、これを機に改めて防犯意識を高めていただきたい。
(取材・文=瑠璃光丸凪/A4studio)
[識者プロフィール]
佐伯幸子/オールアバウト防犯ガイド
安全生活アドバイザー。「頭を使って身を守る方法~知的護身術」を提唱。日常的な危機管理のスペシャリストとして、女性や子どもの安全対策を中心に、暮らしの中のあらゆる場面での危険を指摘、排除する方法を分かりやすく解説します。
https://allabout.co.jp/gm/gp/37/
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