山形県高畠町のコンビニ店で起きた強盗事件で、強盗罪に問われた同町、被告の男(37)に対し、山形地裁米沢支部(田屋茂樹裁判官)は19日、懲役3年、保護観察付き執行猶予5年(求刑・懲役5年)の判決を言い渡した。
判決などによると、被告は昨年10月15日、同町高畠の「ローソン高畠中央店」で、20歳代の女性従業員に対し、刃先を段ボールで作り、タオルを巻き付けた包丁のようなものを見せて脅し、現金13万円を奪った。
田屋裁判官は、被告がヤミ金業者からの借金をいったんは返済したが、金銭管理の甘さから再び借金し、その返済に窮したため犯行に及んだとして、「安易かつ身勝手だ」と指摘。一方、「店舗強盗の事案で重い部類に属するとはいえない」ことや、被告が関係者への謝罪文を作成したり、「二度と犯罪はしたくない」と述べたりしていることなどから、保護観察付きの執行猶予をつけ、最長の5年とした。
被告は1月27日の被告人質問で、凶器を偽装したことについて、「もみあって、お互い傷つくのがいやだった」と述べた。現金16万円を奪った直後に3万円を返金した理由は「3万円あれば営業が続けられるだろう。支払いも12万円ほどあれば済む」などと話していた。