【何が】“秘湯”源泉近くでホテル関係者3人死亡 リスク管理徹底も「雪の壁」で硫化水素滞留か 福島・高湯温泉

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2月18日、「めざまし8」が向かったのは福島市にある高湯温泉。
硫黄の臭いが漂う、山あいの秘湯として人気の温泉地ですが…。
田中良幸情報キャスター:規制線が張られていますね。ここからは車でも歩いても入ることができない場所になっています。奥の方も雪が積もっていて、今もまだ大粒の雪が降り続いています。
規制線の先にある雪深い山の中で、3人の行方不明者が発見されました。行方不明となっていたのは、高湯温泉の「花月ハイランドホテル」に勤務する支配人と2人の従業員です。
3人は17日午後2時ごろ、温泉の源泉を点検するため近くの山に入り、その後、連絡が取れなくなっていました。
3人はホテルの駐車場から歩いて数百m離れた源泉に向かったとみられています。
警察と消防は、18日の朝から捜索を開始。昼までに行方不明者とみられる男性3人を発見しましたが、死亡が確認されました。
3人が見つかったのは、ホテル北側にある山道の入り口から100mほどの場所。硫化水素が発生する源泉からは少し距離が離れている場所です。
地元の観光協会の会長は…。
高湯温泉観光協会 遠藤淳一会長:想定外というか驚きですね。何かアクシデントがあったんじゃないかと。花月(ハイランドホテル)さんは3名で常に動いてて、携帯の他にトランシーバーも常備しながら、非常にリスク管理も徹底して。源泉管理の宿としては、私は高湯温泉で一番の宿だと思いますよ。
亡くなった3人は温泉や硫化水素にも詳しく、常にリスク管理を徹底していたといいます。一体、何が起きたのでしょうか?
温泉街を取材すると、気になる証言が…。
高湯温泉の旅館「安達屋」施設管理を行う 本田佳宏さん:きょうはこの雪なので、とりあえず3番源泉に行きました。
こう話すのは、「花月ハイランドホテル」と同じ“3番源泉”を使っている旅館の施設管理をしている男性です。
18日の源泉付近の様子が分かる写真を見せてもらいました。
よく見ると、雪に隠れた看板が…。
そこには「近づきますと生命に危険が及ぶことがあります 絶対に近寄らないでください」と書かれおり、注意を促しているといいます。
源泉を点検するため、山に入った3人。
源泉は硫黄などの成分が強いため、空気に触れると「湯の花」が生じ、流れるパイプのつまりの原因となります。そのため、季節に関係なく定期的にパイプ内を掃除し、「湯の花」を取り除く必要があります。
その際はガスマスクを着用。細心の注意を払って掃除や点検を行っています。
雪の日には、さらなる危険が…。
高湯温泉の旅館「安達屋」施設管理を行う 本田佳宏さん:源泉の周りはあたたかく、お湯が出ておる。地面から出ておってあたたかいので、周りの雪が解けてしまうんですね。雪壁ができるんですね。
専門家は、この“雪の壁”が、今回の事故に影響している可能性を指摘します。
法科学研究センター 雨宮正欣所長:硫化水素は大きな性質として空気より重い。これが非常に重要な性質になります。雪の壁みたいなのができると、密室まではいかないですけども、それに近いような状態、つまり硫化水素がたまるような空間、これができやすくなってきます。
通常は風に流されるため、大量の硫化水素がその場に溜まることはほぼないといいます。しかし、“雪の壁”ができて風通しが悪くなり、硫化水素が大量にたまったエリアが発生した可能性があるというのです。
18日午前7時半時点の高湯付近の積雪は、146cm。相当量の雪が積もっていたことがわかります。
温泉街を歩いてみても…。
田中良幸情報キャスター:柱のようなものの先端だけが見えています。看板ですね。「高湯温泉観光協会」と一番上の部分だけが見えています。
高湯温泉の旅館「安達屋」施設管理を行う 本田佳宏さん:短時間にたくさん雪が降り積もってしまったので、硫化水素がたまっているのに気づかずに、意識を失ってしまったのかなと。
警察は3人の死因について詳しく調べる方針です。(「めざまし8」2月19日放送より)

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