「クソババア、はよ死ねよ。ひとりごとや」住宅街で8年続く男性による暴言・騒音に住民「怒りしかない」 なぜ”迷惑行為”をやめない?本人を直撃取材

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大阪の閑静な住宅街で、ある住民男性による『大声での暴言』や『早朝の騒音』が絶えません。“迷惑行為”は8年続いていて、他の住民たちは「どうにかしてほしい」と憤っています。なぜ暴言をやめないのか?記者が男性を直撃取材しました。

「思いきり大きい声で暴言を直接吐かれる。『うるせぇババア』みたいな感じで大きい声で言われて。近所の人たちもトラウマになっているので、もう怒りですね。怒りしかないです」
こう話すのは大阪府茨木市に住むAさん。問題は閑静な住宅街で起きています。8年前、近所に引っ越してきた男性によって、突然、平和が奪われたといいます。

【近隣住民が撮影した動画より】 (男性)「出てこいや!文句があったら出てこいや!おい、お前○○(個人名)、お前らな、己のやることもできなくて昭和の人間と言えるのか。恥ずかしいと思わんか○○、バカモノ、ハゲ、ふん」
男性は個人名を挙げて暴言を吐き続けます。
(男性)「警察呼べ、呼べ呼べ!逮捕状でも請求せえ、何度でも逮捕されたろ。あぁ?なんですか?それくらいこっちは腹くくっているんやぞ。腹もくくっていない男。ぴ~。×××ついとんのか貴様ら!」
男性は家の外に出て、他の住民らを挑発するような発言を繰り返します。住民の通報を受けてバイクで駆けつけた警察官に対しては、前に立ちふさがります。
(警察官)「通してもらっていいですか?」 (男性)「役職はなんですか?」 (警察官)「通してもらっていいですか?」 (男性)「なんのためにきた?」 (警察官)「危ない危ない。撮らないでもらっていいですか?」
警察が注意や指導を繰り返してきたものの、一向にやめる気配はないといいます。さらに、男性の“口撃”は、宅配業者にも。
(男性)「降りてこいと言うたら降りてこんかい。次から徐行せえよ、次から徐行せえよ!」
別の日の朝6時。住宅街に鳴り響いているのは軍歌です。Aさんによりますと、深夜のときもあるといいます。
(Aさん)「(Q基本的には軍歌だけ?)こういった類いの系統の曲です。あと梅沢富美男の『夢芝居』」
住民が迷惑だと訴える行為の数々。住民が本人に指摘した際の動画には…

(男性)「クソババア、はよ死ねよ。ひとりごとや」 (近隣住民)「今、殴ろうとしましたね?」 (男性)「殴ってませ~ん」 (近隣住民)「触れようとしましたね?」 (男性)「警察呼んだろか。気色悪い。終わってるなこの人。ひとりごとですよ、すべて。ばかな女やな、ひとりごと!」
暴言を吐くときは、よく「ひとりごと」と付け加えるといいます。
Aさん以外の住民も頭を悩ませています。
(近隣住民)「今まで何もない平和な地域だったのに…。本当にどうにかしてほしいですね」 (近隣住民)「もう本当に限界じゃないですかね。見ていて不快ですし、いろいろな事件が今あるので、そういったことに発展したら怖いなと」

今年1月、Aさんは知り合いの社会福祉士を通じて弁護士や大阪府議会議員らに声をかけ、解決策を考える話し合いを開きました。
(Aさん)「威圧されたような空気の中で生活をしていて、どうしたらいいのか」 (占部走馬府議)「大阪府下のどのエリアでも、同様の相談をされたことがない議員はいないんじゃないかと」
占部府議によりますと、同じような相談は後を絶たないといいますが、弁護士と社会福祉士は解決の難しさを指摘します。
(北村真一弁護士)「『引っ越してください』という請求をしたいのだと思うんですが、住む権利はめちゃくちゃ強い権利なので」 (社会福祉士 辻由起子さん)「『死ね』とか暴言を吐いた後に『ひとりごとですよ』と言うのが許されるのかと。『誰の人権を守るの?』ってすごく今の時代難しい」
結局、有効な解決策は出ませんでした。

男性はなぜ迷惑行為を繰り返すのか。取材班が本人を取材すると…
(男性)「(住民らに)言わっれぱなしやから。いわば風評ですわ」
取材に応じた男性は持論を語り始めます。
(男性)「小学1年生くらいの女の子が自転車を降りて、(近所の)信号機のない横断歩道で。(横断するのを)待っているのに(車が)止まりませんよ」
きっかけは「近所での交通マナーの悪さ」。それを指摘しようとしたことだと主張します。では、それと男性の行為とがどうつながるのか。
(男性)「取締りを依頼したわけ。(警察は)無反応な。(だから警察を)呼ぶためにわざとやったんや、分かるか?」
Qそれと大声で騒ぐことはどう関係? (男性)「関係あんねん。注意喚起や、注意喚起!分からんか意味が?」 Q何の注意喚起? (男性)「そういうことや。警察に対するアレとか」 Q早朝や深夜に大音量で曲をかけるのは? (男性)「だからそれは言ってるやん。(私の)取締りの依頼に対してうんともすんとも反応しない、取締りもしない警察を呼ぶためや」 Q警察を呼ぶため? (男性)「その通り」 Qじゃあ自分で警察署に行けばよいのでは? (男性)「なんで行かなあかんねん」
一連の行為は、交通違反を取り締まらない警察へのアピールだというのです。さらに…
(男性)「近隣でも一緒や。あいさつをしない人間。会釈もしない」 Q住民を懲らしめるため? (男性)「懲らしめる意味はまったくない!だから注意喚起やと言うとんねん」 Q誰への注意喚起ですか? (男性)「分からん人やなぁ。想像力を働かせろ。分からんのやったら次の機会にしよ」
一向にかみ合わない会話。しかし取材班が、これ以上“迷惑行為”をしないよう求めると…

Qこれからは… (男性)「もうやらへんて言っているやろ!しつこいな!」 Qやらないですね? (男性)「やらないと言うたらやらないやろ!」 Qもうやめてくださいね? (男性)「やりませんて!しつこいな!男というか俺という人間が1回『もうやらん』と言ったらやらんやろ!」

男性の行為に長年苦しんでいるAさん。ただ、今ひとつだけ希望があるといいます。
(Aさん)「男性の親族が(男性に対して)裁判を起こしてくださった。『迷惑行為をしている』という近所の人たちの話を受けて動いてくださった」
Aさんが男性の住む家を独自に調べたところ、所有者は男性の親族だと判明。親族はAさんから男性の行為の数々を聞き、男性に対して家から出ていくよう求める裁判を起こしたのです。
Aさんと近所の住民らも、被害の実情を訴える書面を裁判所に提出しました。
(Aさん)「(Qこれを読めば裁判官も自分事として考えてくれると?)そうですね。また安全な暮らしを取り戻せることを想像しながら。これはずっと永遠に続くものではないと」

そして2月4日。大阪地裁で判決が言い渡されました。
(裁判官)「主文、原告の請求を棄却する」
判決はつまり、「男性が家から出る必要はない」という内容でした。その理由については…
(裁判官)「家の所有者である親族は、これまでに男性を家から追い出そうとしたことはなく、男性が家に住むことを暗に認めていた。たしかに近所トラブルはあったが、それは男性と住民との間の問題に過ぎず、男性が家から出る理由にはならない」
判決を聞いて、Aさんは次のように話します。
(Aさん)「話し合いができない人に対して私たちはただ我慢するだけなのかと。はぁ…なんか答えが分からないですね。なんか、本当にむなしいです」

判決の翌日、Aさんから取材班のもとにメッセージが届きました。
【AさんからのLINEより】 「きょうも怒鳴る声で目が覚めました。またあの声がはじまりました」
取材班に「もうやらない」と言い、しばらく行為をやめていた男性が、また暴言を吐き始めたといいます。
閑静な住宅街で起きたトラブル。このまま住民たちは我慢し続けるしかないのでしょうか。

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