「もう何年もドライヤーしていない」女性モデルも…SNSでバズる“ドライヤーキャンセル界隈”、医師が指摘する本当に怖いリスク「頭皮にカビが…」

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2024年、話題となった「風呂キャンセル界隈」。ある調査会社が行なったアンケート結果で20代から50代の女性の約20%が「週に1回以上お風呂に入らない日がある」と回答していることなどや、SNS上のそれに共感する発言をキッカケに盛り上がったワードだ。そこに次いで、最近SNSで話題となっているのは「ドライヤーキャンセル界隈」だが、いったいどんな“界隈”なのか。
【画像】髪を乾かさないと可能性があがる悲惨なこととは…
近年、SNSを中心によく見かける「○○界隈」という言葉。2024年の「新語・流行語大賞」にもノミネートされた。あるマーケティングライターは言う。
「2018年頃から、自撮りを行ない、それをSNSにアップする若者たちが“自撮り界隈”などと自称したことから、共通の関心や価値観を持つ人々のコミュニティを指す言葉として“界隈”というワードが見られるようになりました。
最近では、ファッションや美容業界のマーケティング用語として用いられることが多く、最近では、とある美容家電ブランドメーカーが『#ドライヤーキャンセル界隈』とハッシュタグをつけて、Xでプレゼントキャンペーンを打ち出したこともあります」
その発信が拡散され、Xではトレンドワードにまで上がった。
ドライヤーキャンセル界隈とは、まさに髪を洗った後ドライヤーで乾かさない人々のことを指すが、彼女たちはなぜドライヤーをキャンセルしてしまうのか。街ゆく人たちに聞いてみた。
家ではストロング系の酎ハイを、外では立ち飲みなどの「せんべろ」をよく利用するという30代女性は言う。
「夜、酔っ払って帰ってきたり、家で晩酌したりした後、お風呂にはなんとか気合で入るんです。
でも、髪を乾かすのがどうしても無理! 朝起きたら寝ぐせがすごいことになっているので、朝に髪を洗うんですが、やっぱりドライヤーキャンセルして濡れたまま出社しちゃいます」
2人の子どもを持つ専業主婦の40代女性は、子どもの髪を乾かしている間に自分の髪は乾いてしまうため、基本的には「自然乾燥」のようだ。
「お風呂上がりは、すぐに自分の頭に吸水タオルを巻き、子どもら2人のドライヤーをかけます。自分は優雅にドライヤーなんてかけてられない。子どもを産む前まではロングでしたけど、すぐ乾くようにボブヘアにしました」
「なんなら“洗髪自体”キャンセルするときもある」と豪語するのは40代の独身女性だ。
「ドライヤーをキャンセルするのはもちろん、人に会わないときは1週間くらい髪を洗わないです。ただし、会う前日には洗いますよ!」
一方で、こんな意見もあった。40代の専業主婦は「ドライヤーキャンセルは世代間ギャップの象徴では」と言う。
「私らの幼い頃は親に髪を乾かせとも言われなかったし、中高時代もドライヤーはしたりしなかったりで、きちんと乾かすようになったのは20代以降に美意識が芽生えてから。平成初期はドライヤーも今みたいに進化してなかったですよね」
確かに、今の20代女性からは髪に対する意識の高さを感じさせる意見が多かった。ある20代女性は「約10万円のドライヤーを使っている」という。
「ふだんから髪にはめちゃ気をつかってるので、ドライヤーキャンセルとかありえない!
美容番長のMEGUMIさんも“ドライヤーキャンセルするくらいなら髪を翌日洗え”と美容本で言っていたので、それを実践してます。
それに毎月美容院で2万円のトリートメントをしてるので、1回のキャンセルでそれらがパーになるのはマジで勘弁!」
だが、ミドル世代の中には「子育てと仕事が落ち着いてからは、しっかり乾かすようになった」という女性もいた。
パート勤務の50代女性の意見はこうだ。
「30代半ばまでは子育てと仕事が忙しく、ドライヤーせずに寝ちゃうことも多かった。でも、ある日、行きつけの美容院で『ドライヤーで髪乾かさずに寝たらハゲる』と言われてからはちゃんと乾かすようになりました。若いときに比べたら髪のボリュームも気になるし、ハゲ予防のためにドライヤーは必須です」
「ドライヤーキャンセルするとハゲる」は本当なのか? 美容外科・皮膚科・美容皮膚科「あいち栄クリニック」の統括院長・横山侑祐氏に聞いた。
「肌には天然保湿因子『NMF(ナチュラルモイスチュアライジングファクター)』という、肌自らが作り出す天然の潤い成分があります。これは保湿成分になります。同時に水に溶ける成分でもあるので、お風呂上がりにすぐタオルで拭かなかったり、髪を乾かさなかったりすると、体や頭皮からNMFが溶けてなくなります。
そうすると、頭皮が乾燥し、フケの原因となったり、頭皮の血行も悪くなり、髪が抜けたりする可能性が出てきます」
また、巷でよく聞く「髪を乾かさないと頭皮にカビが生える」というのも本当なのか。
「頭皮にはカビの一種が常在しています。髪を乾かさず湿度が高い状態が長く続くことで、このカビが急激に繁殖する場合はあります。
それにより頭皮が荒れることもあると思いますので、やはりドライヤーはキャンセルしないほうがいいかもしれません」
モデルのゆうちゃみこと古川優奈も、ラジオ番組で自身のものぐさエピソードのひとつとして「私はほんまにこの何年間かドライヤーしていない。これはガチ」と公言していたが、髪の健康、そして頭皮の健康を守るために、なるべく“キャンセル”はしない方がいいかもしれない。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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