犢圓べき52か所畫出で「複雑」「バレてしまった」の声も 富山市のインバウンド対策、どうなってる?観光協会に聞く

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2025年1月7日、米紙ニューヨーク・タイムズが「52 Places to Go in 2025(2025年に行くべき52か所)」を発表。日本からは大阪市、そして、富山市が選ばれた。
TVや新聞でも大きく取り上げられたので、ご存じの読者は多いはずだ。
8日には富山市観光協会が公式Xアカウント(@toyamacitykanko)でそのことを報告。ポストには7400件を超えるいいね(14日夕時点)のほか、こんな声が寄せられている。
富山が選ばれたことは嬉しいのだが、ちょっと複雑な心境になっている人も少なくないようだ。静かであるということも富山の魅力のひとつなのだから、たくさんの観光客が来たら損なわれてしまうのでは……? ということらしい。
たしかに、NYタイムズも富山の魅力について「Enjoy cultural wonders and culinary delights while skipping the crowds」――狄佑瓦澆鯣鬚韻覆ら文化的感動と美食を楽しめる瓩班床舛靴討い襦
富山市観光協会としては、いったいどのように受け止めているのだろう? Jタウンネット記者が話を聞いた。
NYタイムズ紙の「2025年に行くべき52か所」選定について、どのように受け止めているか? と尋ねると、富山市観光協会の担当者は、こう答えた。
NYタイムズに富山市を推薦したのは、アメリカ出身、日本在住の作家・写真家のクレイグ・モド氏。
富山市の見どころとして、隈研吾氏が設計した「富山市ガラス美術館」や、富山市八尾町で9月に実施される行事「おわら風の盆」に言及。ワインバー「アルプ」、富山おでんを楽しめる居酒屋「飛騨」、スパイスカレー店「スズキーマ」、鉄道模型が走る喫茶店「珈琲駅ブルートレイン」、音楽を楽しめるバー「ハナミズキノヘヤ」など、地元の飲食店も紹介している。
富山での体験を語り、「行くべき場所」に都市を推薦する理由のひとつとして、「観光客向けに形づくられたのではない犲尊櫃寮験茘瓩営まれている様を見ることができる」という点を挙げた(原文は英語)。
富山市観光協会の担当者は、モド氏のこの評価を誇らしく感じているという。
世界一キレイなスタバ、町中でふらりと入った居酒屋や食堂で安くて旨い魚が食べられること、スーパーのお刺身・お寿司コーナーも充実していること、路面電車に乗ってゆっくり市内観光ができることなど、富山市の旅の楽しさを挙げていけば、切りがない。もちろん3000メートル級の立山連峰がすぐ間近に見えることも、ごく日常の一部だ。
そして、その狷常瓩観光客の増加によって損なわれるのではないか? という不安が、人々に「富山の魅力がバレてしまった」という複雑な思いを抱かせているのだろう。
「行くべき52か所」に選ばれたことによる観光客の増加が予想される今、富山市のインバウンド対策は充分なのだろうか?
富山市観光協会の担当者によると、実は富山市では2022年度から、欧米豪の富裕層を誘致する事業を次のように実施している。
高付加価値旅行商品の中で使用される、ダブルツリーbyヒルトン富山は、世界的に有名なホテルチェーンであるヒルトングループの中級から上級クラスに位置するホテルブランド「ダブルツリー」で、富山駅から徒歩約3分の好立地。
リバーリトリート雅樂倶(がらく)は、富山市春日温泉郷にあるリゾートホテル。神通峡が目の前の風光明媚な立地で、館内および敷地内に300点のアートも展示する「川のほとり、アートの宿」である。富裕層向けのホテルとしては、どちらも申し分ないだろう。こうした欧米豪の富裕層をターゲットとした事業が推進されることによって、逆に日本人の富裕層が改めて富山市に関心を抱くことにつながるかもしれない。
他に、「富山市まちなか観光案内所」での甲冑着付けや馬に乗れるSAMURAI体験、観光マップの英語版作成、SNS(X,Instagram,Facebok,YouTube)やWEBでの情報発信なども積極的に行っていくとのこと。
オーバーツーリズムの弊害を心配する声に対して、富山市観光協会の担当者はこう語った。
「富山市を訪れる外国人は日本文化に深く魅了され、何度も日本を訪れるような旅行者であり、彼らは地元の人々の暮らしや風景に敬意を払い、上質な旅行を求めていると期待しています」
「富山市にお越しいただいた際には、しっかりとした受け入れ体制を整え、訪れた方々に満足していただき、また訪れたいと思っていただけるよう努めてまいります」

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