札幌市ススキノ地区のホテルで2023年7月、頭部を切断された男性(当時62歳)の遺体が見つかった事件を巡り、殺人や死体損壊などの各ほう助罪に問われた精神科医・田村修被告(61)の裁判員裁判の第2回公判が15日、札幌地裁(渡辺史朗裁判長)であった。
14日の初公判に続いて検察側の証拠調べが行われ、娘の瑠奈(るな)被告(30)(殺人罪などで起訴、精神鑑定中)による殺害の状況が初めて明らかにされた。
今回の公判で検察側は、瑠奈被告が23年7月1日深夜、ホテル客室内で男性をナイフで刺殺し、ノコギリで頭部を切断したと主張。修被告も凶器の購入などを通じて殺害や遺体の損壊に協力したとする一方、弁護側は「殺害計画は知らなかった」などと全面無罪を主張している。
瑠奈被告は殺害と切断の様子を1時間22分にわたって自ら撮影しており、この日は検察側が動画の内容をまとめた捜査報告書を証拠提出。検察官は口頭で「瑠奈被告は首を2秒間に9回突き刺した」と説明し、その直後に男性が「ごめんなさい」と繰り返していたことも明らかにした。