タワーマンションが次々とできている川崎市武蔵小杉駅の周辺で、町内会の1つが3月に解散することが分かりました。人口が劇的に増える一方で、なり手が見つからず存続を断念しました。
タワーマンションが林立する川崎市の武蔵小杉駅周辺。小杉3丁目町会、いわゆる町内会は、3棟のタワマンもある武蔵小杉の中心ともいえるエリアをカバーしています。この町会の会長は五十嵐俊男さん(81)です。
武蔵小杉に住み始めておよそ70年。特にこの20年で町は大きく様変わりしたといいます。
道路拡張や再開発で、町工場や商店、戸建て住宅が激減。2000年に1870人だった人口は、去年9月末時点で5508人に激増。およそ3倍になりました。
その一方で、町会の会員は減り続けてきました。役員も高齢化し引き継ぐ人がいなくなったため、解散を決めたといいます。
町内会・町会とは、行政と住民をつなぐ自主的な組織で、地域住民の交流や災害時の助け合いなどを担います。会費は月数百円程度で入会は任意です。
都市部のマンションでは居住者同士で接触を持たない人も多く、入会の知らせや活動内容を伝えることが難しいといいます。時代と合わなくなりつつある町内会ですが、行政は災害が起きた時、町内会のような組織がないと困るといいます。
こうしたなか、新たな防災体制を作る動きが始まっています。中心となっているのが14棟のタワーマンションが加入している「武蔵小杉エリアマネジメント」です。
マンション間や住民同士の連携を取るために設立された団体で、災害時の対応をスムーズにするため、住民の交流を促進しています。
今後は地域の他のマンションなどとも連携し、町ぐるみで協力できる新たな防災組織を目指すといいます。
(「グッド!モーニング」2025年1月16日放送分より)