「自殺場所を探し提案した」 明るい・おしゃべりな少年がなぜ 自殺願望少女を狙ったのか 28歳男の“裏の顔”

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SNSで知り合った女子中学生の自殺を手助けしたとして、さいたま市に住む野崎祐也被告(28)が逮捕・起訴された。野崎被告は、アカウントを使い分け、自殺願望のある複数の女性とやりとりをしていたという。
先月19日、横浜地検に身柄を送られる野崎被告。髪の毛に覆われ、その顔ははっきりとは見えなかったが、壁に手をついて、ゆっくりと階段を降りていく様子が印象的だった。
一方で、自身のSNSには、ピースサインの写真をアップする野崎被告。本当にこの男が、”自殺ほう助”事件を起こしたのだろうか。
野崎被告と、横浜市に住む中学生の少女が知り合ったのは、去年のこと。少女は、自分のSNSに、自殺願望をほのめかす投稿をしていた。それに目をつけた野崎被告は、少女に接触。その後、1年ほどの間、SNSを通じてやりとりを続けていたという。
ところが、今年9月20日、事態が急変した。野崎被告と少女は、都内で落ち合い、JR東浦和駅まで電車で移動。駅から野崎被告の自宅まで、2人は徒歩で向かったという。それから3日間に渡って、2人は、野崎被告の自宅に滞在したという。
23日になり、野崎被告は、少女を車に乗せて、”自殺場所”となる、神奈川・相模原市内の某所に連れて行ったという。少女の家族は、野崎被告と落ち合ったその日に、行方不明者届を提出している。
神奈川県警は、捜査一課を投入し、防犯カメラの映像解析などから、野崎被告を突き止めた。9月27日、未成年者誘拐の疑いで逮捕したが、その2日後、少女は、川の中で、遺体となって見つかった。
野崎被告は、10月17日、自殺幇助の疑いで再逮捕された(その後、起訴)。捜査段階では、「スマホで自殺する場所を探し、少女に提案していた」と話していた野崎被告。”自殺ほう助”の意図が、この供述からも、うかがうことができる。
一方、取り調べでは、「SNSのいくつかのアカウントを使い分けて、そのうち複数のアカウントを停止させられたことがある」と明らかにしていたという。アカウントを使い分けて、自殺願望のある女性を探していたのか・・・。いったい、野崎被告とは、どんな人物だったのか。
取材に対して、中学時代の同級生は、「SNSをすごく使ってるタイプで女の子と絡みたがっていた」「明るいって言いますか、授業中以外は、もうずっとしゃべっていたり遊んでいたり」と野崎被告の当時の様子を振り返っていた。
野崎被告の印象については、一様に「社交的」だったと語る同級生たち。だからなのか、事件について知ると、驚きを隠せない様子だった。冒頭のピースサインを見せる男の”裏の顔”は何だったのか。
捜査員に対して、野崎被告は、「SNSで自殺願望をほのめかす複数の女性とやりとりをしていた」とも打ち明けていたそうだ。その詳しい動機や事件の経緯は、今後の裁判で明らかにされることになる。
悩みや不安を抱えて困っている時には、電話やSNSで相談する方法があります。「こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)」やLINE「生きづらびっと」など複数の窓口があり、厚生労働省のウェブサイトにも案内があります。1人で抱え込まず相談してください。
(フジテレビ社会部・神奈川県警担当 魚住菫)

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