まさか「 佐賀県」が外国人観光客に大人気 「ソウル→佐賀便」衝撃の「片道5570円」

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日本を訪れる外国人観光客が激増する中、九州・佐賀県に注目が集まっている。ある韓国人トラベル系YouTuberが「たった5万ウォン(5430円)で行ける唯一の海外旅行地 日本の佐賀 1人1泊2日」のタイトルで動画を11月に投稿すると1か月で53万回再生を記録する人気ぶりだ。
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大手海外旅行サイト・トリップドットコムの調査によると、7~8月の韓国内旅行客の予約データを分析した結果、佐賀、米子(鳥取県)、宮古島(沖縄)の航空路線予約率が昨年同期比で800%以上増加したという。その中でも特に韓国から距離的に近い佐賀への関心が高まっているようだ。
佐賀といえば、マスコミが発表している地域ブランド調査では毎年のように最下位という不名誉な結果で知られており、金融機関による「国内旅行に関する調査」では「旅行したことがない都道府県1位」(2019年)になるほど。
佐賀で育ったお笑いタレントのはなわ(48)が2003年に発表した自虐ソング「佐賀県」の歌詞では、クラスの半分以上が同じ床屋で散髪していることや家に鍵をかける習慣がない、さらには女優の松雪泰子が佐賀出身であることを「公表してねぇ」(※所属事務所のプロフィールには記載がある)と歌うなど佐賀へのディスリとそこに込めた故郷愛で笑いを誘った。
そんな佐賀が注目を集めている理由は何なのか。
元バックパッカーの旅行ライターがこう話す。
「まず挙げられるのは円安によるコスパの良さです。欧米や中韓だけではなく東南アジアの観光客にとっても日本は安く旅行できる観光国になりました。中韓の観光客の中には頻繁に日本を訪れるリピーターが増え東京、京都、大阪など有名観光地だけではなく日本のローカルな小都市を1人で巡る観光スタイルも好まれるようになりました」
実際に九州佐賀国際空港のフライト情報を見ると、佐賀には中国の春秋航空が上海から週3便、台湾のタイガーエアが台北から週2便乗り入れており、韓国のティーウェイ航空も10月27日から佐賀-ソウル・仁川線を増便し週4便となっている。いずれもLCC(格安航空会社:Low Cost Carrier)のためチケット代はかなり安い。
トリップドットコムでティーウェイ航空の1月上旬のソウル→佐賀便往路を検索すると安いチケットは1万円台前半、復路は5570円という信じられない価格が表示された。飛行時間は1時間25分なのであっという間に到着する。博多駅から特急電車で1時間もかからない近さに加え大都市圏と比べて物価が安いという利点もある。
観光名所としては鳥栖プレミアム・アウトレット、祐徳稲荷神社、唐津城、御船山楽園、吉野ヶ里歴史公園などが散在しているが、それ以外にマニアックな観光客を引き付けている佐賀ならではの観光スポットがあるという。
「それは大手ゲーム会社・スクウェア・エニックスが35年前に発売した大ヒット冒険型RPG(ロールプレイングゲーム)『ロマンシングサガ』シリーズとのコラボによって登場した“聖地”のことです。もともと『サガシリーズ』と佐賀県はまったく関係がなかったのですが、10年前に同ゲームのプロデューサーが佐賀県庁に電話を入れてコラボを提案。ゲームのキャラクターがデザインされたマンホールや電車などが登場すると全国からファンが集まったのです。今年も11月からコラボ10周年を記念してイラスト入り有田焼、サガシリーズの原画展示、ロマンシング佐賀10周年グッズなどオタクたちの心をくすぐるイベントが多数開催されます」(地元観光協会関係者)
佐賀県を舞台にアイドル少女7人の活躍を描いたゾンビアニメゲーム「ゾンビランドサガ」も佐賀県が全面協力。ゲームやアニメのキャラクターを活用したこのような観光振興策を海外YouTuberが次々と発信して魅力を紹介しているのだ。外国人の“オタク心”を引きつける奇抜なイベントのため、訪問客にとっては今まで経験したことのない新しい旅になるようだ。
アニメやゲームとは関係なく何かと忙しい日々から脱出して、素朴で閑静な街並みの中で癒やされたいという観光客も多いようだ。
「日本三大美肌の湯の1つに数えられている嬉野温泉の旅館には多くの中国人や台湾人、韓国人が泊まっています。加えて佐賀産黒毛和牛というグルメもそろっています。潮が引くと姿を現し潮が満ちると海中に沈んでしまう大魚神社の海中鳥居も神秘的。佐賀の魅力ははかりしれないですよ」(前出の旅行ライター)
日本人が訪れないというのは何とももったいない話だ。
デイリー新潮編集部

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