和歌山県田辺市で2018年5月、「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家の会社経営野崎幸助さん=当時(77)=を殺害したとして、殺人罪などに問われた元妻須藤早貴被告(28)の裁判員裁判の公判が15日、和歌山地裁(福島恵子裁判長)であり、3回目の被告人質問が行われた。
弁護側から野崎さんの死について問われた同被告は、「もうちょっと死に方を考えてほしかった。あのタイミングで死んだせいで何年も人殺し扱いだった」と答えた。
これまでの被告人質問で、野崎さんから頼まれて覚醒剤を購入したと説明してきた須藤被告。この日も検察側に購入について問われると「私が使うわけではないので、お金がもらえればいいと思った」と、殺害目的での購入を改めて否定した。
その上で、購入自体が犯罪に関わる危険性があると指摘されると、「使ったら体に残るからリスクだが、頼まれることについてはそこまで考えていなかった」と弁解した。
野崎さんから毎月もらっていた100万円の使い道については、「遊ぶためのお金」と話し、「100万あれば自由に生活できる。私は未来よりも目先のことが大事」と強調した。
被告人質問はこの日が最後で、18日に論告と弁論が行われて結審し、12月12日に判決が言い渡される。