「103万円の壁」見直し着手=自・国、8日に協議入り

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自民党は6日、国民民主党の衆院選公約を踏まえ、年収が103万円を超えると所得税が課される「103万円の壁」の見直しに着手した。
8日にも両党の政策担当者らが経済対策について協議する。見直しの行方は石破政権と国民民主との「部分連合」の成否に直結する。一方、丸のみすれば大幅な税収減は必至で、財政健全化とのバランスも焦点だ。
自民の宮沢洋一税制調査会長は6日の幹部会合後、記者団に「自民、公明両党が衆院で過半数に達しない状況を受け、国民民主を含む各党公約を議論した」と説明。「時間的に余裕がある話ではない」とも述べ、年末にまとめる2025年度税制改正大綱への反映を目指す考えを示した。
衆院選の結果を受け、石破茂首相は政権運営の安定を優先し、国民民主が主張する政策の取り込みを指示。「103万円の壁」見直しが象徴的なテーマに浮上した。
国民民主は所得税の非課税枠を178万円に引き上げるよう求めている。玉木雄一郎代表は6日の党会合で「政権の延命に協力する気はない」とけん制。8日にも自公両党にそれぞれ要請すると記者団に明らかにした。11日に予定される首相との党首会談などを通じ、24年度補正予算の編成で「103万円の壁」見直しを前倒しするための予算措置なども要求する考えだ。
見直しに伴う減収について、政府は「7兆~8兆円」程度に達すると見積もっており、財政への影響は必至だ。自民内には「税収は社会保障や投資促進など、使わなければいけないところがたくさんある」(幹部)との声が少なくない。
国民民主との協議では、引き上げ幅の線引きが最大の論点となる見通しだ。政府・与党内には、対象を低所得者に限定する案も浮上している。
税制改正では、国民民主が求めるガソリン税を一時的に軽減する「トリガー条項」の凍結解除も焦点だ。
石破政権は、「103万円の壁」などで部分連合の成果を積み上げ、来年の通常国会に提出する25年度予算案についても、国民民主の協力を得て成立につなげたい考えだ。

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