玉木代表の高笑いが止まらない!余命5ヵ月の石破政権が丸呑みさせられる「国民民主党が要求するもの」

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選挙大敗の責任を問うて安倍総理に退陣を迫った男が、今度は自らが惨敗したのに総理の座にしがみついている。石破政権の延命が国民に何をもたらすのか。実は悪いことばかりではなさそうで……。
前編記事『「落選した現職閣僚、大物議員、萩生田光一氏らが明かす「石破総理」が惨敗した理由』より続く。
かつて石破総理は、自公が過半数を失った’07年の参院選の後、続投の意思を表明した当時の安倍晋三総理に退陣を促したことがある。党の総務会でこう述べた。
「総理は『私か、小沢(一郎・民主党)代表か』と何度も訴えた。これを有権者にどう説明するのか。挙党一致(で乗り切りたい)は答えにならない」
翻って、石破総理は今選挙期間中、こう有権者に訴えかけていた。
「日本の独立を守るのは自公政権しかない。他の党に任せるわけには絶対にいかない」
結局、勝敗ラインに設定した与党過半数を大きく割り込んだが、「国政の停滞は許されない」という理由から、退陣するつもりはなさそうだ。実のところ、石破総理は今回の大敗の責任をつゆほども感じていないという。
「石破総理は、1ミリも辞めるつもりはありません。岸田(文雄)前総理も強靭なメンタルを誇りましたが、石破総理もそれに負けない。今回の与党大苦戦は裏金問題を引き起こした『安倍元総理とその仲間たち』が原因であって、自分たちが悪いわけではないと開き直っているのです」(全国紙政治部記者)
これだけ多数の候補者が落選した自民党内からも「石破おろし」ののろしさえ上がらない。
「総裁選で高市(早苗)さんを担いで、非主流派の立場にある麻生(太郎)さんも、すぐに『石破おろし』には動かないと思います。いつ沈没するかわからない泥舟を誰かが代わりに担ぐといっても誰もそこには乗りたくないわけで、石破さんに責任を押し付けたままにするでしょう」(同前)
「非公認で選挙を戦った萩生田さんもはらわたが煮えくり返っていると思いますが、すぐに動くほど馬鹿ではありません。
まずは復党がどうなるか。自民党はとにかく数が足りませんから、来年の通常国会までには非公認や無所属で当選した人たちが戻れるかもしれません。萩生田さんもいまは戦略を練って、仲間を集めてから周到に動くのではないでしょうか」(旧安倍派前議員)
一方、ともに政権を担う公明党はどうか。こちらも今年9月に新代表に就任したばかりの石井啓一氏が落選したため、大混乱に陥っている。
「本来、自民党内に動揺が広がっているときに物申すのが公明党の役割でした。ところが、石井さんが落ちてしまった。西田実仁幹事長か、斉藤鉄夫国交相あたりを新しい代表にするのでしょうが、当面は党運営を落ち着かせるために厳しい局面が続き、自民党のことに関わっていられない。山口那津男前代表のままだったらよかったのに、代表交代が裏目に出た格好です」(前出・政治部記者)
11月11日召集とも言われる特別国会で、首班指名選挙が行われる。どの政党の党首も過半数には届かず、決選投票で石破総理が比較多数を確保して、延命を果たすことになるのだろう。ただし、衆議院で過半数を持たない「少数与党」としての船出となる。
こうした状況に高笑いが止まらないのが、国民民主党の玉木雄一郎代表である。
玉木代表の率いる国民民主党は従来の4倍となる28議席を獲得し、単独で衆議院への法案提出が可能な21議席を超えた。
「石破さんには国民民主との連携しか道はありません。すでに水面下では、森山幹事長と国民民主の古川元久国対委員長の間で、連携についての交渉が行われています。
国民民主は連合(日本労働組合総連合会)から支援を受けている議員もいるので、自民党と連立政権を組むことはありえません。玉木さん本人が何度も言っているように、政策ごとに連携するかを検討することになるでしょう」(同前)
自民党と国民民主党の連携は今に始まったことではないと、元総理補佐官で政治ジャーナリストの柿崎明二氏が言う。
「私が菅(義偉)総理の補佐官をやっていた3年前から、政権は国民民主とパイプづくりをしようとしていました。当時の佐藤勉総務会長が始め、その後、麻生副総理も進めていました。現在は森山幹事長が、玉木代表らとコンタクトを取っているはずです。ただ、部分協定であっても、参院選を控えて自民党と組んでいると見られると国民民主にとってメリットがないので、譲れないラインがあり、前途は多難です」
自公で過半数に満たないため、野党がまとまれば内閣不信任案を可決できてしまう。選挙をしたばかりで再び解散を打つわけにもいかない石破内閣にとって、内閣不信任案の可決は即時の総辞職を意味する。
「したがって石破政権は何がなんでも国民民主をつなぎ留めておかなければいけない。玉木さんは自分たちの政策を自公に丸呑みさせることができる」(前出・政治部記者)
では、与党に丸呑みさせたい国民民主党の政策の本丸とは何か。
選挙当日の開票センターで、玉木代表本人がこう話した。
「やはり選挙で掲げて大きな期待を集めた『103万円の壁』の引き上げ。具体的には、基礎控除と給与所得控除の合計額を178万円まで引き上げる。あるいは、ずっと私たちが言い続けているガソリン税の暫定税率の廃止。こういったことは国民の負担を軽くし、可処分所得を増やし、手取りを増やすことに直結しますので、ぜひ実現するため、年末の税制改正に向けてしっかりと取り組んでいきたい」
具体的に解説しよう。まず「103万円の壁」だ。現状では年間の所得が103万円を超えると、超えた分に所得税が課税される。その課税ラインを178万円まで上げると主張している。
「最低賃金や時給が上がっているなかで、この壁が上がらないと、早く103万円に達してしまうので、給料を上げた意味がないんですよ。学生やパートさんなどは、これまでは11月中に『103万円の壁』に達していたのが、給料が上がったことで10月中に達するようになった。『11月、12月はもうシフトに入れません』という声を山のように聞きました。店長さんにしても、『これから忙しい時期になるのに、もう雇えない』と言って悲鳴を上げています。
これは基礎控除を増やすので、学生やパートさんだけでなく、みなさんの課税所得も小さくなります。国民全員に減税効果が及ぶので、手元に残ったおカネでインフレに対抗してもらいたい」(玉木氏)
年末に閣議決定される「税制改正大綱」に盛り込まれれば、来年にも実施される見通しで、国民民主党にとっては大きな実績となる。
もう一つ、玉木代表が強調するのが、ガソリンのトリガー条項の凍結解除である。現在、ガソリンは1リットル175円ほどになるよう石油元売り各社に補助金が配られている。補助額は1リットルあたり、15.5円だ。年内が期限となっているが、政権与党は選挙中、延長も示唆してきた。
一方、玉木代表らが主張するのが、トリガー条項だ。これはレギュラーガソリン価格の全国平均が3ヵ月連続で1リットル160円を上回った場合、上乗せ課税分の25.1円下げる仕組みだ。現在、東日本大震災の復興財源に充てるため、トリガー条項は凍結されているが、これを解除するよう国民民主党は主張する。解除されれば、現状よりもガソリンは安くなる。
これについては年度末までに審議される予算案に盛り込めるかどうか、国会での議論になる。
「国民民主は政策ごとに他党と協力すると言っているので、『103万円の壁』の解消やトリガー条項の凍結解除の実現を条件に、補正予算や本予算に賛成する駆け引きをやるでしょう。国民民主からすれば、自分たちの目玉政策がどんどん実現し、来夏の参院選に向けてアピールできるわけです。
国民民主は選挙でも、『政治とカネ』はあまり追及せず、『手取りを増やす』の一点張りで支持を増やした。野田(佳彦)さんの立憲民主は『政治とカネ』ばかり言って議席を伸ばしましたが、国民民主ほどの伸び率ではありませんでした」(前出・政治部記者)
たしかに、150議席近くまで議席を伸ばした立憲民主党は、選挙後、存在感が薄い。
「野田さんは国民民主との連携を模索していますが、立憲内には『原発ゼロ』を唱えている議員もいて、原発の活用を主張する国民民主との共闘は現実的には無理でしょう。そもそも財政再建派の野田さんと、積極財政派の玉木さんはソリが合わない」(立憲民主党議員)
石破政権が国民民主党の政策を丸呑みしてまで延命を図ったとしても、その寿命は「3月」までだと指摘する声は多い。
「野党との折衝や国民からの批判で、少数与党の総理は誰がやってもサンドバッグになります。来年3月末に本予算を通すまでは、石破さんにボコボコになってもらって、その後、4月に新しい代表を選出して都議選と参院選に臨むのが自民党にとっていいシナリオではないでしょうか。
実は前例があります。’01年、一桁台の低支持率だった当時の森喜朗総理は予算成立後の4月に辞任し、その後、小泉純一郎さんが総理に就任して一気に党勢を回復させたのです。次の総裁候補として名前が挙がるのは、高市さんや林芳正さん、そして小林鷹之さん。ただ、自公で過半数割れの状態では、誰がなっても参院選は苦しそうですが」(前出・安倍派前議員)
もう自公が過半数を回復することはないのではないか。そう指摘するのは、前出の柿崎氏だ。
「’99年に連立を組み始めた自公という政党ブロックが優位な『99年体制』が終わりつつあるということです。野党が2つ以上に分立し、投票率が50%台半ばというのが、これまでの勝利パターンでした。今回も同じ条件だったのに、負けてしまった。自公帝国は黄昏のものとなり、政界再編期に入ったと考えます」
国民にとって吉と出るか、凶と出るか。ただ、これは国民が選んだ結果でもある。日本の政治は新しい時代に入った。
「週刊現代」2024年11月9日号より
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