すでに“警報レベル!”全国各地で、子どもたちが感染する「手足口病」。患者数は去年の10倍!新型コロナと同時に感染も…

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

一部の学校で新学期が始まり、今後子どもの感染拡大が懸念されています。そんな中、新型コロナと共に大流行している感染症が「手足口病」です。初期症状が【発熱】のため、「新型コロナ」との見分けが難しいとされ、中には、「新型コロナ」と「手足口病」に同時感染している事例も…楽しみな新学期、子どもたちは、どんなことに注意すればいいのか、専門家に聞きました。【写真を見る】すでに“警報レベル!”全国各地で、子どもたちが感染する「手足口病」。患者数は去年の10倍!新型コロナと同時に感染も…■「手足口病」大流行 患者数は去年の10倍に新型コロナと同時感染も山形純菜キャスター:まずは東京の感染状況から見ていきます。

【8月19日~25日までの1週間の年代別感染者】▼70代以上:7.1%▼60代:6.1%▼50代:13.7%▼40代:17.6%▼30代:17.6%▼20代:18.9%▼10代:9.8%▼10歳未満:9.3%10歳未満と10代を合わせると19.1%と、多くの子どもたちが感染しているのがわかります。都内の一部の学校では既に新学期が始まっており、子供たちの感染拡大も懸念されるんですが、今、他の感染症も流行しているんです。それが手足口病です。子どもたちを中心に夏に流行する感染症なんですが、8月26日現在、少なくとも15都道県で「警報レベル」が出ていて、注意を呼びかけています。【手足口病のおもな症状】▼手足や口などに2~3mmの発疹▼発熱や喉の痛み▼まれに髄膜炎や脳炎などを引き起こすなど警報レベルが出てるということですが、どれぐらい流行しているのか。東京・杉並区「たむらクリニック」の多村幸之進院長に伺ったところ、「患者数は去年の10倍ほどでまさに大流行。『手足口病』の初期症状も発熱なので、『新型コロナ』との見極めが難しい」ということなんです。大流行している手足口病ですが、こんな事例も出ています。神奈川県に住む1歳の女の子が、「新型コロナ」と「手足口病」同時に感染しました。母親は、(娘が)40度ぐらいの高熱が出たところから様子がおかしいことに気づき、医療機関を受診すると、同時に感染していたことがわかりました。1歳の女の子は数日で回復はしたんですが、当時は口の中の発疹が痛み、水分補給もままならない状態だったといいます。その後、看病にあたっていた母親自身も手足口病に感染しました。こういった感染症から身を守るために、新学期で注意したいことを長崎大学大学院の森内浩幸教授に伺いました。▼症状がある人は学校を休む学校などで一気に多くの人へ感染を広げない。▼地域の流行状況を把握高齢者へ感染させないなど、子どもに対しリスクを教える。ホラン千秋キャスター:新学期が始まると生活リズムが元に戻るというところがあると思うんですが、新型コロナウイルス以外にも気をつけなければならない感染症など、お子さんは特にあるようですね。長崎大学大学院 森内浩幸教授:子どもにとっては新型コロナも手足口病も「大部分は軽くで済むけれども、重くなるときは重くなる」ということなので、区別することなく感染症対策は必要だと思います。ただ、過度な対策を行うと、子どもたちの心の発達や健康にも悪影響が出てしまうので、換気を良くするとか、マスクを屋内では着用するなどの対策も併せて行うということも大事ですが、なによりも何らかの症状がある人が家にとどまるということはとても大事なことだと思います。井上貴博キャスター:もう既に様々な影響が子どもたちにある中で、例えば感染症と向き合うのも大切ですが、マスクが発育に及ぼす影響というのもまだ論文上でもあまりわかっていない部分もあって、子どもたちのマスク着用というのをどうお考えになってますか。森内浩幸教授:マスクにしても、行事の中止にしても、色々な感染予防対策には必ず副作用というのが出てきます。マスクにもやっぱり副作用がある。呼吸が苦しくなったり、熱中症のリスクを高めたり、そして表情を読み取ることが苦手になる。さらには、自分の素顔を人に見せることが怖くなってしまうというふうなこと、色々なことが起こってしまう恐れがあるので、それがエビデンス(科学的な根拠)が出てからだと遅すぎるわけですから、その恐れがあることは極力、避けていくべきだろうと思います。■全数把握見直しの議論は“ナンセンス”?分かれる自治体の判断に医療現場は山形純菜キャスター:新型コロナウイルス感染者の「全数把握」見直しをめぐって、自治体で意見がわかれています。▼神奈川県 黒岩祐治知事(8月24日)「今の事務量から比べると、相当負担軽減につながると思う。歓迎して神奈川県でも採用したい」▼東京都 小池百合子知事(8月26日)「一人一人の患者さんを大事にするという観点からも、当面、発生届の取り扱いについては現在の運用を続けていく」ホランキャスター:自治体によっては全数把握の見直しについて様々な意見があるようですが、医療の現場の皆さんからすると、全数把握についてどうお考えでしょうか。森内浩幸教授:全数把握というのは流行のフェーズによってその意義が違ってきます。例えばまだ感染者がそれほど出ていない、海外からの持ち込みを防がないといけない、市中感染を少しでも封じ込めないといけない。そういうときには全数把握してできるだけ色々な遺伝子の検査も行い、接触者も全員検査をしていき、そして長めに隔離をする。そういう対策が必要になってきます。ところがもう流行の極期になってしまうと、まず全数把握はそもそもあてにならない、今の陽性率とかいろんなことを考えると今出ている数字で本当に捉えているとはとても保証ができないと思います。なまじそういう数字が1人歩きして安心してしまうことで、むしろ感染の拡大に繋がる恐れもあると思います。なので、全数把握をするとかしないという議論がそもそもナンセンスで、本来は流行のどういうフェーズであれば全数把握をする、流行のフェーズがこのようになったら一旦やめるなどを決めるべきです。今はやめるべきときだと思いますけど、このあと流行が収まってまた次の流行が起こりそうになるそのフェーズになったら、全数把握の意義というのはまた出てくると思います。国がそういう基準を定めた上で、それぞれの自治体でいま自分のところはどのフェーズにあるということを判断して動く、つまり、国はきちんと基準を全国一律に示すべきではあるんですけれども、地域によってもし実情が違うのであれば、そこの運用というものは変えるところがあると思います。ただ大事なことは、流行のフェーズによってそこは使い分けるということだと思います。
一部の学校で新学期が始まり、今後子どもの感染拡大が懸念されています。そんな中、新型コロナと共に大流行している感染症が「手足口病」です。初期症状が【発熱】のため、「新型コロナ」との見分けが難しいとされ、中には、「新型コロナ」と「手足口病」に同時感染している事例も…楽しみな新学期、子どもたちは、どんなことに注意すればいいのか、専門家に聞きました。
【写真を見る】すでに“警報レベル!”全国各地で、子どもたちが感染する「手足口病」。患者数は去年の10倍!新型コロナと同時に感染も…■「手足口病」大流行 患者数は去年の10倍に新型コロナと同時感染も山形純菜キャスター:まずは東京の感染状況から見ていきます。

【8月19日~25日までの1週間の年代別感染者】▼70代以上:7.1%▼60代:6.1%▼50代:13.7%▼40代:17.6%▼30代:17.6%▼20代:18.9%▼10代:9.8%▼10歳未満:9.3%10歳未満と10代を合わせると19.1%と、多くの子どもたちが感染しているのがわかります。都内の一部の学校では既に新学期が始まっており、子供たちの感染拡大も懸念されるんですが、今、他の感染症も流行しているんです。それが手足口病です。子どもたちを中心に夏に流行する感染症なんですが、8月26日現在、少なくとも15都道県で「警報レベル」が出ていて、注意を呼びかけています。【手足口病のおもな症状】▼手足や口などに2~3mmの発疹▼発熱や喉の痛み▼まれに髄膜炎や脳炎などを引き起こすなど警報レベルが出てるということですが、どれぐらい流行しているのか。東京・杉並区「たむらクリニック」の多村幸之進院長に伺ったところ、「患者数は去年の10倍ほどでまさに大流行。『手足口病』の初期症状も発熱なので、『新型コロナ』との見極めが難しい」ということなんです。大流行している手足口病ですが、こんな事例も出ています。神奈川県に住む1歳の女の子が、「新型コロナ」と「手足口病」同時に感染しました。母親は、(娘が)40度ぐらいの高熱が出たところから様子がおかしいことに気づき、医療機関を受診すると、同時に感染していたことがわかりました。1歳の女の子は数日で回復はしたんですが、当時は口の中の発疹が痛み、水分補給もままならない状態だったといいます。その後、看病にあたっていた母親自身も手足口病に感染しました。こういった感染症から身を守るために、新学期で注意したいことを長崎大学大学院の森内浩幸教授に伺いました。▼症状がある人は学校を休む学校などで一気に多くの人へ感染を広げない。▼地域の流行状況を把握高齢者へ感染させないなど、子どもに対しリスクを教える。ホラン千秋キャスター:新学期が始まると生活リズムが元に戻るというところがあると思うんですが、新型コロナウイルス以外にも気をつけなければならない感染症など、お子さんは特にあるようですね。長崎大学大学院 森内浩幸教授:子どもにとっては新型コロナも手足口病も「大部分は軽くで済むけれども、重くなるときは重くなる」ということなので、区別することなく感染症対策は必要だと思います。ただ、過度な対策を行うと、子どもたちの心の発達や健康にも悪影響が出てしまうので、換気を良くするとか、マスクを屋内では着用するなどの対策も併せて行うということも大事ですが、なによりも何らかの症状がある人が家にとどまるということはとても大事なことだと思います。井上貴博キャスター:もう既に様々な影響が子どもたちにある中で、例えば感染症と向き合うのも大切ですが、マスクが発育に及ぼす影響というのもまだ論文上でもあまりわかっていない部分もあって、子どもたちのマスク着用というのをどうお考えになってますか。森内浩幸教授:マスクにしても、行事の中止にしても、色々な感染予防対策には必ず副作用というのが出てきます。マスクにもやっぱり副作用がある。呼吸が苦しくなったり、熱中症のリスクを高めたり、そして表情を読み取ることが苦手になる。さらには、自分の素顔を人に見せることが怖くなってしまうというふうなこと、色々なことが起こってしまう恐れがあるので、それがエビデンス(科学的な根拠)が出てからだと遅すぎるわけですから、その恐れがあることは極力、避けていくべきだろうと思います。■全数把握見直しの議論は“ナンセンス”?分かれる自治体の判断に医療現場は山形純菜キャスター:新型コロナウイルス感染者の「全数把握」見直しをめぐって、自治体で意見がわかれています。▼神奈川県 黒岩祐治知事(8月24日)「今の事務量から比べると、相当負担軽減につながると思う。歓迎して神奈川県でも採用したい」▼東京都 小池百合子知事(8月26日)「一人一人の患者さんを大事にするという観点からも、当面、発生届の取り扱いについては現在の運用を続けていく」ホランキャスター:自治体によっては全数把握の見直しについて様々な意見があるようですが、医療の現場の皆さんからすると、全数把握についてどうお考えでしょうか。森内浩幸教授:全数把握というのは流行のフェーズによってその意義が違ってきます。例えばまだ感染者がそれほど出ていない、海外からの持ち込みを防がないといけない、市中感染を少しでも封じ込めないといけない。そういうときには全数把握してできるだけ色々な遺伝子の検査も行い、接触者も全員検査をしていき、そして長めに隔離をする。そういう対策が必要になってきます。ところがもう流行の極期になってしまうと、まず全数把握はそもそもあてにならない、今の陽性率とかいろんなことを考えると今出ている数字で本当に捉えているとはとても保証ができないと思います。なまじそういう数字が1人歩きして安心してしまうことで、むしろ感染の拡大に繋がる恐れもあると思います。なので、全数把握をするとかしないという議論がそもそもナンセンスで、本来は流行のどういうフェーズであれば全数把握をする、流行のフェーズがこのようになったら一旦やめるなどを決めるべきです。今はやめるべきときだと思いますけど、このあと流行が収まってまた次の流行が起こりそうになるそのフェーズになったら、全数把握の意義というのはまた出てくると思います。国がそういう基準を定めた上で、それぞれの自治体でいま自分のところはどのフェーズにあるということを判断して動く、つまり、国はきちんと基準を全国一律に示すべきではあるんですけれども、地域によってもし実情が違うのであれば、そこの運用というものは変えるところがあると思います。ただ大事なことは、流行のフェーズによってそこは使い分けるということだと思います。
山形純菜キャスター:まずは東京の感染状況から見ていきます。
【8月19日~25日までの1週間の年代別感染者】▼70代以上:7.1%▼60代:6.1%▼50代:13.7%▼40代:17.6%▼30代:17.6%▼20代:18.9%▼10代:9.8%▼10歳未満:9.3%
10歳未満と10代を合わせると19.1%と、多くの子どもたちが感染しているのがわかります。都内の一部の学校では既に新学期が始まっており、子供たちの感染拡大も懸念されるんですが、今、他の感染症も流行しているんです。それが手足口病です。
子どもたちを中心に夏に流行する感染症なんですが、8月26日現在、少なくとも15都道県で「警報レベル」が出ていて、注意を呼びかけています。
【手足口病のおもな症状】▼手足や口などに2~3mmの発疹▼発熱や喉の痛み▼まれに髄膜炎や脳炎などを引き起こすなど
警報レベルが出てるということですが、どれぐらい流行しているのか。東京・杉並区「たむらクリニック」の多村幸之進院長に伺ったところ、「患者数は去年の10倍ほどでまさに大流行。『手足口病』の初期症状も発熱なので、『新型コロナ』との見極めが難しい」ということなんです。
大流行している手足口病ですが、こんな事例も出ています。神奈川県に住む1歳の女の子が、「新型コロナ」と「手足口病」同時に感染しました。母親は、(娘が)40度ぐらいの高熱が出たところから様子がおかしいことに気づき、医療機関を受診すると、同時に感染していたことがわかりました。1歳の女の子は数日で回復はしたんですが、当時は口の中の発疹が痛み、水分補給もままならない状態だったといいます。その後、看病にあたっていた母親自身も手足口病に感染しました。
こういった感染症から身を守るために、新学期で注意したいことを長崎大学大学院の森内浩幸教授に伺いました。
▼症状がある人は学校を休む学校などで一気に多くの人へ感染を広げない。
▼地域の流行状況を把握高齢者へ感染させないなど、子どもに対しリスクを教える。
ホラン千秋キャスター:新学期が始まると生活リズムが元に戻るというところがあると思うんですが、新型コロナウイルス以外にも気をつけなければならない感染症など、お子さんは特にあるようですね。
長崎大学大学院 森内浩幸教授:子どもにとっては新型コロナも手足口病も「大部分は軽くで済むけれども、重くなるときは重くなる」ということなので、区別することなく感染症対策は必要だと思います。ただ、過度な対策を行うと、子どもたちの心の発達や健康にも悪影響が出てしまうので、換気を良くするとか、マスクを屋内では着用するなどの対策も併せて行うということも大事ですが、なによりも何らかの症状がある人が家にとどまるということはとても大事なことだと思います。
井上貴博キャスター:もう既に様々な影響が子どもたちにある中で、例えば感染症と向き合うのも大切ですが、マスクが発育に及ぼす影響というのもまだ論文上でもあまりわかっていない部分もあって、子どもたちのマスク着用というのをどうお考えになってますか。
森内浩幸教授:マスクにしても、行事の中止にしても、色々な感染予防対策には必ず副作用というのが出てきます。マスクにもやっぱり副作用がある。呼吸が苦しくなったり、熱中症のリスクを高めたり、そして表情を読み取ることが苦手になる。さらには、自分の素顔を人に見せることが怖くなってしまうというふうなこと、色々なことが起こってしまう恐れがあるので、それがエビデンス(科学的な根拠)が出てからだと遅すぎるわけですから、その恐れがあることは極力、避けていくべきだろうと思います。
山形純菜キャスター:新型コロナウイルス感染者の「全数把握」見直しをめぐって、自治体で意見がわかれています。
▼神奈川県 黒岩祐治知事(8月24日)「今の事務量から比べると、相当負担軽減につながると思う。歓迎して神奈川県でも採用したい」
▼東京都 小池百合子知事(8月26日)「一人一人の患者さんを大事にするという観点からも、当面、発生届の取り扱いについては現在の運用を続けていく」
ホランキャスター:自治体によっては全数把握の見直しについて様々な意見があるようですが、医療の現場の皆さんからすると、全数把握についてどうお考えでしょうか。
森内浩幸教授:全数把握というのは流行のフェーズによってその意義が違ってきます。例えばまだ感染者がそれほど出ていない、海外からの持ち込みを防がないといけない、市中感染を少しでも封じ込めないといけない。そういうときには全数把握してできるだけ色々な遺伝子の検査も行い、接触者も全員検査をしていき、そして長めに隔離をする。そういう対策が必要になってきます。
ところがもう流行の極期になってしまうと、まず全数把握はそもそもあてにならない、今の陽性率とかいろんなことを考えると今出ている数字で本当に捉えているとはとても保証ができないと思います。なまじそういう数字が1人歩きして安心してしまうことで、むしろ感染の拡大に繋がる恐れもあると思います。
なので、全数把握をするとかしないという議論がそもそもナンセンスで、本来は流行のどういうフェーズであれば全数把握をする、流行のフェーズがこのようになったら一旦やめるなどを決めるべきです。今はやめるべきときだと思いますけど、このあと流行が収まってまた次の流行が起こりそうになるそのフェーズになったら、全数把握の意義というのはまた出てくると思います。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。