公明・山口那津男代表が退任表明 15年ぶり交代へ

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公明党の山口那津男代表(72)は10日、国会内で記者会見し、18日告示の党代表選に立候補せず、代表を退任する意向を表明した。後任を選ぶ代表選には石井啓一幹事長(66)が出馬する方向で最終調整している。代表交代は15年ぶり。自民党の岸田文雄総裁(首相)も総裁選不出馬を表明しており、与党の両トップが月内に交代する。
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山口氏は「政治の世界に世代交代の波が押し寄せている。60歳代以下の世代で次の政治がつかさどられていくことは明白で、齢(よわい)70を超えた私としては次の世代にバトンを譲るべきだと決断した」と語った。
岸田首相の退陣表明について「自分が総裁選に出ないことで刷新を図ろうという決断には、私も突き動かされるものを感じた」と述べ、自身の決断に影響したことを示唆した。15年に及んだ任期中に「後進の育成を進めてきた」とし、党内の世代交代が図られたことも理由に挙げた。
山口氏は2009年、衆院選敗北と下野を受けて辞任した太田昭宏前代表の後を継いで代表就任。現在8期目で、公明が再結党した1998年以降で過去最長の記録を更新していた。
会見では13年に訪中し、習近平国家主席(当時は総書記)と会談したことに触れ、「日中関係が危機にひんする中で対話の糸口をつかんだ。忘れられない出来事の一つ」と語った。15年に成立した安全保障関連法については「今日の日本の安全保障を担い、歯止めもかける非常に大きな取り組みだった」と振り返った。
石井氏以外に代表選出馬の動きはなく、28日の党大会で承認される見通し。幹事長の後任には西田実仁選対委員長(62)を起用する方向で調整している。【野間口陽】

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