80代男性が高速道路を「33kmの大逆走」正面衝突寸前の場面も…「自分が正しいと思い込む」専門家が逆走の理由を分析

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相次ぐ高速道路での逆走。8月30日に、愛知・岐阜・三重を結ぶ東海環状道で起きたのは、実に30km以上に渡る逆走でした。
なぜこれほど長距離の逆走が起こったのか?「めざまし8」が入手した映像と現場取材で、“ある要因”が見えてきました。
高速道路を走行するドライブレコーダーの映像。突然、前方から白い軽トラックが猛スピードで走ってきます。
追い越し車線を走っていた車と、あわや正面衝突寸前!
逆走してきた軽トラックは、急ハンドルを切ると撮影者の車とぶつかりそうになりながら走り抜けていきました。
さらに、別の場所に設置されたNEXCO中日本のカメラにも、走行する車と正面衝突しそうになりながら、逆走を続ける軽トラックの姿が…。
撮影者:逆走車が来たときは、とにかく「やば」って思ったのと、(運転していたのは)おじいさんだったみたいですけど。(事故にならなかったのは)本当に運が良かっただけですよね。
軽トラックはなぜ危険な逆走をしたのか?NEXCO中日本の高速道路ドライブアドバイザーの林修平氏と、逆走現場を取材しました。
まず訪れたのは、軽トラックが逆走を始めた静岡方面と名古屋方面に分岐する地点。
定点カメラを見ると、白の軽トラックは分岐を静岡方面に進んだところで停止。その後、岐阜方面に向かってUターンをしたのです。
その後、中央分離帯を挟んで反対車線を走る車とほぼ同じスピードで走行する様子や、追い越し車線を緩やかに逆走する様子も捉えられていました。
トンネル内ではしっかりとライトをつけて走っていた軽トラック。
トンネル内で逆走車に遭遇した車のドライブレコーダーを見ると、前方のトラックが急に減速し左車線に寄った瞬間、目の前にライトをつけ逆走する軽トラックが迫ってくる様子が映っていました。
トンネル内で逆走車に遭遇した運転手:いきなりトラックがスッと避けたと思ったら、いきなり来たみたいな感じだったので。逆走車は警戒はしていたんですけど、まさか結構なスピードでつっきってくるように走ってきたので、なんかものすごく恐怖を感じましたね。
豊田東JCTから逆走した軽トラックは、その後、岐阜県土岐市にある土岐南多治見インター手前で、駆け付けた警察官に確保されました。
逆走した距離は約33km。時間にして約26分間。警察によると、軽トラックを運転していたのは80代の男性で、けがなどはなく、逆走による事故もなかったということです。
軽トラックが逆走を始めた、静岡と名古屋、三重方面に分岐する場所を見て、NEXCO中日本の林氏は設置された「案内指標」が理由の一つではないかと指摘します。
NEXCO中日本 林修平氏:(案内指標の表記が)静岡ですとか四日市ということで、この辺りを走る方からするとかなり遠方の地名になっていますので、それを見た瞬間に自分自身が「あれ?これ行きたい方向じゃないな」というふうに思ってしまったというところが、この逆走の要因として考えられるかなと思います。
標識を見て混乱し、思わずUターンしてしまったのでしょうか。さらに、約33kmという長距離の逆走については…。
NEXCO中日本 林修平氏:80km/hぐらいのスピードで走っていたのかなと思います。ひやひやする場面がありましたので、本来であればそこでおかしいな?と思うはずが、今回は走り続けてしまっているっていうのが、“自分が正しい方向に走っている”というふうに思い込んでしまうということで、これがやはり逆走の非常に怖いところですよね。(めざまし8 9月4日放送)

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