サッカー界に再び激震–。日本代表としてアジアカップにも出場した佐野海舟選手（23）が東京都内のホテルで女性に性的暴行を働いたとして警視庁に逮捕されていたことが7月17日わかった。岡山県出身の佐野選手は鳥取県の米子北高からFC町田ゼルビア、鹿島アントラーズとJリーグの強豪でボランチとして実力を伸ばし、この7月4日付けでドイツのブンデスリーガ1部1.FSVマインツ05への完全移籍が決まったばかり。将来有望なミッドフィールダーが起こした“場外乱闘”の余波は当分収まりそうもない。
〈画像あり〉佐野容疑者が知人男性、被害女性とともに訪れた湯島のホテル。スイートルームには露天風呂付の部屋やパーティー向けの部屋もあった
警視庁が今月14日に不同意性交の容疑で逮捕したのは佐野容疑者ら男3人。佐野容疑者と知人の男2人は同日午前２時から４時ごろにかけて、文京区湯島のホテルの一室で30代の女性を襲って性的暴行を加えた疑い。佐野容疑者ら3人はこの女性を含めた女性2人と計5人で前日の13日夜から六本木の飲食店で会食後、全員で同ホテルに移動。女性1人が14日午前２時ごろに帰宅した後、3人で犯行に及んだとみられる。被害女性が同午前４時すぎにホテルから110番通報、急行した警官が現場近くの路上にいた3人を確保し、同日中に通常逮捕した。
「5人は六本木の飲食店で合コンした後、文京区湯島のパーティールームがあるホテルに移動して飲み直したようです。被害女性のA子さんは途中帰宅したB子さんに誘われてこの会に参加していた。佐野容疑者の共犯2人はサッカー関係者ではないようですね。警視庁は男3人を発見後、周辺の防犯カメラ映像などを確認して容疑を固めたうえで通常逮捕していますが、認否は明らかにしていません」（警視庁担当記者）
犯行に使われたのはビジネスから家族旅行まで幅広く使えるホテルで、最安値の部屋であれば1万円前後で宿泊できるため人気を博し、事件が発覚した17日にも海外からの旅行者が大勢泊まっていた。ホテルは瀟洒なデザインで、ホームページを見るとスイートルームには露天風呂付きの部屋などパーティー向きの部屋もあった。現場は上野の歓楽街の一角で、飲食店やカラオケのほかにもクラブやスナックなど多くの飲食店がひしめきあっている。
取材に訪れると、ホテル関係者は迷惑そうに記者を追い払おうとこう言った。「実際に何があったかなんて知らない。ただ昨日も警察がきてずっと捜査協力をしている。警察やサッカーチームに聞いてくれ」
佐野容疑者は契約したばかりのマインツの練習に21日から合流する予定だったが、自らの愚行でそのチャンスも不意にしてしまうのか。息子が幼なじみだという岡山県在住の男性は残念そうにこう語った。
「海舟は小さい頃からものすごくいい子だったのでとてもショックです。真面目で誠実だった彼がそんなことをするなんて想像できないです。あんなにサッカーを頑張っていたのに。海舟の家は昔から地元で有名なスポーツ一家で、お祖父さんはスキーの指導者、お父さんは地元のサッカーのクラブチームの監督です。海舟は小学校低学年の頃にお母さんが急にいなくなって大変な思いをしてきたはずです。でも、それをバネに弟の航大(オランダのプロ1部・NECナイメヘン所属)と一緒に兄弟でサッカーを頑張っている姿を見て、強い子たちだなぁと感心していました。サッカーが上手なだけでなく、祖父と父から厳しく育てられていたので、小さい頃から挨拶もちゃんとできていたし、礼儀正しい子でした」
中学時代までを地元の岡山県津山市で過ごし、高校は鳥取県の強豪、米子北高に進学、100人以上いるチームのキャプテンをつとめ、インターハイでは優秀選手にも選ばれた。男性が続ける。
「中学生の頃まではサッカー一筋という感じでモテている印象はなかったけど、ずっとみんなの人気者でした。高校に入ってからは彼女もできたと聞いたことはあります。地元愛や友達の絆を大事にする子で、高校進学後やプロに入ってからもよく地元に帰ってきて友達と大人数で遊びに行っては、全員分おごってあげるなど、大盤振る舞いしていました。昨年の暮れには中学時代の同窓会を海舟が企画していたのですが結局、日本代表入りが決まって当日来れなくなったみたいです」
昨年、女性ファッション雑誌のインタビューで、最強のデートプランを問われこう答えている。「“最強”なんて言えるデートプランは知らないですね…素敵なスポットの情報は読者さんのほうが詳しいと思います。僕は黙って車を運転するので、行きたい場所をリクエストしてほしいです」はたして、被害女性はホテルをリクエストしたのだろうか。サッカーファンや地元の心配は続く。
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取材・文 集英社オンラインニュース班