【清水 芽々】24歳女性が訴える「承認欲求モンスター」実母の「ヤバすぎる行動」…「私は、母の嘘によって”不純異性交遊に明け暮れる中学生”に仕立て上げられました」

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昨年の9月にこども家庭庁が公表したデータによると、最新(令和5年度)の「児童虐待件数」は21万9170件で、前年度より1万1510件増加。過去最多を更新している。
虐待の内容としては、身体的虐待が23.6%を占める一方で、心理的虐待が全体の59.1%とトップとなっている。
そんな虐待の中で近年注目されているのが、「代理ミュンヒハウゼン症候群」である。
これは子どもをわざと傷つけて、熱心に看護するふりをして周囲の注目を集めようとする精神疾患のことで、実際、2010年に京都市内の病院で母親が3人の我が子の点滴に水道水を混ぜて死傷させた事例や、2020年に母親が生後2ヵ月の長男に血液を飲ませて嘔吐させたり、口をふさいで呼吸を一時停止させた事例も発生している。
いずれも始まりは、「周りから注目されたい」「不運に立ち向かう健気な母親だと思われたい」という、母親の承認欲求が引き起こした虐待だった。
「私の母が『代理ミュンヒハウゼン症候群』だと知ったのは中学生の時です。相談相手だったスクールカウンセラーから聞かされて知りました」
そう話すのは、福祉関係の仕事に就いている岡部百合香さん(仮名・24歳、以下同)である。
百合香さんは中学生時代、校内では「万引きの常習犯」で「不純異性交遊に明け暮れて」おり、さらに「家庭内暴力も振るう」有名な問題生徒だったという。
「でも、それ全部ウソなんです。母がすべて話をでっちあげて学校や警察に通報したのです」
百合香さんはこれまでの壮絶な母娘関係について語ってくれた。
「私の幼少期の記憶は、“痛い”と“苦しい”ものばかりです。母から階段から突き落とされて入院したり、変な味のするものを飲まされて腹痛を起こして入院したり、そんなものばかりしかありません。母は昔から虚言癖のようなものがあって、私がいかにダメな娘で、そのために自分がいかに苦労をしているかを周りに吹聴して回る人でした。
確かに10代で私を産み、20代前半で離婚して以来、女手ひとつで苦労していたとは思いますが、そういったこととは関係なく、周りの同情を集めるために作り話していた感じでした。
例えば、私が小学校5年生で初潮を迎えると、『出血の量がひどいので毎月血まみれになった下着や布団を買い替えなければならない』とか、『貧血にならないように鉄分の多いメニューを工夫して作っているけど、娘は偏食が激しくてほとんど手をつけてくれない』といった感じです」
話を聞かされた近隣住民や同級生の母親、教師らは「大変ねえ」「よくやってるわねえ」と母親を労ったり、気遣ったり、褒め称えたりしていたという。しかし、
「全てがでまかせなんです。私は生理が重かったことはないし、経血で下着や布団を汚したこともありません。好き嫌いもありません。そもそも母の手料理を食べたことがほとんどなかったのです。
他にも私が学校でイジメをしているとか、隠れてお酒を飲んだりタバコを吸ったりしているとまで言って、私を『手に負えない非行少女』に仕立てあげることで『子育てに苦労する母親』を演じて、世間の関心を集めていたのです」
あまりにも理解不能な母親の言動に、百合香さんは「お母さんは何でそういうでたらめばかり言いふらすの!?」と何度も責め立てたそうだが、母親は「そんなのどうでもいいじゃない」と平然と答えていたという。そして百合子さんが小学校高学年になると、
「私に生理が始まると、どこかで買ってきた避妊具やスケスケのヒモのような下着を自分のママ友たちに見せて回るようになり、『百合香のバッグにこれが入っていたの』と言って、自分かいかに悩んでいるかをアピールするようになりました」
<私のお母さんは頭がおかしい>
そう考えた百合香さんは母親を無視することに決めたそうだが、中学校に進学すると母親はPTA役員に立候補し、学校や警察を巻き込んで異常行動を起こすようになる――。
後編「「母は自分で自分を殴って“家庭内暴力の被害者”になりました」…PTA役員だった「嘘つき母」の失踪と、「生き別れていた父親」を探し出して聞いた「意外な真実」」に続きます。
「母は自分で自分を殴って“家庭内暴力の被害者”になりました」…PTA役員だった「嘘つき母」の失踪と、「生き別れていた父親」を探し出して聞いた「意外な真実」

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