〈「(好きな女性の)タイプですか」「いいと思う人はいます」秋篠宮さまが語っていた“大胆発言”とは? 19歳で紀子さまと“運命的な出会い”を…〉から続く
9月6日に19歳の誕生日を迎え、当日に成年式を行った秋篠宮家の長男、悠仁さま。成年皇族として、お出ましの場が増えるとともに、新たな一面も見られるように。友人らの“証言”から見えた悠仁さまの素顔とは? 秋篠宮さまの貴重な肉声をつづった『秋篠宮』(2022年/小学館)などの著書をもつ、ジャーナリストの江森敬治氏が寄稿した。(全3回の3回目/はじめから読む)
【画像】眞子さんを見つめる紀子さまの“険しいご表情”
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9月16日、悠仁さまは佳子さまと2人で国立競技場を訪れ、「世界陸上」を観戦した。お二人で公的な活動に臨むのは、約6年ぶりのことだった。
黒のジャケット姿の悠仁さまは、ドット柄の白いワンピース姿の佳子さまと共に、午後9時ごろ、貴賓席に到着した。男子走り高跳びや男子400メートルなどを熱心に観戦し、選手たちに盛んに拍手を送っていた。佳子さまが悠仁さまに話しかけるなど、仲睦まじい様子だった。
「世界陸上」を観戦される佳子さまと悠仁さま 時事通信社
23日には皇居・宮中三殿で営まれた「秋季皇霊祭の儀」と「秋季神殿祭の儀」に出席。また24日、大阪・関西万博の会場を一人で訪れ、日本館などを視察した。25日には秋篠宮さまと合流して、オランダ館やタイ館などを見て回っている。

「大学入学後も学生生活中心の日々を送っています。在学中は学業優先になると思いますが、成年式を終え、これから成年の皇族として、宮中の行事や祭祀、公的な仕事に携わるようになります」
「いまは大学生として学業に取り組む傍ら、多様な経験をしながら視野を広げる機会を積極的に持ってほしいと思います」

9月11日、59歳の誕生日を迎えた紀子さまは、誕生日文書の中で、今後の悠仁さまの公的な活動の進め方などについて、このように綴っている。大学時代は、学業が優先とはいえ、悠仁さまの活躍の場はますます増えてくるのではなかろうか。
学業とのバランスを取りながら、公的な活動をどう効果的に展開するか。悠仁さまと秋篠宮ご夫妻、それに、宮内庁幹部らによる調整や相談が頻繁に行われることになるかもしれない。
「3年いろいろなことを共有してきて、本当に親友の一人としか思えない」
「普通の高校生なんだなって気付いたし、すごい大事な友達です」
成年式にあわせて放送された、日本テレビの『真相報道 バンキシャ!』の特集で、悠仁さまの高校時代の同級生たちがこのように語っていた。家族以外で、悠仁さまの素顔を間近でよく知る友人たちの、とても貴重な証言だった。
番組の中では、東京・上野公園をピクニックして、テイクアウトした海鮮丼を悠仁さまと一緒に食べたり、カフェやファストフード店、映画館、カラオケも楽しんだ……というエピソードを紹介。歴代の天皇の名前を言っていく山手線ゲームをやったときは、悠仁さまは負け知らずで、「めっちゃ無双していました」と、友人らは驚いていた。

同級生たちは、秋篠宮邸のある赤坂御用地に招待されて、悠仁さまから「ここでトンボをとったんだよ」などと説明を受けたとも明かしている。筆者は、悠仁さまが10歳の時に、秋篠宮さまが、このように話していたことを思い出した。
「今、一番、関心のあるのはトンボでしょうね」
悠仁さまは幼少期より昆虫が好きで、中でもトンボがお気に入りだった。御用地に生息しているトンボの種類を、父親に説明してみせることもあったという。
友人たちの前でも、そうした変わらぬ素顔をみせているのだと、感慨深いものがあった。
また、8月末にNHKで放送された『成年式へ 素顔の悠仁さま』では、高校の同級生が「(悠仁さまは)『ひいちゃん』とか、『ひいくん』とか呼ばれていました」と証言。さらに、別の同級生は、悠仁さまが自分の置かれている立場について説明してくれたという、次のようなエピソードを紹介していた。
「皇族として自分の自由が制限されることもあると思うのでそれが嫌にならないのかというのを失礼ながら聞いてみたら、少し悠仁さまも考えてから、『そういう制限があるけれども貴重な体験ができたりするんだ』とおっしゃっていて、大人びている感じがしましたし、自分がそういう立場で公務をしていくのも受け入れられている感じがしました」

このエピソードを知って筆者は悠仁さまの次のような発言を思い出した。
「長所は興味のあることを徹底して追求することができるところだと思います。言い換えると、心惹かれるものに対して没頭できるということです。たとえば夏の休日に、お昼過ぎから林のなかや池のまわりでトンボを観察していますと、気が付いたら日が暮れてしまっていた、ということもよくありました。ただこれは、見方を変えてみますと、短所と捉えることもできます。それは時としてこだわりを持ちすぎてしまうということです」(2025年3月3日 悠仁さまの成年会見より)
悠仁さまは、自分の長所について、「心惹かれるものに対して没頭できる」ことと、素直に答えたが続けて、「ただこれは、見方を変えてみますと、短所と捉えることもできます。それは時としてこだわりを持ちすぎてしまうということです」とも、付け加えていた。
物事をプラスとマイナス、あるいは、メリットとデメリットという、両面から見て、より客観的に、より慎重に対処しようとする姿勢が悠仁さまの持ち味である。皇族として自由が制限されることもあるけれども、「貴重な体験ができたりする」点は長所でもある――悠仁さまは冷静に自分の立場を理解していて、とても頼もしく感じられた。

18歳が成年となり、選挙権が得られる年齢は、これまでの「20歳以上」から、「18歳以上」に引き下げられた。しかし、悠仁さまには選挙権はない。これからの人生でも国政選挙や東京都知事選挙の際、投票所に足を運ぶことはないだろう。
悠仁さまには職業選択の自由もない。憲法が国民に保障する居住、移転、外国移住、国籍離脱の自由もない。表現の自由や言論の自由も一般国民ほどはないかもしれない。
こう考えると、先ほどの話にある皇族として貴重な体験を味わうことができる反面、悠仁さまはかなり窮屈な日々を送らなければならないのだ。

悠仁さまの将来を考えると、今よりも注目され、警備もさらに厳重になる可能性が高い。高校時代のように、仲間と屋外で海鮮丼を食べたり、カフェやファストフード店、映画館に出掛けたり、カラオケを楽しんだりすることは難しくなるだろう。
お茶の水女子大学附属幼稚園から附属小学校、附属中学校、さらには、筑波大学附属高校での日々は、かなり自由を味わえる時間であり、空間であったと思う。そして、大学生活もまた、その延長にあると思う。
「普通の高校生だったと知って、ホッとしました」と話す知人が、私の周囲には多い。これからも国民に、飾ることのないありのままの悠仁さまを、たくさん見せてほしい。素顔の悠仁さまのさりげない一言、一言が人々の心に残るはずだ。
(江森 敬治)