北九州市の病院で劇薬を希釈せずに投与された患者がその後、死亡した問題で、病院側は、看護師が投与した劇薬が指示された濃度の16倍を超えていたと説明しました。■済生会八幡総合病院・古森公浩 病院長「ご迷惑、ご心配をおかけして、誠に申し訳ありませんでした。」北九州市八幡西区の済生会八幡総合病院によりますと、ことし3月、血圧が低下した90代の女性患者に対し、本来は希釈が必要な劇薬「ノルアドレナリン」を看護師が誤って、そのまま投与しました。

主治医は別の患者の手術中だったため、看護師に希釈して投与することを指示しましたが、看護師は希釈せず指示の16倍を超える濃度で投与したということです。
女性患者は投与後、心拍数や血圧が急激に上昇し、一時、呼吸が停止しました。その後、容体は安定しましたが、投与からおよそ4時間40分後に死亡したということです。病院側は投与に誤りがあったことは認めましたが、女性患者の入院中の経過や検査結果などを鑑みた上で「投与ミスが直接的な死因ではない」と判断し、国の「医療事故調査制度」に基づく報告は行っていないということです。