自民党は9月2日、党本部で参院選総括委員会を開き、7月の参院選の敗因を分析した文書を取りまとめた。その敗因として挙げられたのが物価高対策や「政治とカネ」の問題だ。そして党勢の回復に向けて「解党的出直しに取り組む」と書き込んだ。
【画像】参院選で躍進…参政党の神谷代表と妻の神谷ふみ氏

ただ、自民党が議席を減らした背景には、“日本人ファースト”を掲げ、全国を熱狂の渦に巻き込んだ神谷宗幣代表率いる参政党の躍進がある。参院選において、地方の自民党支持層を取り込んでおり、党内では、とりわけ保守派の危機感が強いという。
そこで、安倍晋三内閣時代の2016~2017年に防衛大臣を務めた稲田朋美衆院議員に参院選の敗因を聞くと、こう答えた。
「結党以来、国民に安心感を与えるのが自民党の強みでしたが、『何をしたい党かわからない』と言われるようになってしまった」
参院選の敗因を語った稲田議員 時事通信社
そして参政党の躍進については、こう分析する。
「一つは党首のカリスマ性。発言の内容がわかりやすく、発信の仕方も戦略的でした。加えて、毎月10万円の給付や消費税廃止など実現不可能で無責任な政策が一部の有権者に刺さったのでしょう」

9月3日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および9月4日(木)発売の「週刊文春」では、JICAのホームタウン認定を巡り役場に殺到した抗議の中身、有村治子議員が語る参院選の敗因、元側近たちが語る神谷氏の思想の背景、各地で開かれている参政党ワークショップの潜入記、ポピュリズム研究の世界的権威が語る参政党と欧米の極右政党との類似などについて詳報している。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年9月11日号)