大阪・関西万博会場最寄りの夢洲駅がある大阪メトロ中央線が2025年8月13日夜、送電線の不具合により一時全線で運転を見合わせた。
万博会場では大勢の帰宅困難者が出る事態となったものの、SNSでは「オールナイト万博」を楽しむ来場者の書き込みも相次いだ。
大阪メトロ中央線は、13日21時半すぎに運転を見合わせ、全線で運転が再開されたのは午前5時過ぎだった。帰宅手段を失った人のために、万博会場では、希望者を対象として再入場の措置が取られた。
大阪府知事の吉村洋文氏は、Xで「まず、このような状態になっていますことを心からお詫び申し上げます」と謝罪した上で対応について「現在の時刻、会場内の状況から判断して、災害時と同様の対応を取るべきと考えます。少しでも快適に過ごして頂けるように、まずは、大阪ヘルスケアパビリオンを開放いたします」と発表していた。
非常事態に、Xでは「帰宅困難者」「オールナイト万博」「西ゲート」といった関連ワードがトレンド入りした。
万博公式Xのアナウンスによると、「NTTパビリオン」や「電力館 可能性のたまごたち」、「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」といった各パビリオンを休憩所として開放したほか、各国パビリオンでも夜間の開放を行った。
ポルトガル館は、「ポルトガル館はいつでも準備万端です–ドアを再オープンし、展示を再編成し、来訪者の方々をレッドカーペットでお迎えする準備が整っています」とアナウンス。スタッフらがダンスを披露し、ビールの販売も行った。
チェコ館は、「特別な機会ですので、展示エリアも開放することにいたしました。ウランガラスの真の美しさをご覧いただける貴重なチャンスです」として急きょ夜間の展示を開催。
朝を迎えた14日午前5時ごろには、「オールナイト万博の楽しみ - パビリオンの屋上で迎える日の出」とし、パビリオン屋上を開放した。
オランダ館では一部を開放したほか、来場者らに「ミッフィー」の耳を配布し「オールナイト万博」の夜を盛り上げた。
ナウル館公式Xは、「ワシらも万博から帰れなくなってその辺でゴロゴロしておるんじゃ 仕方ないのう」と投稿。「まだみんな万博から帰れんのう こういう非日常も楽しめばええんじゃ」とライトアップされた大屋根リングの写真を公開した。
シグネチャーパビリオン「null2(ヌルヌル)」を手掛ける研究者でメディアアーティストの落合陽一さんは「#null2 は今夜は夜通し輝いてることにしたので遊びにきてね」と呼びかけ。「遠隔起動パーリーナイト状態です」とし、遠隔操作で落合さん自らDJをつとめ、会場を盛り上げた。
万博会場のライブカメラではダンスや組体操といったパフォーマンスをする人の姿も見られるなど、非日常を楽しむユーザーらが多くいた。
SNSでは、「夢洲内に閉じ込められて野宿! どうなることかと思ったけど大好きなnull2を含めて色んなパビリオンが夜通し開けてくれて、オールナイト万博始まって、楽しい思い出になった! 特に朝日の感動は忘れられない」「訳あってこんな深夜に夢洲の万博会場に居ます。いや、電車止まったんですけどね おかげでこんな貴重な楽しいイベントに参戦 めっちゃ思い出になる」などとする来場者の投稿が上がった。
「オールナイト万博のシグネチャー付近のライブカメラ、めちゃくちゃ楽しそう」「オールナイト万博のライブ配信見に行ったらラジオ体操してて草」など、滅多にない機会をうらやむ声もある。