「助けて、殺される!!」──6月3日午後2時半過ぎ、東京都・中野区の路上で80代の女性が刃物で切り付けられた事件。被疑者の男と被害者は面識がなく、通り魔的犯行だったとみられている。
【写真】「ウワーーーーー!!!」叫び声が響き渡った事件発生時の現場防犯カメラ
大手紙社会部記者が解説する。
「3日午後3時前、中野区新井のマンションから『ナイフを持った男がいる』との通報があった。捜査関係者によれば、容疑者の男は自宅アパートの共用部に女性を引き込み、犯行に及んだということです。被害者は手にけがを負いましたが、軽症でした。
容疑者は犯行後、アパートの自室に戻っており、警察官が駆けつけたところ刃物を振り回し、その場で公務執行妨害の容疑で現行犯逮捕されました。また男は逮捕時、全裸だったということです」
現場となったのはJR中野駅から700メートルほど離れた住宅街。昼間は人通りの少ない、閑静な一角だ。
110番通報をした男性は取材にこう語る。
「私はいつも在宅勤務なので、普段どおり部屋にいました。2時半過ぎ、おばあちゃんの声で急に『助けてください』みたいなのが聞こえたので、助けに行こうかと思ってすぐに服を着替えたんです。
若い人が老人になんかちょっかいかけているのかと思っていたら、『助けてー!』『殺される!!』みたいな尋常じゃない叫び声が聞こえてきて。それで『これはヤバい』と思ってすぐに警察に電話したんです。道路のほうに様子を見に行ったら、通行人らしき人が3~4人いて、すでに犯人は姿をくらました後でした」
この男性は警察に通報していた時間があったためか、犯人らしき人物を目にしてはいなかったが、犯行の一幕を目撃した近隣住民もいた。
「2時45分頃ですかね、私はこの通りに面した部屋に住んでいるんですけど、男の『ウワーーー!!』って襲いかかるような声と、高齢の女性の『助けて!』『許して!』って声が聞こえて、これはただごとじゃないなって思って、下に降りてきたんです」
犯行現場は「あまりに恐ろしい」状況だった。
「住んでいるアパート1階の共用部のところで男と女性が揉み合いになっていて、もう男が馬乗りしているような状態でした。ある瞬間、周りにいて止めようとしていた男性が『あいつ、ナイフ持ってる!』と叫んで。情けないんですがもう怖くなって、咄嗟にその場から離れてしまいました。その後もしばらく遠くから様子を見ていたんですが、男は半裸で、右手にナイフを構えて道路をきょろきょろしていましたね。すごく恐ろしかったです……」
事件現場の目の前に住む60代男性もこう証言する。
「その時はちょうど昼寝をしようとしていたんだけど、急に『ヤバい、警察警察!』みたいな声が聞こえて。玄関からのぞいたら、痩せてヒゲ面の半裸になった男がいた。犯行は一部しか見ていないんだけど、すぐ警察が来て大騒ぎになってね。刺又(さすまた)持って対応してる人もいましたよ。ほんと物騒だよ」
この“裸男”はなぜ犯行に及んだのか──。警視庁は事件の経緯を詳しく調べている。
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