武庫川女子大(兵庫県西宮市)が2027年度から共学化されるとの発表を巡り、学生や卒業生らから反対や戸惑いの声が上がっている。
ネットでは共学化の一時停止を求める署名運動が始まり、大学にも問い合わせが寄せられている。
「メールで知らされてびっくりした。共学化には反対」と3年生の学生(20)は話す。「女子大ブランドがなくなるのはさみしいし、女子大ならではの居心地の良さがある。周りには女子大だから入った学生もいる」と残念がる。
学校法人「武庫川学院」は今月17日、同大学を共学化する方針を発表し、「優れた環境、教育、学術研究を女性に限定せず、広く性別、年齢にかかわらず開くべき」だと理由を説明した。7月28日の理事会で最終決定するとしている。
少子化で定員割れする女子大が相次ぐ中、武庫川女子大は全国最多の約1万人の学生を抱え、収容定員充足率は95%。共学化は驚きをもって受け止められた。
発表の当日、オンライン署名サイト「Change.org」では、2年後の共学化方針について反対し、中止や延期を求める署名運動がスタート。学生や卒業生らを交えた説明会の実施や、共学化の時期の見直し、意思決定の議論の情報公開などを要望している。
27日午前10時現在、4万9000人以上が賛同し、サイトで「大きなショック」「多様性をはき違えてる」などの声がある一方、卒業生を名乗る賛同者は「経営上必要な判断だと信じたいが説明不足だ」とコメントした。署名は7月17日に締め切り、理事会に提出する。
共学化の発表後、大学側は問い合わせ専用電話を開設。共学化の理由や施設の整備計画について問い合わせがあるという。同大学の担当者は「しっかりと対応していきたい」としている。