政府との随意契約で調達された備蓄米の販売が、大手スーパーなどで始まり、東京都内のイオン店舗などでは、山のように積まれた袋の写真がX上で次々に投稿された。
店舗前には、長い行列ができており、コメ高騰による生活への影響がうかがわれる。果たして備蓄米放出によって、この状況は変わるのだろうか。
「備蓄米入荷しました!!」。こんなポップが掲示された売り場には、備蓄米が山のように積み上がっている。
1区画だけでも2000袋はあり、その奥にも積まれているため、全部で数千袋はありそうだ。
イオンは2025年6月1日、東京都品川区内のイオンスタイル品川シーサイド店を手始めに、備蓄米の販売に踏み切った。5キロが2138円(税込)で、1家族1点に限っている。
前日の5月31日には、アイリスオーヤマとイトーヨーカ堂が、小売店として初めて今回の備蓄米を販売した。前日から列ができて、開店前には整理券の配布が終わって売り切れるほどだった。
それだけに、イオン店舗でも、早朝から備蓄米を買い求める長い列ができた。売り場には、備蓄米の袋が山と積まれたが、すぐに売れ切れたのだろうか。
この点について、イオンの広報担当者は2日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように明かした。
これだけ関心が集まる中でも、初日は、備蓄米が売れ残ったというのだ。店では、約850人が行列を作ったというが、開店1時間後には、列がなくなり、断続的に売れる状態になったという。
ただ、店では、2日以降は、備蓄米の新たな入荷予定はないとした。
イオンでは、6月2日は、イオンスタイル幕張新都心(千葉市)、イオン熱田店(名古屋市)、イオン大阪ドームシティ店(大阪市)の3店で、備蓄米を販売した。品川シーサイド店と同じ価格だが、同店より半分前後のそれぞれ2700袋、4200袋、4800袋を用意した。
これら3店では、同日の正午前後には、完売してしまったという。
3店では、今後の入荷予定はないという。イオンでは、3日以降は、何も決まっておらず、コメが不足気味の都心部を中心に、販売店舗を順次増やしていくという。最終的には、グループ約1万店での販売を目指すが、確保した約2万トンの上限があり、いつ実現できるかは未定だ。
備蓄米放出の旗振り役をしている小泉進次郎農水相は1日、品川シーサイド店を視察し、報道によると、「ものすごいスピードで応えてくれた事業者に感謝の気持ちでいっぱいだ」とし、「備蓄米の投入でコメ全体の価格に一定の影響を与える可能性がある」と期待感を示した。
実際、イオンの各店舗では、備蓄米販売の影響はどのくらい出ているのか。
この点について、イオンの広報担当者は、次のように話した。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)