春の大型連休「ゴールデンウィーク」。テレビでも当たり前のように使われている言葉だが、実は特定の企業が商標登録している。
NHKなど使用を控える一部のメディアもあるようだ。もちろん、一般的に使用する限りでは、なんら制限を受けることはない。
損害保険ジャパン(東京都新宿区)は2004年に保険分野で「ゴールデンウィーク」を商標登録した。また、宝ホールディングス(京都府京都市)も2014年に商標登録しており、こちらは酒類分野が対象だ。
そもそもは1950年代に映画業界が宣伝目的でつくった言葉とされ、それが一般にも広がったと言われている。
企業は商標登録を通じて、ブランドの差別化や認知度向上を狙う。しかし、一般名称を商標登録することによって、たとえば一部メディアが「大型連休」と言い換えることがある。
たとえば、登録商標について、『記者ハンドブック』(共同通信社)は原則として使わず、一般名称に言い換えるとするが、「一般名称化しているケースでは、商品イメージを損なわない限り柔軟に対応できる」とも記している。
商標の権利は、特定の商品・サービスに限られる。日常会話や報道で「ゴールデンウィーク」を使っても大きな問題はない。
なお、9月の連休「シルバーウィーク」を商標登録しているのも宝ホールディングスだ。
「ブロンズウィーク」の商標登録は特許情報プラットフォームでは確認できなかったが、年次有給休暇を取得しやすい環境をつくる制度として、兼松(東京都千代田区)が2016年に「ブロンズウィーク制度」を導入した。
当時のプレスリリースによれば、「飛び石連休の中日、あるいは3連休の前後に年次休暇を取得することで、個人ベースで4連休以上の大型連休制に」するものだという。
(弁護士ドットコムニュース編集部・塚田賢慎)